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ダンナと愛犬はヨーロピアン #6 アパートが火事!!




火事なのに逃げられない!?

ウィーンへ移住してすぐは、市内9区のアパートメントの4階で暮らしていました。

1年ほど経ったある日のこと。ダンナは仕事に出かけていて、愛犬と二人で過ごしていました。

いきなり窓の外から男性の怒号が聞こえ、窓から下を見ると数人の人たちが集まっています。彼らが指差す方を見ると、1階の窓から黒い煙が出ているではありませんか!火事だったのです!

火事の部屋の住人はちょっと危ない感じのお爺さんで、彼が何か叫びながら自分で火をつけたらしいのでした。

やばい!火が上に上がってきたら大変!

すぐに部屋のドアを開けて逃げようとしましたが、階段はもうすでに熱い黒煙が充満していて、階段も見えません。

このアパートには外階段がないので、この階段で降りるしかありません。

意を決して階段を降りようとしましたが全く何も見えない、そして息ができない煙の中、愛犬を抱いて4階下まで降りるのは不可能でした。

それから部屋に戻りましたが、煙を吸ってしまったので咳がひどく肺にも痛みが。

火事の部屋はアパートメントのドアのすぐ横。(アパートメントのエントランスはオートロックで部屋の呼び鈴を押すタイプ)どちらにしてもそのドアから逃げることはできなさそうな感じです。

窓から助けを求めようと除くと、消防車と梯子車は到着していますが消防士が部屋にいろというジェスチャーをします。

え〜 梯子車で助けてよーと思うのですが、何も始まりません。
どうしたらいいの?ドイツ語もできないので階下の人たちの叫びも何言ってるのかわからない。

そこでダンナに電話して火事の状況と私の行動について説明し、消防署に電話してどうすれば良いのかを聞いてもらうことにしました。

世界100ヶ国以上の消防組織がオーストリアRosenbauer社製の消防車両や機材を使用している 
筆者撮影

ダンナの日本語の理解力が・・・

しばらくするとダンナから折り返しがあり、消防署に電話したと。

すぐに助けに行ってもらうので、待っているようにと。

そして玄関ドアを激しく叩く音が!

すぐにドアを開けると、顔面を呼吸器で覆い、ボンベを背負った屈強な消防士が3〜4人きてくれたのです。

でも何やら様子がおかしい。

どうやら、彼らは私が煙を吸って重症で倒れていると思っていた感じなのです。

で、下に救急車が来ているのですぐに降りようと・・・

ダンナが私の日本語をよく理解できず、私がとてもやばい状況なのですぐに助け出してほしいと頼んだようです。

そんなこと言ってないのにー
逃げられないのでこのままどうしたらいいか聞いて欲しかっただけなのにー 涙

愛犬は、ダースベーダーみたいにスーハー言ってるでっかい男たちがドヤドヤと土足で入ってきたのでビックリ!
ベッドの下隅に隠れたまま出てこず、消防士さんたちを10分くらい待たせることに 涙

やっと愛犬を引き摺り出して部屋の外へ出ると、階段の煙はずいぶん収まっていて、普通に歩いて降りられました。

ドナウ川で放水しているウィーン消防隊 筆者撮影

実は、1階の火事は他の部屋に延焼することもなくすぐに消し止められようとしていた状況だったので、4階にそのままいなさいということだったのでした。

でもダンナが「嫁が煙吸って大変なことになってる」と言ってしまったものだから、大したことないのに、私が助けてもらいたいがために大袈裟に言ったように消防士に取られてしまったのかも知れない。

とんだ赤っ恥をかいてしまったのです。

アパートの外に出ると救急隊員が優しく迎えてくれて、体調を聞かれました。

ジェスチャーで(当時はまだスマホのトランスレーターが無い時代)肺が痛いというと救急車に乗せられそうになったのだけど、愛犬を置いていくわけにもいかず断りました。(まだオーストリアへ来て間もない頃でしたので、ウルウル光線も出せず 詳しくは#4で)

その後1週間ほど肺の痛みは続きましたし、アパートのお隣の方が旅行中でケアを頼まれていた植物たちも、廊下に置いてあったので全て煙でやられて枯れてしまいました😭

海外で、言葉が通じないことのヤバさが身に染みた体験でした。

ワンポイントドイツ語 トラブル発生時

オーストリアやドイツに行かれる方は、これらも覚えておいた方がいいですね。
数字は電話番号です。

助けて!はHilfe(ヒルフェ)
救急(車)はRettung(レトゥング)
火事!はFeuer(フォイア)

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