「おにぎりを手で握り潰して指のあいだから具が出てきた人」【ワンフレーズ小説】
📚1分で読める、おバカなショートストーリー昼休み、職場の休憩室で恒例の"チャレンジ"が始まった。この奇妙な儀式は、毎週金曜日に行われるもので、ルールは単純だ。おにぎりを手で握り潰し、指のあいだから具が出てきた人が勝利、出てこなかった人は敗北となる。
「よし、いくぞ!」と意気込んで、私と同僚の山田が同時におにぎりを握り潰した。山田の指のあいだから、鮭の具がにゅるっと飛び出した。「勝った!」と彼は叫んだ。
一方、私の指のあいだからはただの米粒だけがポロポロとこぼれ落ちた。「敗