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【モネとタレルに試される目】直島・地中美術館 美術をめぐる旅5
直島・地中美術館。ここはモネとジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリアの3作品のみで構成されるとても贅沢な美術館である。
【沢山あるけど全部違うモネ】
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モネのための部屋、って一体どうなのだろうと思っていたが、その部屋に入って安藤忠雄がこの建物を作りたかったのか腑に落ちてしまう。
展示品が変わることはないので光も壁のサイズも絵のための比率になっている。
モネの睡蓮は本当に日本に枚数がある。
でもこの睡蓮のために作られた部屋で見ることに「ここで見た」という強烈なインパクトになった。
この空間、床の感触も不思議なのだ。
下足を脱ぎ専用スリッパに履き替える。
足の裏からはタイルの上に毛が生えた様なフワフワ感が伝わる。靴を履いている時と違う。
そこで見るモネ。
入場のタイミングより、この部屋を独り占めできる時間があった。
多分10分にも満たないのだけど。
でもそこに1人長い時間取り残された様な体感だった。
【ジェームズ・タレル】2023年夏に見たジェームズ・タレルを見て改めて気がついた人間の「目」の認識
7月中頃に乃木坂で見たテート美術館展のジェームズ・タレル作品に続き、直島へ上陸したおかげでこの夏は彼の作品を複数見ることになった。
こんなに見たのは98年に世田谷美術館で開催された個展以来。
作品の仕組みが仕組みなため、都内美術館で作品は所蔵はされているが常時展示施設はほぼ無い状態だ。
そして個展を見た頃は中高生だったので、その作品の意味など理解しないまま見ていた。
近年はオラファー・エリアソンの名前をよく聞くようになったが、クリストの死去もありランドスケープアートという言葉も再度認識され直したり、名前を聞くようになった。
まずジェームズ・タレルの作品は光を受け止める人間の目に大きく関わる。
空がなぜ青く見えるのか
光とはなにか
視覚と空間掌握の関係性。
広いと思った空間が実は目の前に壁があったり
青空は変わらないはずなのに四角くくり抜かれた周囲の色によって見え方が変わってしまったり。
日没時に行われるナイトプログラムに参加したのだが、それもまた非常に幻想的だが科学的でもあり、目とは何か、視覚、網膜とは何か?を痛感させられた。
空の色ってなんだ?人間の目ってなんだ。
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【夜更けの瀬戸内海大移動】
さて、ナイトプログラムは日没に合わせて行われる。
7月下旬の日没は19:20頃。
集合場所18時50分だった。
宿泊地、高松港への最終直行便は19:45
ナイトプログラムの解散時間の案内は20:10。
あ、完全に間に合わないじゃん。
宿泊地の高松へどうやって戻ろう…
となりましたが、岡山の宇野港への直行便は20時台もまだあるではないですか。
と、いうわけで。
地中美術館入り口で直島内のタクシーを予約しとりあえず美術館→宮浦港へ。
朝も歩いたから港まで歩けるかなと思いましたが、その日は猪も見かけているし、美術館の方からも「夜は猪が出ますよ、危険です」と言われて安全を取った。タクシーの運転手さんは「キアヌリーブスも乗せたことあるんよ」と話してくれて夜の移動も楽しい時間にしてくれた。
そして、
直島・宮浦港→岡山宇野港→JR宇野駅→茶屋町で快速マリンライナーに乗車→瀬戸大橋を渡り→高松駅
という、真っ暗闇の瀬戸内海一周を決行。
せっかく瀬戸大橋を渡ってるのにまっったく外が見えない。人生初の岡山がものの1時間ぐらいの滞在に。
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23時頃高松駅到着
我ながら執念に笑ってしまった。
でも直島でしか体験出来ない、見れなかったジェームズ・タレルを体験出来て良かったから、これも旅の良い思い出だ。
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