【音楽ルーツをさらせるか】梅津庸一 クリスタル・パレス 国立国際美術館
記憶が薄れてきてるから早く仕上げねば。
関西美術館めぐりの最終回である。
この後も相変わらず展覧会に足を運んでいるので記録が渋滞し始めた。
大阪中之島美術館で2企画展を見たあと、国立国際美術館へ移動。
梅津庸一氏をどこで知ったか
美術手帖の神楽坂のギャラリー
ちゃんと名前を認識したのは確かこの展示をふらっと訪れた時。
・国立西洋美術館「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?―国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ」
のインタビューで氏が話している内容がめっちゃ面白かった。
・ワタリウムのこの展示も面白かった。キュレーター役な展示。
で、満を持してワンマン。だけど大阪!ということで
どうしても中之島美術館の隣、というより「裏側」という表現になってしまう国立国際美術館。
しかも常設展示室が不具合で閉じていて、コレクション展示再開は11月からというなんともな状況。なんとなくうら寂しい地下の施設状態…。
頑張れ国立国際!超頑張れ!独立行政法人国立美術館の矜持を見せてくれ!
とはいえ、そんな美術館で梅津氏の作品展示というのもなんだか皮肉めいててそれさえも演出のようで面白い。
美術教育ってなんやねんにつっこんでいく
知・感・情を自作自演でやってのけるその神経が面白い。
作家の音楽ルーツの公開
で、世代的にはめっちゃ同世代なんですよね。
作品以外に自分のルーツとなる部分、コアな要素も展示してあるがこれがなんとV系バンドのCD。
あぁ〜…
わかる…同世代だわな…そしてこのなんとも言えない気まずさ。
微妙さ。
ドローイングに挿入されるV系の歌詞…
その微妙さの滑稽さ、というかそこが面白いというか。
例えばこれが青森で見た奈良美智さんの個展だったならば60年代ロック、パンクのスタンダードのレコードやらカセットテープやらがズラッと無造作に並べられていて…
なんかもう、プロダクトとしてカセットやレコードがかっこよく魅せてた。
ラフに描いたドローイングにもパンクな歌詞が書かれていてその筋の人が見てもわかったり…とか音楽的文脈から近い人が美術に反応したりが起きたり、
その「なんかセンスがいい」と感じたり識別したりするわけだ。
自身が若い頃やっていたという弘前のロック喫茶再現展示とか。会場内でプレイリストの紙配ったりとか。あ、センス良いなーと。
(奈良さんの個展を意識したかどうかはわからないけれど)音楽に影響を受けたことを美術館で展示するならば、と秘匿せずバーンとルーツを打ち出したこの感じ。
が、しかしV系の不穏な感じ。
しかもCDの絶妙なひと昔前感。
棚が全部黒い…もうなんか面白すぎる。
(良い意味で)居た堪れない感じを共有したかったのかな。
でもこの居た堪れない感じ、はすごくよくわかる。リアルだ。
だって私もB'zファンだし。V系とはまた違う方向に音楽の趣味を言いづらいジャンルだったがそれでも継続年数が世の中に認められ最近じゃぁまだ言いやすいけど。
以前だったらカミングアウトぐらいの勇気が必要だった時代があった。
アンチ数も多いから不意に強い否定を受けることがあって大いに傷ついたんだと思う。
と、そんな恥部を美術館で晒しだす感じ。
この作者らしいといえばらしいのかもしれない。
本人のコメントにも「恥部」と記載があるものもあったな。
美術鑑賞教室の対象になる
そしてこの展示には大阪の中学校が美術鑑賞教室にきていた。
笑ったよね。
この展示見に来るのか!!お隣の塩田千春ではなく!!
みんな笑ったりしながらメモ取っていた。
いいと思う。
ある意味、厨二病全開な展示だし、
もしかしたらここを見て救われる部分もあるかもしれない。
展示数が多すぎてヘロヘロになりながら展示室から退場。最後はオリジナルV系ミュージックが流れていて正にカオスだった。
頑張る国立国際美術館
今回はなんと!!!高松次郎さんのグッズが販売されていた!
絵葉書や図録、写真集以外でグッズとして推されることってあまりないので、超びっくりして2個買った。自宅用と会社のデスク用。
これでいつでも高松次郎さんを見れる。
このあたりの時代、60年代日本の現代美術グッズもっと作ってくれー!
フェ◯ッシモさんどうですか。
影のTシャツとか千円札のTシャツとか洗濯バサミのTsy以下自粛。
コンパクトオブジェのキーホルダーとか宇宙の缶詰のガチャガチャとか。
もの派ガチャガチャとかあったらいいのに。
「大地 位相」とか出てきたらビビるけど。
旅の締めくくり
この展示を見終えて15時ぐらい。京都に戻って16時。
駅からほど近い京都市立芸術大学のギャラリーに最後寄って休憩しつつ。
京都伊勢丹で551の焼売を買った。
京都伊勢丹の551イートインは無くなったのね。あそこでサクッと食べるのが好きだったが…持ち帰り専門になっていた。松茸ちまきも惹かれたが焼売のみ。
お土産事情
子どもたちから八ツ橋を所望されていたので、おみやげコーナーで購入。おみやげコーナーの販売員のおばあちゃんが英語ペラッペラで、すごいな京都と思った。
実家の母には京都へ来ていることも伝えてなかったが(いっつも事後報告)硬い八ツ橋を購入。昔から彼女の好物。
あと、丹波口の近くにあったスーパーマーケット「マツモト」で買った「ちょこ煎」というおやつ。京都のメーカーの。
これが今回一番美味しかった。
おみやげコーナーにはなかったけどスーパーの煎餅コーナーに推して置いてあった。新しいスタンダードなのだろうか。
思えば1月に青森へ行った時もいかにも銘菓!というものより、華美でない装飾の「こわれ南部せんべいチョコQ助」というお菓子が最高に美味しくて、家族から大絶賛。
その半年後、夫が八戸に出張に行った際も
「なにはともあれチョコQ助を!!チョコQ助を買ってきてくれ!!」
と家族全員で懇願。
しかし夫が行った時にはかなり入手困難になっておりタクシーの運ちゃんからも「あれは今、地元の人でも争奪戦」と言われたそうだ。
伝統菓子×チョコってハズレがないのかもしれない。
23時頃帰宅。
あぁ楽しかった…しかし関東は涼しいな…
夫にまず最初に話したことは1998年の図録を入手したことだった。
めちゃくちゃ笑われた。
ただのトラベルでなくタイムトラベルかよと思われたかもしれない。
しかし今回は図録2冊にとどまったので少ないねと言われた。(以前7冊とかやらかして腕がちぎれると半泣きで帰ってきた前科がある)
次の日の朝食後、みんなで八つ橋を食べた。
あぁ美味しい。定番は良い。
息子2人とも意外とニッキの風味はいけるらしい。
-2024年秋の関西美術館旅行、完-