記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

城定秀夫「ビリーバーズ」

2022年7月テアトル新宿で、城定秀夫「ビリーバーズ」 原作は山本直樹。

カルト教団の下っ端オペレーター(磯村勇斗)が、議長(宇野祥平)、副議長(北村優衣)と3人きりで孤島のプログラム。磯村はエロい優衣の魅力に抗えず思わず禁忌を破ってしまうが、安住の地を求める教祖たちが雪崩れ込み全ては夢なのか?それとも現?濡れ場が見所の令和ロマンポルノの問題作。

一筋縄ではいかない作品と思う、まさにブラック城定さん。山本直樹の原作漫画は未読だけど、ブラックでシニカルでコミカルな感じなのだろう。でも城定さんにはペーソスがある。トゲトゲに尖った内容なのにマイルドな味わいも同時に感じられる。だから一般公開できるのだろう。

城定監督はこれまで山本直樹の原作漫画を三本、映画化している(正確にはVシネだが)「どれいちゃんとごしゅじんさまくん」「アダルトビデオができるまで」「アダルトビデオの作り方」どれもR18仕様のギットギトにエロい作品だが、本作は随分とマイルドに仕上がってると思う。

城定監督がVシネで撮った山本直樹原作作品はいずれも女性を男性の性欲を満たすための従属物のようにしか扱っておらず、シチュエーションとしてマゾっ気のある女性には堪らん作品だと思う(←女性蔑視でもあるけどw)ファンタジーとしてのエロい女性はとってもファンシーだ(*‘∀‘)

ヒロインの北村優衣ちゃん23歳には詳しく触れざるを得ない。見た目清純そうで地味目なルックスだけど脱いだら凄いんです!巨乳で乳首はピンク色でキレイで、しかも両おっぱいの大きさがなんか違う(笑)城定演出の賢さはいきなり全部脱がさない、着衣、着エロから入ります(*´ω`)

エロ目線では主人公の磯村になった気で観てるとしっくりくる(←イケメン過ぎるけどなw)ホットパンツの太ももに欲情、濡れたTシャツが透けておっぱい丸見え乳首が浮き立ち、海で愛を告白しようとしたら先に全裸になっていて「来て!」ドーデス、この浦島太郎のようなお話w

本作で描かれるカルト教団が破防法を適用すべきような反社会的な組織というよりも、むしろ自分が見た夢を描き出すことで現実と直結させる、その夢は「みんなのために頑張りましょう」エゴに捉われない「浄化」されたものでなくてはならない。ここに性欲が絡むから面白い(笑)

自分の見た夢を顕在化させることで自分の内面を直視し、汚れた部分を浄化するって言う発想は、自分は性欲を持っているので遮断しなければなりません!って宣言してるようなもので(笑)だから宇野議長が優衣副議長相手にとんでもない抱腹絶倒の奇行に出てしまうのでありますw

感想を書きながらネタバレを心配してしまうのだけど、いや、実は最初から最後まで書いても問題ないかな?と思う。夢を映像化しただけの作品であって、観る人ごとに受け止め方が全く違う、良い意味で過剰な説明を避けている、映画としてあるべき方向性の作品だと思うのです。

だから、観てる最中に「俺は一体なにを観てるんだ???」と袋小路に入ってしまうのですが、さすがにそこは城定さん、ちゃんと優衣ちゃんのハダカ、羨ましすぎる磯村が優衣ちゃんとFUCKする場面をちゃんとクライマックスに置き続け、方位磁針にしてる器用な演出方法だ。

この作品をロマンポルノだと例えたはいいけど、じゃあ誰の作品みたいなのか?ちょっと考え込んでしまったけど、池田敏春「青い珊瑚礁」だね。物語自体はすっごく暗いのに、濡れ場は沖縄のエメラルドブルーの中で寺島まゆみや倉吉朝子が開放的にヤッちゃうポルノを思い出した。

池田敏春って山本直樹と仮に組んだら凄い相性抜群だったと思う(時代がズレてるから無理だけど)ブラックでシニカルでユーモラス。ここまでが二人に共通してる要素で、一歩間違えると狂気の世界にハマりこんじゃう。でも城定さんならそうならないのはペーソスあってこそだ。

城定さんの作品に通底してると思うのは、登場人物にそれぞれのドラマがあって交錯する人情悲喜劇みたいなもので、やっぱり成人映画時代に培われた才能だと思う。あからさまに描いちゃうとベタだけど、ちょっとスタイリッシュにシンプルに描いてるから、カッコ良く感じるのだ。

ただ私は、脱ぐ、濡れ場を演じる女優が一人きりのロマンポルノは観たことない。必ず二人以上いる。逆に言えば一人しか脱ぐ、濡れ場演じる人がいないのはアダルトビデオってことになっちゃうんだけど(笑)当然ながらそんな作品じゃないです。男優も二人しか登場しないけれどw

ヒロインの北村優衣は文字通り「身体張ってる」最初に登場した時の清楚なイメージから「まさか脱いでくれるの?」と思ってたらオールヌードを皮切りにフェラや立位、正常位でのFUCKシーンまで演じちゃう、ロマンポルノに置き換えてもソフトな方じゃない、ハードの方だw

この作品は新興宗教を描いてるようで実はフェイク。人間の心の奥底にある「夢を現実化したい」即ち寝ている時に観た無意識の欲求を書き出して現実のものにしましょうよ。でも反社会的じゃダメです。みんなのために頑張りましょう、そういうタイプの夢じゃないとダメなんですw

宇野祥平のアカデミー賞ものの怪演がスゲエ!彼は議長として訳ワカメなことをまくしたてるのが仕事だから(笑)映画を観てる方としても「こいつの喋ってること全然分かんねえよ」と思う位でちょうど良くて、でもそんな演技できる奴、中々いないだろw頭に全然、残ってねえ!

タイトルの「ビリーバーズ」って、カッコ良く聞こえがちだけど日本語に訳すと「信者」主演の北村優衣、磯村勇斗、宇野祥平の、男2・女1配合あいのりで無人島に閉じ込めてタイトルインの題字もイカしてて、その後に展開される「俺、エロい夢を見ました」な感じとのギャップがスゲエw

宇野議長と優衣副議長、それに三人の中で下っ端であろうwオペレーターの磯村が三人きりで孤島生活する様をドローンで映し出し、三人が足の裏をトライアングルのように重ねるイニシエーションw更に、三人が昨晩見た夢をノートに書き出し、ウソ偽りなくお互いに報告し合うw

カルト宗教の団名は「(^^)ニコニコ人生センター」と言って(笑)不幸な過去を持つ者たちがそれを乗り越えようニコニコな将来を得るための夢を現実に変える意識改革プログラムとでも言うのでしょうか(笑)荒唐無稽ではあるけれど、まんざら無くもなさそうな新興宗教の一形態w

前半部は宇野祥平劇場と表現しても過言ではなく(笑)副議長の優衣とオペレーターの磯村に絶対服従を強いながら無茶ぶりの連続wそんな中、磯村の夢の中で顕在化する、階段の上に立つ女の脚首を掴んでる自分を見た夢。それは彼の隠そうとしても隠しきれない性欲の表れだったw

磯村は孤島のプログラムの中で女の脚を掴む私の夢を告白し、その女の顔は優衣であったwww優衣はイケメンの磯村に愛を告白されたようなもので満更でも無く、片足が破れたジーンズを「バランスが悪いから切っちゃった」ホットパンツにしてムチムチの太ももを磯村はガン見w

急に雨が降り出して「(^^)ニコニコ人生センター」Tシャツがずぶ濡れ。透けておっぱいが見える優衣に思わず磯村は欲情するがじっと我慢wところが後ろを振り向くと全裸の優衣ちゃんが立ってるじゃありませんか!もう性欲が抑えきれず、優衣と水中FUCKして禁忌を破った磯村!

優衣と磯村の海中FUCKシーンを覗いてる影、宇野議長だ!彼は禁忌を破った磯村を責めているのではない。勃起してしまった自分を責めているのだw柱に自分を縛り付け「このチ〇コを咥えて嚙み切ってくれ!」磯村にも「何、ボーと突っ立ってるんだ。応援しろよ!」と凄むw

優衣がしゃがみ込んで宇野のイチモツをフェラする姿に「どっちもガンバレ!」声援を送る磯村のバカさに軽く悶絶www夢の中では優衣に望み通りチ〇コを噛み切られギャーと悲鳴を上げたはずの宇野、でも優衣はゴックンしていたw「なんでゴックンするんだ!」またキレる宇野w

すっかりラブラブになった優衣と磯村。人気のない部屋で身の上話を始める優衣は一年前に夫と別れた元人妻であった(←だからこんなにエロいのかw)磯村は優衣を押し倒し、正常位でFUCKし始めると、夢枕に母親(佐倉萌)が現れた。彼女こそカルト教団に磯村を引き込んだ元凶。

スポットライトが当たる二人きりの母親・萌と息子・磯村。お母さんがいけなかったの、こんな宗教にあなたを誘ったりして。でも私、目が覚めたの、あなたもこんな教団さっさとやめなさい。でも磯村は言い返す。俺が前に母さんに言ったようにこうしてやめさせようとするんだろ。

磯村と優衣が肉体関係に陥ったことは、宇野議長の知る所となりw穴を掘って浄化を強いられる磯村と、エロい罰を与えようとされる優衣wでも本部があるんだ、カルト教団にだって!優衣は禁忌を犯した宇野議長の罪状を本部にメールし、彼はポアされ、ついに優衣と磯村二人きりw

とうとう二人っきりになっちゃったね♡アダムとイヴのように砂浜で全裸になりFUCKする優衣と磯村は艶めかしくも神々しいw気が付けばいつの間にかFUCKシーン満載で(笑)カルト宗教の映画を観てるとすっかり信じ込んでいた俺、これはポルノ映画だって途中で目が覚めた(笑)

優衣と磯村の二人っきりで孤島ラブラブ愛欲生活は長く続くことも無くwここに本部長(毎熊克哉)が乗り込んできた。本部長のくせに洗脳を解かれた途端に「この宗教は怪しい、ひし子、一緒に逃げよう」と優衣に迫る毎熊。それを立ち聞きした磯村は「優衣の本名って、ひし子っていうのかあ」

カルト教団が全国で弾圧され始め、暴徒化した教団員が大暴れ!を麻木貴仁さんが血まみれで大暴れだけで演出乗り切るの、スゲエ!大浴場で全裸の男たちにナイフを振り回して暴れ続ける麻木貴仁さんは良く観ないと血で顔が変わっちゃってるよwで、みんな孤島に来るわけですw

このカルト教団、信者が2万人もいるらしくwその割には3人しかいなかった孤島に取り敢えず「安住の地を求めて」200人ほどの精鋭部隊が集結。ブラスバンドで会歌「みんなのために頑張ろう」を演奏、合唱。教祖の山本直樹が鎮座、信者たちに「いざ、安住の地へ」演説開始。

毎熊が教会に反旗を振りかざして暴れ出し敢え無く射殺されw手に手を取り合って逃げる磯村と優衣も射撃され万事休す?と思ったら( ゚Д゚)と目が覚めると磯村は牢獄の中。中央アジアで宇野議長が大使館を占拠し理想の国家作りを宣言、獄中の磯村の保釈を要求してるというのだw

磯村はまた眠りの中にいる。( ゚Д゚)い、生きてたのか?ボートに優衣と二人で乗って、此岸は三途の川のようなすすきの原、彼岸は摩天楼の大都会。「一緒に逃げましょう」駆け落ちした優衣が磯村に甘え声で呟いた「ねえ、向こうの岸まで行きましょうよ」これは夢?それとも現?

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?