見出し画像

『職業遍歴』#32-1 大手企業のWeb編集の仕事

筆者が過去に経験した「履歴書には書けない仕事(バイト含む)」を振り返る「職業遍歴」シリーズ第32弾。今回は、大手企業でWeb編集者として働きはじめたものの、たった8ヶ月でひどい切られ方をしたというお話です。

32.大手企業のWeb編集

久しぶりの更新になります。これを更新するということは、そう、私はまた一つ職歴を重ねました。私はもう、30以上の職を転々としました。これ以上、職歴を重ねたくありません。しかし、私は派遣。企業の都合でじゃんじゃん切られます。そしてどんどん短期の経歴が増えていきます。

今回は、今までで最もひどい切られ方をしました。辞め方もじつに寂しいものでした。まだ辞めて日が浅いですが、なるべく冷静になって事実をありのままに書きたいと思います。

この会社に入ったのは、昨年の7月です。私は当時4ヶ月も無職が続いており、焦っていました。それまでに3社面談を受けましたが、落とされました。4社目のこの会社が私を採用してくれたときは、本当にうれしかったです。

この会社は大手電気通信会社で、多数のグループ会社を抱えています。仕事内容は、そのグループ会社の社内報を作ることでした。社内報はWeb媒体です。私はやるんなら紙ではなくWebだと思っていたので、まさに自分のやりたいことが叶う仕事だと思いました。

時給は2100円と、今までで最も高かったです。Web系の仕事は、時給2000円越えの案件がゴロゴロありますが、競争率も高いです。しかもこの会社は、取材など出社の必要があるとき以外はリモートでした。私はさまざまな理由から高時給でリモートできる仕事を探していましたので、この案件はうってつけでした。自分の希望通りの好条件の仕事が見つかり、私はほくほくしていました。

社内報の編集の仕事は、「取材」と「投稿」があり、最初のうちは「投稿」を任されました。各部署から集まってきた原稿を校正・編集し、先方と原稿をやりとりし、スケジュールを調整し、制作依頼をかけ、ページを確認して公開に向けた作業を進めます。原稿の校正は、私が最も得意とすることの一つです。私は校正という地道な作業がとても好きです。この会社では記者ハンドブックの表記に合わせていましたので、私は記者ハンをまめに開きながら校正・編集作業に勤しみました。編集が終わると先方に送り、先方から赤字を入れた原稿が戻ってきます。それを再チェックして制作依頼をかけます。ページの制作は制作担当が行うので、私はコーディングなどをやる必要はなく、純粋に編集作業だけでした。先方からの細かい要望に応えたりする必要はありましたが、「投稿」の編集作業はそれほど大変ではありませんでした。私はすぐに仕事に慣れていきました。

私の仕事覚えが早かったので、私は異例の早さで「取材」も任されることになります。取材は投稿とは違って大変でした。この社内報はクライアントありきなので、まずクライアントの要望をしっかり聞き出さなくてはなりません。取材する部署も複数に跨っていたりするので、どんな方向性の記事にするかの細かいヒアリングが必要になります。編集者はクライアントや主管部署にヒアリングをして情報を集め、取材構成シートを作成して、ライターさんにどのような記事にしたいかを共有します。

取材当日は、撮影も編集者が行います。私は撮影といえばポートレートの撮影くらいしか経験がありませんでしたが、この社内報の取材はイベントの取材などもあり、結構な撮影のスキルが必要になるなと思いました。面談時には「簡単なスチール撮影」と言われたのですが・・・。撮影に関してはポートレート撮影しか経験がなく、あまり自信がない旨をリーダーにも伝えていました。しかし、そんなことを言ったところで、やることは変わりません。私は取材もどんどん任され、撮影もしました。

入社して半年以上が経ち、なんとか取材にも慣れ、うまく回せるようになってきたと思っていたところで、私は派遣会社から、3月末までで契約終了となったと伝えられました。通達があったのは2月末。一ヶ月前のギリギリになっての通達でした。派遣先が唐突にこのような意向を示したことに対して、派遣会社の営業担当も驚いていました。私も愕然としていました。いったい何が起きたというのだ? 私には何の落ち度もないのに?

派遣会社に理由を確認してもらったところ、「取材対応のスキル不足」という答えが返ってきました。しかし、私はきちんと取材もこなしていました。いったい何が悪かったのか、いまだによくわかりません。

一ヶ月前のギリギリに契約終了を言い渡され、私は困り果てました。次の仕事をすぐに探さないと、路頭に迷うことになります。とにかく有給を消化させてもらおうと、「3/14」を最終出勤日とさせてもらうことにしました。契約終了を通達されてから、二週間しかありませんでした。

続く


この記事が参加している募集

編集の仕事

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?