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社会のゆたかさ 個人のゆたかさ

改めて「ゆたかさ」を考えることはあまりない。そこで考えてみた。「社会的なゆたかさ」と「個人としてのゆたかさ」問題である。
まず「社会的なゆたかさ」であるが、これは「社会における冨の総量が大きい」、「社会的な富が納得感のある形で分配されている」この二つによってもたらされるように思える。

 社会は個人の集まりだから「個人のゆたかさ」の総量だという人もいそうだ。

しかし「個人のゆたかさ」は「経済的にゆたかである」ということと「自分は幸福である」「自分は社会的な関係の中で満足して生活している(過ごしている)」のブレンドと考えられる。したがって「個人のゆたかさ」を計測して総量を図り、これをもって「社会のゆたかさ」とするのは無理がある。

 個人の満足度を考えてみる。
例えば
「今売れてないけど小説を書いて将来認められる可能性にかける。自分はその状態にあることが今の満足度を高める。だから邪魔しないでくれ」という人と

「今、経済的にゆたかであることを優先しており、その点で自分は満足である」という人がいるとする。

両方とも今、満足度が高い。これを数値化して総量を計算する。この計算にあまり意味があるとは思えない。


ということで社会的な意味でのゆたかさは、(経済的側面で計測すればよく)「富の総量の大きさ」と、「納得感のある分配が実現される」ことによりもたらされる、と結論づけられる。

しかし「冨の分配の納得感」は人によって相違する。
「自分はリスクとって起業し、何回か失敗したが、ようやく最近うまくいって経済的にも富裕な状態になった。この富裕な状態(大きな冨を得た)に納得感がある」

「生活そのものに苦労する、日々食べるだけで大変だという人がいる。こういう不公平な状態を考えれば、富裕な奴から高額の税金をとって、貧困層に分配することが大事だ。それが実現して納得感が得られる」

「公平に分配することが大事だ。新型コロナで食うに困る人に重点的に分配するより、自分も含めみんなに一律10万円分配するほうが納得感がある」

 ということで富の分配のためには総量が大きいほうがいいが、この分配についての納得感はバランス問題にしかならないと思える。
みんながなんとなく不満はあるが、まあ5割超えて納得感があれば、「この程度で仕方ないか」となり、社会的には納得感の最大値が実現されるように思える。

 さて次に「個人のゆたかさ」である。「個人のゆたかさ」は先にあげた「経済的ゆたかさ」「幸福である」「満足度」により規定される。これらをもたらすのは「稼ぎ出す能力とそれを発揮する場」「金融資産」「社会的な関係の大きさ」である。
人はこれらのバランスが相違している。どこに比重を置くかは、与えられた条件と価値観による。私の場合は、一人遊びが好きなので、
「稼ぎ出す能力とそれを発揮する場」>「金融資産」>「社会的な関係の大きさ」
という大小関係で自分のゆたかさが規定される。
もう少し年をとるとこれが(あくまで自分の場合)
「金融資産」>「稼ぎ出す能力とそれを発揮する場」「>「社会的な関係の大きさ」
となるように思える。

 繰り返すがこれらは人によって相当に相違する。個人的には人との比較に重点を置きがちな「社会的な関係の大きさ」に価値を置く人は大変だと思う。

周りから認められることに価値を置く。すると会社ではえらくなって認められることが重要になる。これは稼ぐ話に結び付くから勘違いしがちだが、稼ぐことに重点があるなら、スピンアウトして起業するほうが可能性が高いのではないか。また満足度も高いように思える。

 なぜかというと、「自分が選択して従事する仕事」で金を稼ぐからである。会社で褒められることに価値を置く場合、「仕事は与えられたもの」で、基準は稼ぐ金でなく、評価権者による評価である。これで満足感や幸福感がもたらされる人は、自分の外側に豊かさの源泉があるから大変だと思う(個人の感想)。

 そうはいってもこのように外側に価値をおけば、リスクをとらずに安定していて、人に認められ、その結果、金融資産が蓄積される。ということになるらしい(らしい というのはそういう話をする人が多いという意味である)。

 こういう(私にとっては)都合のいい話は世の中にいっぱいあって、政治家は特にそのような社会を実現してくれる人でいっぱいである。

 しかし私はリスクとって自分で勝手に行動することが好きなので、こういう親切な社会、リスクがなく、安心安全で、いつも誰かがほめてくれて、稼いでいる実感がなくても働いていれば金融資産が勝手に蓄積され、ダメでも公的年金をいっぱいくれる社会が「個人としてのゆたかさ」をもたらしてくれる というのはどうも信用できない。少なくとも将来がそのように保証されると思って心配しなくていいといわれても納得できない。

結論
「稼ぐ能力」と「金融資産の蓄積」、それと「一人遊びが好き」これこそがわたしにとってのゆたかさである。
書いててあまり一般に通用しそうにないなー。個人事業者のたわごとと、読み流してください。

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