見出し画像

【わかることが全てじゃない】タグコレ 現代アートはわからんね 角川武蔵野ミュージアム

展示タイトルになっている「現代アートはわからんね」は何を隠そう、いまや現代アートコレクターの筆頭、田口さんの言葉である。

「わからないけどおもしろい」で行動できる勇気、なんだな。


わからない。わからないから、おもしろい

読む、展覧会。

「わからない」視点でコレクションが始まっていくのも面白いし、入手経路にドラマがあったり、入手後、その作品との付き合い方など、
エピソードが面白い展覧会だった。
読む、展覧会。
読む、展覧会。。。なるほどだから出版会社である角川武蔵野ミュージアムでの展示なのか。

美術品を読む、というのも、面白い。
言ってしまえば「個人的な思い出の話」なのだが、なぜそれを読むのが「おもしろい」と感じるのか。

リキテンスタイン!この画風はお馴染み。
同じリキテンスタインだけどこれはちょいと意外…

目の前にある一つの作品の購入を巡ってどれだけのドラマがあったのか。
作家の制作エピソードを語られることは多くあったが、その作品を欲しい!と思い行動した人の話はなかなか今まで表に出てこなった。

こんな世界があるのか、という驚きと現代美術は「わからない」けど購入に向けて行動したその勇気に励まされるような、そんな気持ちになった。

そこもこの展示の面白さ、なんだろう。

展示品について

今回、入り口に展示されていた宮島達男氏の作品。3色からなるFloating Timeシリーズ。

お馴染みデジタル数字
千葉市美の時は映像の投影された床の上を歩くことができた。

2020年、千葉市美術館の宮島達男展で見た作品だったので、てっきり田口さんがコレクションしたものを貸し出したものかと思った。
ところが解説を読むとその逆だった。
宮島達男展を見た田口さんが展示品を見て作家蔵だった作品を購入したとのこと。宮島さんが作品を制作したのは2000年。
購入されたのは制作後20年後というわけだ。

解説。


そして私の様な1鑑賞者とコレクターが同じ場面で、同じ公開タイミングで作品と対峙していたという時間軸にちょっと驚いた。
(なんとなく先に知っていそうなのかな、と思っていたり。)

補足としての資料

この展覧会を見る方、見た方におすすめしたいのがこの本。
小山登美夫「その絵、いくら?-現代アートの相場がわかる」

ギャラリストの視点から作家さんに対する思い、購入者側の話、二次販売などの問題点について語っている。2008年の出版本なのでブロックチェーン等の言葉は出てこないが、そんなことも加味しながら読むのにおすすめです。


角川武蔵野ミュージアム外観。
住宅街に唐突と現れる隈研吾建築。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?