見出し画像

【大充実の種蒔き】山梨県立美術館 コレクション展示室Aミレー館 

GW2日目は小海町高原美術館→清里フォトミュージアム→終点は山梨県立美術館である。

さて山梨県立美術館の目玉というか、物すごい勢いでミレーの「種を蒔く人」を推している。美術館のマークにもシルエットが入ってる。
そして建築は前川國男。

午後3時到着。


快晴のため敷地内から富士山くっきり


外観は…東京都美術館みがある赤煉瓦貼り。
ところが館内に入った時ロビーの広さ、ゆったりとした作りに「お〜!」となった。

途中まで天井は低く
そこを抜けると吹き抜け


これから展覧会を見る、という気持ちに良い影響を与えてくれる空間だった。
チケット売り場もシンプルな作りで空間を邪魔しない。

ミレー館 [コレクション展A] 

コレクション展示室では惜しみなく、潔く、初っ端から所蔵品のミレー作品をバーンと展示してある。
非常に分かりやすい動線、安心感。

入り口に顔ハメあった

数ヶ月前に府中市美術館寄託品の「種を蒔く人」見ていたのだ。
世界に5枚現存するシリーズのうち最初期の一枚と言われている。
だいぶ、痛んでおり、画面も小さい。
人物はまだ明瞭に描かれていない。

今回、山梨県立美術館の「種を蒔く人」を見て驚いたのはその大きさである。

画面、デカい。

あぁこんなに大きい絵だったのか…自分が抱いていたサイズイメージと随分離れていてまずそこに感激した。
本当に見ないとわからないものだな。

ミレーの作品だって初めて見た訳ではなく、何作か見て来たはずだ。それでも。

種を蒔く人の迫力、腕の遠心力。
ワッと撒かれる種。
この画面から伝わることの多さ。

この絵が、農作物栽培が盛んな山梨の地に納められていることは、とても合っているのかも知れない。(購入した時は色々言われたと思うけど。)

ミレーを見終わるとここへ。良いスペース。

ミレー館 [コレクション展A]について

展示室の作り自体に大きな特徴はないが、それでも天井は高くスッキリとしている。
一つ一つの絵に程よい長さの作品背景を記したキャプションがある。
非常に親切だな、と。

著名な作家の著名な作品を所蔵する館としての矜持というか、つまり見に来てくれる人がどんな人なのかをちゃんと想定して迎え入れる準備ができている美術館だ。

美術館に初めて来た人、バスツアーで短い時間だがこの美術館に来る人、何度も見に来る人…がコレクション展示室を楽しめるか。

この美術館をきっかけに見る事を楽しめる様になるのではないか。そんな空間であった。

その他の展示室

テーマ展示室 [コレクション展B]

この美術館のコレクション品の充実はミレー周辺のバルビゾン派のコレクション展示室だけではない。
山梨ゆかりの作家たちの作品を中心に紹介しているのコレクション室(テーマ展示室 [コレクション展B])もあり、しかも広い。
訪問時は山梨県立美術館所蔵品による、
シュルレアリスム宣言100周年 シュルレアリスムと山梨ゆかりのコレクション」展を開催していた。
所蔵品だけで1テーマ網羅&広い展示室を埋められる十分な量があるということだ。
ちなみに展示室内の撮影は禁止。

富士見の窓とのこと。てっぺんが見える

しかし…山梨に限ったことではないがこの一年は瀧口修造生誕120年にはじまりシュールレアリスム系列の特集を各所で見てきた。
先月終了した板橋区立美術館のシュールレアリスム展(三重県立美へ巡回)を見に行ったのをピークに1年間特集を見続けるとやや食傷気味に…浴びるように同じテーマを見るのも考えものだな、と。

萩原英雄記念室 [コレクション展C]

甲府市出身の作家である萩原英雄の版画作品やコレクションを紹介する萩原英雄記念室

山梨県立美術館公式webサイト

コレクション展示室2部屋に加えて3つ目がある。

3室目でもこの広さ。ここは撮影OKだった。

ちょっとこれはすごい。盛りだくさんである。先日の兵庫県立美術館に続き、この充実は素晴らしい。ただ、ミレーでだいぶ興奮し消耗しているので結構疲れている状態であった。
このコレクション展示室Cは企画展示室の隣にあり企画展鑑賞後に見たのだが、ヘロヘロである。

ここまでの所要時間

コレクショABC室&企画展を鑑賞でぎりぎり2時間。15時に入館した時、受付の方に「17時の閉館までに全部見れますかね?」と訪ねた際、「見方にもよりますが…ギリギリ網羅できるかと…」と言われた。まさにその見立て通りになった。

ぜんぜんリトルじゃなかったリトル・バードはボテロの作品。やっぱり膨らんでいる。

帰郷

さて、義実家に家族3名を残し美術館巡りを終え、私は1人甲府駅前でワインの飲み比べをし、中央線の在来線で3時間かけて都内へ戻ってきた。

白ワイン飲み比べセット1200円。


3時間の電車で過ごす時間は前日に訪問した長野県立美術館の感想をまとめるのに十分な時間だった。

甲府駅で信玄餅でもお土産に買うかーと思ったが駅の売店は大行列。
こりゃダメだと諦めて信玄餅は食べれず。改めて人気のお土産品だなと実感。

食べれなかったとなると、ジワジワ食べたくなる不思議。今度、どこかで見つけたら買おう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?