Big Bang Theory S2Ep20 レナード、コミックストア店長に敗北の木曜日

本投稿タイトルは記事用です。ドラマの正式なタイトルはこちら。

The Hofstadter Isotope:木曜は何でもありの法則
アメリカでの放送日:2009年4月13日

ビッグバンセオリーを見ていて面白いなと思ったオタクネタで自分が知っているネタ、調べたネタをまとめておいておくために作ったものです。ざっくりとした背景はこちらもご覧ください。目次もかねて作成しています。

エピソードタイトルについて

英語版タイトルは「The Hofstadter Isotope」。「ホフスタッター同位体」。今回のエピソードに4人が出入りするコミックブックストアとそのオーナーであるスチュアート・ブルームが初登場します。英文タイトルの同位体とはこのスチュアートのことです。
4人で出かけて行ったコミックブックストアで、ペニーがスチュアートのことを気に入り、デートすることになったことが納得いかないレナードが「スチュアートも僕も実質的には同じ人間なのに!」ということから取られたもの。
英文のエピソードタイトルは、こういった一言を上手く掬い上げるところに特徴がありますね。
一方で、日本語の「木曜日はなんでもありの法則」は、ひと月の中で第3木曜日だけはなんでもありにしようと決めたことに由来するものですが、いつものようなエピソード全体のネタバレをしてしまうようなタイトルではありませんでした。

あらすじ

毎月の第3木曜日は、いつもの取り決めをやめてなんでもありにしようということに4人が合意。
さっそくそれに基づいて、木曜日はピザの日だったところをタイ料理に変えたのだけれども、習慣を守ることの権化、シェルドンがなかなかそれを受け入れられない。

せっかくだからバーに行ってはめをはずそう!とハワードが言えばラージもそれは良い!と乗ったけれども、いざとなると誰も立ち上がらず、結局コミックブックストアに行くことに。

そこに戻ってきたペニー。甥っ子のために何かコミックを買ってきてと頼むも、シェルドンが「具体的に指定してくれないと買えない」と言い出し、「アメコミ」を具体的に指定できないペニーは、しかたなく4人についてコミックブックストアに行くのだが…

冒頭のシーン

いつものアパートで4人で食事をしている。シェルドンが不満げにうめき声をあげている。
木曜日はタイ料理の日なのにピザを食べたから、胃がびっくりしたとかいう、聞いてる方がびっくりするようなお話。

木曜日は確かにピザの日

ちなみにシーズン2の第6話で確かにシェルドンは木曜日にはピザを食べると言っていました。
昨年、最初にこの記事を投稿した時にはその点について触れていなかったので、改めてスクリプトを確認して付け足しました。

たしかに木曜日の夜はピザを食べると言ってますね。

Howard: Come on, the whole idea behind Anything Can Happen Thursday is to get out of this rut we’ve been in lately.(ほら、なんでもありの木曜日のアイデアは最近のマンネリから抜け出すためだろ)
Sheldon: Rut? I think you mean consistency. And if we’re going to abandon that, then why even call it Thursday? Let’s call it Quonko Day and divide it into 29 hours of 17 minutes apiece, and celebrate it by sacrificing a goat to the mighty god Ra.(マンネリ?一貫性のことだろ。それをやめるんだったら、そもそも木曜日じゃなくて、ブー曜日と呼び、一日は29時間17分にし、全能神ラーに山羊を屠って祝うことにしよう)
Raj: I could go for some goat.(山羊取りになら行ってもいいけど)

https://bigbangtrans.wordpress.com/series-2-episode-20-the-hofstadter-isotope/

Quonko Dayと全能神ラー

シェルドンが、一貫性をマンネリと呼んでそれを捨てるなら、木曜日という呼び方もやめ、24時間を29時間17分にし、全能神ラーに山羊を捧げて祝おうとか言い出しました。

まずQuonkoですが、辞書で見つからないのですけれども、ネットでは「Quonk」ならありました。

カメラやマイクの周辺で発生し、ラジオやテレビ番組の邪魔や混乱となるノイズのことだそうです。ハウリングもこれに含まれるのでしょうか。ハウリングの音から「キーン曜日」としてしまうと、日本人には木曜日の次の日に聞こえてしまいます。拙訳ではシェルドンが言いたい、ダメな日のニュアンスで「ブー曜日」としてみました。

また、山羊を全能の神ラーに捧げるとシェルドンが言っています。英語ではAlmighty Godとは言ってないのですが、ここでは同義ととらえています。言語学的、アメリカの文化的な裏付けまでは確認していませんが、たとえば調べたところでは、「Mighty God」というタイトルの歌では歌詞は「Almighty God」と何度も使われている事例はあるようです。

この事例だけで「Mighty God=Almighty God」説が正しいと主張する意図はないのですが、ここではこの辺の言及にとどめておくことにします。

そして、その全能神の名前がラーとなっていますが、通常の場合にラーで思いつくのは古代エジプト神話の太陽神ラーです。古代エジプト自体が「紀元前3000年頃(中略)から紀元前30年にプトレマイオス朝が共和政ローマによって滅ぼされるまでの時代」と3000年近くもあり、その間には他の神と習合したりと変遷があるようです。

古代エジプトの時代に太陽神が全能の神として認識されている可能性はありますが、Mighty God Raというのは、若干違和感がありますね。

違和感があるのは、ラーに山羊を捧げたとのセリフです。
あくまでウィキペディアの記載(日英)を調べた限りでは、太陽神ラーに山羊を捧げるような記述はありませんでしたが、山羊(ヤギ)を捧げるでいろいろ調べると、聖書の記述ではこのような内容があるようです。

シェルドンのセリフは、「木曜日はQuonko Dayと呼べばいいし、全能の神(本来はキリスト教の言う神)の名前がラーで、旧約の世界(キリスト誕生前)では当然だった生贄(ここでは山羊)を21世紀に捧げるというめちゃくちゃな行動をしてこそ『なんでもありの木曜日』だろう」という主張かなと思います。

加減を知らずに極に走るシェルドンならではのセリフでしょうか。

なんでもありなら、水曜日に続いてコミックブックストアへ

一度、壊れたかのように全能神ラーに山羊を捧げて祝おうとか言い出してたシェルドンですが、それをたしなめられるとまた極端な方向に走ります。

Leonard: Sheldon, we agreed we’d do something different tonight.(シェルドン、今日は何か他のことをするってみんなで決めたじゃないか)
Sheldon: All right. Let’s go to the comic book store.(わかった。じゃあコミックブックストアに行こう)
Raj: We went to the comic book store last night.(昨日、行ったよ)
Sheldon: Last night was Wednesday. Wednesday is comic book night. Tonight, we’ll be going on Thursday, because it’s Anything Can Happen Thursday.(昨日は水曜日だった。水曜日はコミックブックナイト。今晩、木曜日にも行く。なんでもありの木曜日だから。)
Leonard: Way to think outside but pressed right up against the box, Sheldon.(枠にとらわれてないけど、枠に押し付けられてるよ、シェルドン)
Raj: So what are we going to do tonight?(じゃあ、今日は何する?)
Howard: If I may proffer a suggestion, in bars all across this great nation of ours, Thursday night is Ladies’ Night. Which means, as the evening progresses, we will get better looking courtesy of 99 cent margaritas and two-for-one Jell-O shots.(提案させていただけるなら、この偉大な国の全土にわたって木曜日はレディースデイなんだ。ということは、夜が更けるにしたがって、安いカクテルがさらに半額でもハンサムに見えるってわけさ)

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ハワードのセリフの後半部が、最初はなんのことかよくわかりませんでしたが、まず99セントマルガリータとあるのは、リーズナブルなカクテルを指すようで、時代がちょっと違うようですがこんな投稿がありました。

また、マルガリータというテキーラベースのカクテルと、two for one、つまり2杯で1杯分のお値段で買えるのは分かりますが、Jell-O Shotってなんでしょう?なんとこれが、「Margarita Jell-O Shot」というカクテルがあるようです。

ハワード。木曜日のレディースデイで、安いうえにさらに半額のカクテルに乗っかってカッコよく見せようという魂胆のようですね。セコイ(笑

ドレイクの方程式

ハワードのセコイ提案を受けて、たとえそうだとしても自分達に振り向く女性はいないとたしなめるレナードですが、ここでもハワード節が炸裂。

Leonard: Come on, Howard, the odds of us picking up girls in a bar are practically zero.(あのね、ハワード。僕らがバーで女性をナンパできる勝算は実質ゼロだから)
Howard: Really? Are you familiar with the Drake Equation?(そうか?ドレイクの方程式って知ってる?)
Sheldon: The one that estimates the odds of making contact with extraterrestrials by calculating the product of an increasingly restrictive series of fractional values such as those stars with planets, and those planets likely to develop life? N equals R times FP times NE times FL times FI times FC times L?(地球外生命体と接触する確率を推定する方程式で、惑星を持つ星や生命を育む可能性のある惑星など、次第に制限されていく分数の積を計算するのだろ?N=R×FP×NE×FL×FI×FC×L)
Howard: Yeah, that one. You can modify it to calculate our chances of having sex by changing the formula to use the number of single women in Los Angeles, the number of those who might find us attractive, and what I call the Wolowitz Coefficient.(それだよ。ロサンゼルスにいる独身女性の数を使ってその方程式を修正し、僕らが魅力的に見える女性の数からセックスできる確率を計算するんだ。僕のウォロウィッツ係数を当てはめてね)
Raj: The Wolowitz Coefficient?(ウォロウィッツ係数?)
Howard: Neediness times dress size squared. Crunching the numbers, I come up with a conservative 5,812 potential sex partners within a 40-mile radius.(必要性×服のサイズの2乗。計算すると半径40マイル=64キロ以内に、控えめに言っても5,812人のセックスパートナーがいることになる)
Leonard: You’re joking.(冗談だろ)

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ハワードが持ち出し、シェルドンが正しく答えたドレイクの方程式というのは実際にありまして、シェルドンの説明の通りです。
その方程式もシェルドンの説明通り。科学のお勉強にも役立つドラマですね。
もっとも、ビッグバンセオリーだけみて、RやFpが何を指すのかはすぐには理解できないので調べる必要がありますが。

ハワードの謎の係数を組み込んだ方程式計算で盛り上がったレナードとラージですが、いざとなると立ち上がれずに結局コミックブックストアに行くことになりました。このシーンの引用などは割愛します。

ペニー、甥っ子の誕生日プレゼントにコミックを頼む

クレジットシーンが終わって、アパートのホール。4人はコミックブックストアに行く途中、ペニーはチーズケーキファクトリーのバイトからの帰りですれ違います。

Penny: Oh hey, guys, where’re you headed?(あら?みんなどこ行くの?)
Sheldon: To the comic book store. You’re probably thinking, the comic book store? On a Thursday? Why, I’ve fallen down the rabbit hole and into a land of madness. What you have failed to take into account, Penny, is that this is Anything Can Happen Thursday.(コミックブックストアに。きみは多分、コミックブックストアに?と思っていることだろう?木曜日に?なんで?私ってウサギの穴に落ちて狂気の世界に入り込んだのかしら?キミが考えに入れ間違ったのは、今日がなんでもありの木曜日ってことさ)
Penny: You got me. While you’re there, could pick me up a few comics for my nephew’s birthday?(降参するわ。そこ行くなら、甥の誕生日のために何冊かコミック買ってきてくれない?)
Sheldon: I think you mean comic books. Comics are feeble attempts at humor featuring talking babies and anthropomorphized pets found traditionally in the optimistically named funny pages.(キミが言いたいのはコミックブックのことだよね?コミックというのはユーモアの弱々しい試みで、おしゃべりな赤ちゃんや、擬人化されたペットが緩く表現するなら「ファニーページ」という楽観的な名前のページに伝統的にみられるもののことだからね)
Penny: Leonard, could you pick me up a few comics for my nephew’s birthday?(レナード?甥の誕生日のために何冊かコミック買ってきてくれない?)

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鏡の国のアリス

ペニーにとっては、何曜日にヤツラがどこに行こうが好きにしたらいいのでしょうが、「一貫性の鬼」シェルドンにとっては重大事かつ意図があっての行動をしているわけです。
水曜日がコミックブックの日と決まっていると(仮にどこかで聞いたことがあったとして)、それを覚えているかどうかも怪しいペニーに「なんで木曜日にコミックブックストアに?」と不思議に思っているだろう?なんて、シェルドン、自意識過剰にもほどがあります。

シェルドンの自意識過剰もすごいですが、それをペニーに聞く表現は、きっとシェルドンが「一貫性」に背いて行動するときの気分をあらわしているのでしょう。

ウサギの穴に落ち込んで狂気の世界に入り込むとは、明らかに鏡の国のアリスのお話ですが、シーズン1の最終話でもそれが出てきていました。

ビッグバンセオリーに限らず、あちらのドラマでは児童書もしょっちゅう「愛読書」に挙げられています。

鏡の国のアリスよりもトムソーヤーの冒険とかハックルベリー・フィンの冒険の方が言及されているのが多い気がします。

たとえば、IMDbでの「Reference」で調べてみると、鏡の国のアリスとハックルベリー・フィンではこんな結果になります。

鏡の国のアリス:14件

ハックルベリー・フィン:71件

この辺も深堀すると面白いことになりそうです。

ここでは話を勧めますが、コミックブックストアに行くならと、ペニーは気軽に「甥の誕生日プレゼント」として、なにか適当に買ってきてとお願いしますが、これがまたシェルドンのせいで一筋縄では終わらなくなりました。

Funny Page

「鏡の国のアリス」コミックかコミックブックか、というのはマンガかマンガ本かと言う感じに見えますが、そう理解すると「Funny page」の説明が良くわかりません。

アメコミはMarvellとDCが二大巨頭ですが、これらは日本のジャンプ、マガジン、サンデーのように冊子として発行されています。

一方、日本の新聞では4コマ漫画がラテ欄の裏側のページあたりに載っていたりするのですが、これまで買ったアメリカの新聞とかでは「Funny Page」と名付けられた、8コマ漫画(?要するに4コマより長くて、2段ぐらいあるのでこのように書いてますが、正確な名称ではありません)やジョークなどが書かれているページがあります。

イメージとしてはこんな感じ。スヌーピーも新聞のFunny Pageとかで掲載されているのをみたような気がします。

シェルドンの「小さな親切 大きなお世話」を躱してレナードにお願いするのですが、レナードもどちらかと言えばシェルドン側の人間ですし、「ペニーの甥」という情報だけで「何かを見繕って買ってくる」には情報が少なすぎます。

スパイダーマンの種類

レナードにお願いしたのにも関わらず、ここでも口をはさんでくるシェルドン。本当にうざったらしいですね。

Leonard: Sure. What does he like?(いいよ。何が好きなの?)
Penny: I don’t know, he’s 13. Just pick out anything.(分からないわ。彼は13歳なんで、なんでもいいから)
Sheldon: Just pick out anything? Maybe at the same time we can pick out a new suit for him without knowing his size, or pick out his career for him without knowing his aptitude, or pick out a new breakfast cereal without knowing his fiber requirements or his feelings about little marshmallows.(何でもいい?たぶん彼のサイズを知らずに新しいスーツを選んだり、彼の適性を知らずに将来の道を選んだり、食物繊維の必要性とか小さなマシュマロをどう思うかを把握せずに新しい朝食用のシリアルを合わせて選べることになるね)
Penny: Spider-Man. Get him Spider-Man.(スパイダーマン。スパイダーマンを買ってきて)
Sheldon: Amazing Spider-Man, Ultimate Spider-Man, Spectacular Spider-Man, The Marvelous Adventures of Spider-Man, Spider-Man 2099?(アメイジング・スパイダーマン?アルティメット・スパイダーマン?スペクタキュラー・スパイダーマン?スパイダーマン奇跡の冒険?スパイダーマン2099?)
Penny: Leonard?(レナード?)
Leonard: You know this can go on all night, why don’t you just come with us?(このままじゃ徹夜になるから、一緒に来てよ)
Penny: Ugh, that’s what I was trying to avoid.(ゲー。それだけやイヤだったのに)
Sheldon: Oh, I forgot Sensational Spider-Man.(センセーショナル・スパイダーマンもあったんだ)

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アメコミに詳しくないペニーは、ぱっと思いついたのがスパイダーマンだったので、なんでもいいから選んできてとお願いしたのですが、残念なことにアメコミのオタク集団にはそれで済むはずもなく。
歩く百科事典、シェルドンがたちどころにいくつかのスパイダーマン・シリーズを列挙します。
この辺が、日本ではそれなりにアメコミのドラマを見ているとは言え、「アメコミ」そのもののオタクでなければついていけない世界なのですが、あちらはキャラクターの版権は出版社が持ち、それを実力のあるアニメーターに発注して作品を描いてもらうシステムになっているため、作者が変われば形容詞が変わった新しいスパイダーマンが描かれます。

これは他のキャラクターでも同じ。そんなわけで、本当は調べるとこれだけでも大変なことになりますが、とりあえずシェルドンが列挙したものだけを上げてもこんなことになります。

アメイジング・スパイダーマン

アメイジングスパイダーマンにしたって、こちらは2009年には間違いなく発売されていたシリーズですが、その後も新しい作者によるアメイジングスパイダーマンが発売されています。

アルティメット・スパイダーマン

スペクタキュラー・スパイダーマン

スパイダーマン奇跡の冒険:The Marvelous Adventures of Spider-Man

こちらはシェルドンのセリフとスクリプトには確かにありますが、Amazonでは見つかりません。
またネットで調べてみると、USJのアトラクションとして「アメイジング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン」と、類似の候補が表示されますが、さすがにコミックとアトラクションは混同しないはず。

ここは、ファンダムのページにも何も言及がないので、よくわかりませんでした。

スパイダーマン 2099

スパイダーマン2099については『スパイダーバース』にも登場していましたね。

ちなみに、スパイダーバースは続編が今年に公開される予定のようです。

制作会社が2つあるせいで、いろんな企画が走りますね。

そして最後がこちら。

センセーショナル・スパイダーマン

ペニーがいやいやながらついていくことにした後でシェルドンが思いだして付け足したもの。

調べればもっとあるでしょうし、日本語のウィキペディアでは記載が漏れているかもしれないほどです。

これだけでも記事一つでは足りなくなるので、この辺にして置きましょう。

やってきましたコミックブックストア

ということで、4人に連れられてコミックブックストアにやってきたペニーでしたが、4人だけでも騒ぎだったのに、ここからどうなることでしょう?

Penny: Oh, what a cute, little store. Everybody’s staring at me.(あら、キュートで小ぢんまりしたお店ね。皆あたしを見てるんだけど)
Leonard: Don’t worry, they’re more scared of you than you are of them.(大丈夫さ。彼らの方がもっと怯えてるから)
Penny: Unlikely. Here, what about this one for my nephew?(それはどうかしら。ねえ、これなんか甥にどう?)
Sheldon: A superb choice.(最高の選択だね)
Penny: Oh, great.(あら、良かったわ)
Sheldon: Yeah, provided he has already read Infinite Crisis and 52, and is familiar with the re-establishment of the DC multiverse.(ああ、もちろんその子が「インフィニット・クライシス」と「52」を読み終えてて、DCのマルチバースの再構築に詳しかったら、だけど)
Penny: What’s a multiverse?(マルチバースって何?)
Sheldon: Get her out of here.(彼女は追いだせ)
Leonard: Come on, I’ll help you pick something.(僕が手伝うよ)

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コミックブックストアに入るなり、他のお客さん(つまりはオタクの皆様)が一様に女性が入ってきたことで怯えた様にペニーを見るのは笑いました。

2009年当時のコミックブックストア

『スターウォーズ』のアニメシリーズ、『クローンウォーズ』で「アソーカ・タノ」の声優を演じたアシュリー・エクスタインが、女性アメコミや女性キャラのコスプレしたいのに、男性しかいない、女性が楽しめるお店や場がないからといって立ち上げた「Her Universe」というオンラインサイトができたのが2010年。
今回のビッグバンセオリーのエピソード放送日である2009年4月は、その前夜ともいえる時期。まさにこんな雰囲気だったのだろうと思います。

アソーカ・タノ=アシュリー・エクスタインの功績

アソーカ・タノがクローンウォーズ映画版に登場したのが2008年。

当初は相当批判されながら(たぶん、もっぱら男性ファンから)、女性ファンからの熱烈な支持と、女性が楽しめる場がないという声に突き動かされてHer Universeを立ち上げたのが2010年。ビッグバンセオリーでも第2シーズンの第8話で、クローンウォーズへの失望を語っています。

それから2年。2010年には最初の批判も消え去り、熱烈な支持を受けるようになっていった中でのHer Universeでした。

その後、ディスニーによるルーカスフィルム買収が起き、いわゆる続三部作(エピソード7-9)が制作されて「レイロ」などで女性のファンが拡大し、今年もカンティーナ・ジャパン2022で大盛り上がりになることでしょう。

「スターウォーズ」という巨大な作品があったとは言え、その中でアソーカ・タノ、そしてアシュリー・エクスタインが果たした功績は非常に大きなものがあると思います。

アソーカ・タノに命を吹き込んだのはアシュリー・エクスタイン(と日本では伊藤静さん)ですが、彼女を創造したデイブ・フィローニとそのコンセプトのもとになったもののけ姫のサンにも幸いあれ!

DCのマルチバース:インフィニット・クライシスと52

ペニーが取り上げたコミックがどれなのか、一瞬過ぎて特定できませんでしたが、シェルドンが語ったのはどちらもDCのマルチバース系のお話ですね。

最近では『スパイダーマンNWH』でも使われていますし、もう少しさかのぼると、DC系のテレビドラマ『ザ・フラッシュ』でも「別宇宙」が存在することを前提にしたストーリーラインになっています。

この辺を深堀しだすと、えらいことになります。

スチュアート登場!

最初はゲストキャラだったと思うのですが、独特のポジションでその後も末永く登場し、のちにはハワードの母親の親友兼身の回りの世話係から、ハワード一家の住み込み家政婦のような感じにまでなったスチュアート初登場のシーンです。

この時、ペニーに話しかける方法が面白い。アメリカでは、危険と思われる人に話しかける方法がいくつかありますが、こういう言い方を知っておくのは重要ですね。

Store clerk: Oh, hey, Leonard. Can I help you find something?(やあ、レナード、なにか探してるの?)
Leonard: Oh, hey, Stuart. This is Penny. She’s looking for some comic books.(やあ、スチュアート。こちらペニー。何かコミックを探してるんだ)
Stuart: Oh, really. Blink twice if you’re here against your will.(へー、ほんとに。もしさせられてるんだったらまばたきを2回してね)
Leonard: I think we’re fine, Stuart.(そんなんじゃないって)
Stuart: Let me know if you need anything.(何かあったら声かけて)
Penny: Thanks. He seems like a nice guy.(ありがとう。良い人そうね)
Leonard: You mean for someone who’s into comic books?(それって、コミックにはまってる人にしては、ってこと?)
Penny: No, no, no, I just meant for… yeah.(いやいやいや、そんなつもりじゃ…、そうね)
Leonard: Penny, just because people appreciate comic books doesn’t make them weirdos. Stuart’s a terrific artist. He went to the Rhode Island School of Design.(ペニー、コミックが好きだからって、それで皆変人ってわけじゃない。スチュアートはすごいアーティストで、ロードアイランドデザイン大学を出てる)
Penny: What about the guy over there in the superhero T-shirt tucked into his sweatpants?(じゃあ、あっちのスーパーヒーローのTシャツをスウェットパンツに押し込んでる人は?)
Leonard: Ah, yeah, that’s Captain Sweatpants. He doesn’t really help the point I’m trying to make.(ああ、彼はキャプテン・スウェットパンツ。彼は僕の言った例には当てはまらない)

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ここでシェルドンとハワードがコミックの新刊を探して、ちょうど同じタイミングで同じ本に手を触れて取り合いになるシーンがありますが、画面では特定できなかったので割愛します。

スチュアートが卒業したロードアイランド芸術大学ですが、なんと「各種ランキングでアメリカ最高の美大」だそうです。なるほどさらりとペニーの似顔絵を描いたりできるわけです。

それにしてもキャプテン・スウェットパンツ、容姿を写さないならまだしも、映してしまってからこのセリフを言うとは、さすがビッグバンセオリーと言っておきましょうか。

ペニー、プレゼント選択をスチュアートにお願いする

この後、ペニーはなんとなく良さそうに見えたスチュアートに、適切なプレゼント選びのお願いに行きます。
しかし、スチュアートも「この界隈の住人」。最初は酷い対応をしていますね。

Penny: Excuse me.(すみません)
Stuart: Hello again.(ああ、まいどどうも)
Penny: Hi. What would you recommend as a present for a 13-year-old boy?(13歳の男の子のプレゼントに何がいいかしら?)
Stuart: A 13-year-old girl. But if you’re dead set on a comic book, try this.(13歳の女の子かな。でもどうしてもコミックがというなら、これかな)
Penny: Oh, Hellblazer. What’s this about?(へー、ヘルブレイザー。これってどんなお話?)
Stuart: A morally ambiguous confidence man who smokes, has lung cancer and is tormented by the spirits of the undead.(愛煙家で、肺がんを患い、不死の霊に苦しめられる道徳観があいまいな自信家)

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ヘルブレイザーことジョン・コンスタンティン

スチュアート、ぶっ飛んだ返事の連続ですが、ヘルブレイザーは日本だとキアヌ・リーヴスが主演の映画『コンスタンティン』が知られているでしょうか。こちらの書影が、スチュアートの説明が分かりやすいと思います。

スチュアートのお店に置いてあってペニーに渡したのは、書影からするとこちらの本のようです。

どちらのカバーもあまり健康的に見えませんね(笑
ヘルブレイザーもDC系のアンチヒーローで、DCEUとかにも出るのではないかと期待しているファンのツイートか何かを見たような気がします。

日本でもアンチヒーローなマンガが中高生に受けたりしますが、太平洋の向こう側でも同じような感じなのでしょう。

もっとも、「叔母であるペニー」が「甥」にプレゼントするのにふさわしいかどうかは別だと思いますが、と思っていると案の定、そのような会話に流れていきます。

ペニー、肖像画をスチュアートにお願いする

ここのやり取りが、今回のエピソードのメインテーマでしょうか。結局ペニーは甥へのプレゼントを買ってないようにみえましたが、大きな問題ではないのでしょう。

Penny: Well, if that doesn’t make me the favorite aunt, I don’t know what will. Is this me?(そのマンガで大好きな叔母になれないとしたら、どうしたらいいか分からないわね?これ、あたし?)
Stuart: Depends. Do you like it?(状況次第。気に入った?)
Penny: It’s really good.(とても良いわ)
Stuart: Yes, that’s you.(ええ、これはあなた)
Penny: That’s so sweet, but what if I didn’t like it?(ステキね。もし嫌いって言ったら?)
Stuart: It’d still be you, but I’d feel like an idiot.(それでもこれはあなただけど、僕が自己嫌悪に陥るでしょうね)
Leonard: I don’t believe it. Stuart’s putting the moves on Penny.(信じられん。スチュアートがペニーを口説いてる)
Howard: I have got to learn how to draw. Hey!(僕も美術を学ばなきゃ、おい!)
Sheldon: Once again, defeated by your own prurient interests.(またしても、己の好色さに負けたわけだ)
Raj: Guys, have you seen Stuart all up in Penny’s business over there?(皆、スチュアートがペニーの気を引いてるのを見た?)
Leonard: Nobody’s up in anybody’s business, let’s just buy our stuff and go.(何も誰の気も引いてないよ。僕らの買い物をして帰ろう)
Penny: Okay, you’ve got my number, now, give me the picture.(はい、これが私の番号。この絵を頂戴)
Stuart: You drive a hard bargain, but here.(厳しい取引を持ち掛けられたけど、仕方ない)
Penny: All right. So, um, just give me a call.(どうも。それじゃ電話してね)
Sheldon: So, Leonard, how are you enjoying Anything Can Happen Thursday?(ということでレナード。なんでもありの木曜日、楽しんでる?)

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アメリカ最高の美大卒業の腕は、間違いありませんでした。
ほんの数分のデッサンで、ペニーの電話番号をゲットしてしまいました。その前後の会話は、レナード達の頓珍漢さとあまり遜色なかったような気がするんですけどね。

レナード、スチュアートに差が付いたことに納得いかない

場所が変わって二人のアパート。シェルドンはハワードに買って持ち帰ったコミックを見ながら、ハワードの爪痕が付いているとか文句をいています。
一方、テレビで見ていたレナードはテレビを消すのですが、その番組がスタートレックとディープスペースナインのクロスオーバーだったようで、鈍感なシェルドンにまで何かあったことがばれてしまいます。

Sheldon: Look at that, that’s a dent. Thank you, Howard Ham-Fisted Wolowitz. Did you just shut the TV off in the middle of the classic Deep Space Nine/Star Trek The Original Series Trouble With Tribbles crossover episode?(これ見ろよ。へこんでる。不器用なハワード・ウォロウィッツよありがとう、だ。ディープスペースナインとスタートレックのクロスオーバーエピソードの途中で消しちゃったのか?)
Leonard: Apparently so.(そういうことになるね)
Sheldon: Are you ill?(病気?)
Leonard: No.(いや)
Sheldon: All right. Then is it fair to say that you’re experiencing some sort of emotional turmoil over the events involving Penny earlier this evening?(じゃあ、こういうべきかな。今晩おきたペニーを巻き込んで起きた出来事によるある種の感情的な動揺を経験しているのかな?)
Leonard: When did you pick up on that?(いつそう思ったんだ?)
Sheldon: A moment ago, when you turned off the TV in the middle of }during the classic Deep Space Nine/Star Trek The Original Series Trouble With Tribbles crossover episode. Would you like some advice?(ほんの少し前に、ディープスペースナインとスタートレックのクロスオーバーエピソードを消したとき。アドバイスが欲しい?)
Leonard: Sure, why not?(ああ、そうだね)
Sheldon: Then, this is the perfect time to launch a blog with an interactive comments section.(それじゃ、今が掲示板付のブログを立ち上げるのにパーフェクトなタイミングだね)
Leonard: Gee, thanks a lot.(おっと、それはありがたいね)
Sheldon: Would you rather I offer my personal insight?(それとも、僕の個人的な洞察の方が良い?)
Leonard: I don’t need any insights. I just want to know why Penny’s more interested in Stuart than me. We’re practically the same guy.(洞察なんかいらないよ。ただ、なんでペニーは僕よりスチュアートに関心を持ったのかが分からない。僕もスチュアートも実質的には同じだよ?)
Sheldon: Oh, I disagree. Stuart is taller, artistic, self-employed and, most significantly, he gets 45 percent off comic books.(それには賛成できないな。スチュアートは背が高いし、自分のビジネスを持ってて、特に重要な点として彼はコミックを45%引きで仕入れられる)
Leonard: You’re right, I really should be asking strangers on the Internet.(そうだね。インターネットで第三者に聞くべきだ)
Sheldon: My original point.(最初からそう言ってる)

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スタートレックのクロスオーバーエピソード

レナードは、テレビ番組を消してしまうのですが、それがよりにもよってスタートレックのクロスオーバーエピソードと言っています。
ここは調べてみると、ちょうど「スタートレック:ディープスペースナイン」のシリーズが、『新スタートレック』および次作『スタートレック:ヴォイジャー』と放送が重なっており、特にスタートレック:ヴォイジャーとクロスオーバーエピソードがあったようです。

それがこちら。

シェルドンのセリフでは「Trouble With Tribbles」となっています。たしかにこのタイトルのエピソードもありますが、こちらはディープスペースナインより前のエピソードで、クロスオーバーでもありません。

ただ、このウィキペディアでカーク船長の周りにあふれる猫のようなものが、Tribbleという生命体のようです。しかも、『スタートレック:イントゥダークネス』でも再登場しているようですね。なんか猫の日(2月22日)の前日にこんな記事を投稿することになるとは思ってませんでした。

今回、アメコミ要素満載ですね。次から次へと押し寄せてくるようです。スタートレックのディープスペースナインとヴォイジャーのコンプリートボックスセットへのリンクを置いておきます。

レナードの同位体

さて、レナードが放心状態でスタートレックのクロスオーバーエピソードを消してしまったことで異変を察知したシェルドンに対して、なんでレナードもスチュアートも同じオタクなのに、ペニーはスチュアートを気に入ったのか?という哲学的な疑問から抜け出すことができません。

ここで英語のタイトル「The Hofstadter Isotope」の回収です。

レナード、スチュアートに敗北してショックを受ける

場面変わって、レナード達のアパートの階段。今度は4人とも全員揃っています。どうやら金曜日になっており、「一貫性重視のシェルドン」がようやく落ち着いた様子。中華料理とビンテージゲームの金曜日。
そこに出かけようとしたペニーとすれ違うのですが、いたのはペニーだけではなくて…

Penny (coming out of apartment): Oh, hey guys.(あら、こんばんは)
Leonard: Hey, Penny… and Stuart, hey Stuart.(ハイ、ペニー。そしてスチュアート。ハイ、スチュアート)
Stuart: Hey, guys.(やあ、みんな)
Howard: So what are you kids up to?(二人で何してるの?)
Penny: Uh, Stuart has a piece in an art show that’s opening tonight.(えっと、スチュアートがアートショーに作品だしてて、今晩オープニングなの)
Leonard: And you guys are going together, great…(それで二人で行くわけね。すごいね)
Stuart: It is great. Really great. Freaking awesome. What are you guys doing?(すごい。マジすごい。気持ち悪いぐらいサイコー。皆は何してるの?)
Penny: It’s Friday night, that means Chinese food and vintage video games, right?(今日は金曜日だから、中華料理とビンテージゲームの日ね)

https://bigbangtrans.wordpress.com/series-2-episode-20-the-hofstadter-isotope/

ということで、スチュアートの作品の展示会があって、そのオープニングにペニーとスチュアートの二人で出かけることに。

スチュアートは4人が何かしてるの?と聞いたので、ストリートスマートなペニーはスチュアートが4人を誘い出したらたまらない、とばかりに先制攻撃で、中華料理とビンテージゲームの日よね(だから来ないでね)と、そそくさと立ち去ろうとします。

Sheldon: Vintage doesn’t even begin to describe what we have planned. Tonight, we are playing the classic 1980 interactive text adventure, Zork. It’s the buggy beta version.(ビンテージでは我々の計画の説明すらなっていない。今夜は古典、1980年のインタラクティブテキストアドベンチャー、ゾークをやるんだ。しかもバギーベータバージョンのね)
Penny: Wow, Zork. Well, you guys have fun.(ワオ!ゾークね。それじゃ、皆楽しんで)
Stuart: Yeah, see you guys.(じゃ、またね)
Howard: See you, Stuart.(またなスチュアート)
Leonard: Hey, Howard?(なあ、ハワード)
Howard: Yes.(はい?)
Leonard: Take me to a bar with women.(女性がいるバーに連れてって)
Howard: Really?(ほんとに?)
Leonard: Yeah.(ああ)
Howard: Okay! Let me just go inside and slip off my underwear.(OK!中で下着を脱いでくる)
Leonard: Why?(なんで?)
Howard: Well, if I get lucky, I don’t want to be caught in my Aquaman briefs.(もしうまく行ったら、アクアマンのブリーフをみられたくないだろ)
Leonard (to Raj): Do you…? (Raj checks his underwear) Let’s go.(お前も?さ、入ろう)

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前にも書きましたが、うちはゲームは全く詳しくありませんが、調べたらシェルドンの説明通りのゲームがウィキペディアに載ってました。

こういうところはさすがですね。
シェルドンは、ゾークを楽しみにしていますが、スチュアートに見せつけられてしまったレナードは衝撃のあまり、とてもゲームをやる気にならなかったようです。木曜日には意気消沈して結局やらなかったバーに突撃することになりました。

アクアマンのブリーフ

この日、ハワードがはいていたのはアクアマンのブリーフ。
いや、子供用なら打ってるとは思いますが、大人用のなんかあったっけな?と思ったら、意外とあるものですね。

もっとも、「ボーイズ」とあるので、普通の成人男性がはけるかどうかは分かりません。ちなみにアクアマンのは、真ん中左から2つ目のものがそれにあたります。(誰もそんな説明は要らないかもしれませんが、参考まで)

また、マーベルも調べてみたらありました。こちらはメンズとなっているので成人用のように思われます。

2つで12,000円とか、高いですね(笑

レナード達、やけ酒には来てみたものの…

レナード、ハワード、ラージの3人でバーに来てみましたが、でこぼこ3人組。ここでも会話が頓珍漢でした。
アメコミネタもなかったので、ここは割愛します。

ところで、バーにやってきたのは3人だけ。つまりはシェルドンが一人、部屋に残っているのですが…

純朴なスチュアート、ペニーの気持ちに気が付かない

場面変わって、レナード/ペニーのアパートの階段。オープニングセレモニーから帰ってきたペニーとスチュアート。
楽しそうに会話しながら上がってきます。

Penny: Oh come on. I think it’s nice that Captain Sweatpants showed up to your art opening.(あら?私はキャプテン・スウェットパンツがオープニングに来てくれて良かったと思うわ)
Stuart: Yeah, it would have been nicer if he hadn’t touched all the cheese.(うん。彼が全部のチーズに手を付けてなかったら、もっと良かったね)
Penny: Um, you know, it’s kind of early. Do you want to maybe come in for some coffee or something?(うんと。あのね、まだ早くない?ちょっと寄ってってコーヒーでもどう?)
Stuart: Oh, gee, it’s a little late for coffee, isn’t it?(ええ、ああ、コーヒーにはちょっと遅くない?)
Penny: Oh, you think coffee, means coffee, that is so sweet. Come on, I think I have decaf.(あら?コーヒーって、コーヒーだけと思うなんて、かわいいわね。たぶんデカフェがあると思うわ)
Sheldon: Oh, good, Stuart, I thought I heard your voice. Do you have a moment?(これは良いところに、スチュアート。君の声が聞こえたような気がしたんだ。ちょっといいかな?)
Stuart: Uh, yeah, I guess.(あー、うん。たぶん)
Penny: Sheldon, we’re a little busy here, so…(シェルドン、ちょっと取り込んでるのよ、ね)
Sheldon: What are you doing?(何してるの?)
Stuart: We’re having coffee.(コーヒーでもと)
Sheldon: Isn’t it a little late for coffee?(コーヒーには遅くない?)
Stuart: It’s okay. She thinks she has decaf.(大丈夫。デカフェがあるって)

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この会話、アメコミも何もありませんが、スチュアートの純朴さと、それを気に入ったペニーと、何もかもお構いなしのシェルドンのポジションがすべて現れていて、笑ってしまいます。

Stuart: What’s up?(どうかしたの?)
Sheldon: Well, I’ve spent the last three hours in an online debate in the DC Comics Batman chatroom, and I need your help.(ここ3時間、DCコミックのバットマンチャットルームでディベートしてたんだけど、ちょっと助けてほしい)
Stuart: Oh yeah. Those guys can be very stubborn. What’s the topic?(ああ、ヤツラは頑固だから。トピックは何?)
Sheldon: I am asserting, in the event that Batman’s death proves permanent, that original Robin, Dick Grayson, is the logical successor to the Bat Cowl.(僕は、バットマンの氏が永続的となった時、オリジナル・ロビンのディック・グレイソンが論理的なバットカウルの後継者だと言ってるんだけどね)
Stuart: Ooh, Sheldon, I’m afraid you couldn’t be more wrong.(おっとシェルドン、すまないけどそれ以上の間違いはないな)
Sheldon: More wrong? Wrong is an absolute state and not subject to gradation.(それ以上の間違い?間違いは絶対的な状況で、階層がある話題じゃないだろ)
Stuart: Of course it is. It’s a little wrong to say a tomato is a vegetable, it’s very wrong to say it’s a suspension bridge. But returning to the original issue, Dick Grayson became Nightwing, a superhero in his own right. Batman 2 has to be the second Robin, Jason Todd.(いいや、あるよ。トマトを野菜と言うのは少し間違いで、吊り橋と言うのは大間違いだ。で、話を戻してディック・グレイソンは彼自身がナイトウィングというスーパーヒーローになったて、バットマン2は2代目ロビンのジェイソン・トッドのはず)
Sheldon: Has to be? Has to be? I hope you’re being deliberately provocative.(のハズ?のハズだって?意図的に挑発的になってるんだよな?)
Penny: I found the decaf!(デカフェあったわよ)
Stuart: Oh, great!(ああ、良かった)
Sheldon: Yeah, herbal tea for me, please.(そうとも。僕にはハーブティーをお願い)

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アメコミの議論。

シェルドンに限らず、こういう設定に関する蘊蓄合戦になりやすいんですよね。
バットマンやロビンについては、さすがにここでは良いでしょうが、日本人にとってあまりなじみがない名前がいくつも出てきます。バットマンが死んだあと、誰がその後を継いだのか?
ウィキペディアを見る限り、ディック・グレイソンがナイトウィングになったという部分はスチュアートの説は正しく、ジェイソン・トッドがバットマン2になったというのはあまり正しくないようですね。

こんなことになる理由は、バットマンのサイドキック、ロビンも、初代から世代を引き継いで存在しているからです。

上述しましたが、アメコミは出版社が版権を持ち、気鋭の作家に発注して物語りを作っていくので、新しい設定などが盛り込まれることは良くあり、登場人物がなくなったり、それを別の人物が2代目、3代目として引き継ぐことは良くあります。

こういうのも、ライトなファンにはハードルが高くなってしまう要因ではありますね。

そして多分、あちらのディスカッションやディベートでのやり取りは、半端なく熾烈でしょうし。(スターウォーズの初期3部作のファンが、新三部作に対してとった態度を思い出しましょう)

実在の大学に続いて実在の病院も

場面変わってバーのシーン。
ここは引き続き割愛したいところなのですが、1か所だけ取りあげます。

スチュアートが通っていたという設定の大学は実在の全米トップの美大でした。バーに女性を口説きにきた3人組が、物色している時、ピーナッツアレルギーのハワードが、ピーナッツを食べている女性はダメだ、キスしたら入院する羽目になる、という会話をしているのですが、この病院がまた実在しています。

Leonard: How about those two?(あそこの二人はどう?)
Howard: Nah, they’re eating peanuts, and my allergies, one kiss would put me in Cedars-Sinai for a week.(あかん。ピーナッツ食べてる。アレルギーでキスするだけでシーダーズ・サイナイに一週間いることになる)

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Cedars-Sinaiとはロスアンゼルスにある実在の病院です。ちゃんとサイトもあります。

また名前からも明らかですし、実際病院側でもこのようなページを置いておりますが、ユダヤ人によって建てられた病院です。ダビデの星が紋章に使われているほど。

実在の人物をカメオ出演していじくり倒す番組ですから、こういう実在の病院を織り込んでくるのは不思議とは言えませんが、それにしても毎回、こういう事例を目にすると驚きますね。

スチュアート vs. シェルドンのアメコミバトル

再度、場面が変わってペニーの部屋。ペニーの姿は見えませんが、シェルドンとスチュアートが熱く議論を続けています。

Stuart: I’m sorry, but you’re obviously stuck in a pre-Zero Hour DC universe.(悪いけど、明らかにDCユニバースのプレ・ゼロアワーに閉じ込められているよね)
Sheldon: Of course I am. Removing Joe Chill as the killer of Batman’s parents effectively deprived him of his raison d’être.(もちろんさ。バットマンの両親を殺したジョー・チルを取り除いてしまったら、彼のレーゾン・デートルがなくなってしまう)
Stuart: Okay, you can throw all the French around you want, it doesn’t make you right.(OK。なんでもかんでもフランス語を投げつけたからと言って、それで君が正しいことにはならないよ)
Sheldon: Au contraire.(それは逆だな)
Stuart: Plus, you’re forgetting that the Infinite Crisis storyline restored Joe Chill to the Batman mythology.(付け加えて、インフィニット・クライシスのストーリーラインがジョー・チルをバットマン神話に復活させたことを忘れてる)
Sheldon: I am forgetting nothing and I resent your tone.(僕は何も忘れてないし、その言い方には腹が立つ)
Stuart: Okay, look, Sheldon, it’s late and I’ve got to get some sleep.(OK。シェルドン。もう遅いし、帰って寝るよ)
Sheldon: So, I win.(僕の勝ちだね)
Stuart: No, I’m tired.(いいや、疲れただけだ)
Sheldon: So, I win.(だから僕の勝ち)
Stuart: Fine. You win.(いいよ。君の勝ちだ)
Sheldon: Darn tootin’, I win.(全くだぜ。僕の勝ち)
Stuart: Penny, I really had a terrific time. Penny?(ペニー、本当に楽しかったよ、ペニー?)
Sheldon: No, no, no, no, don’t wake her. She’ll maul you like a rabid wolverine.(いやいやいやいや。起こしたらダメだ。狂暴なウルヴァリンのように襲われるぞ)
Stuart: You know, I don’t think that was decaf.(きっと、デカフェじゃなかったね、あれ)

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インフィニット・クライシスは上でも出てきました。DCのプレ・ゼロアワーとかはまとめサイトがありますが、日本語のページがありません。

そして、プレゼロがあるなら、プレのないゼロアワーもあります。

ジョー・チルはバットマンの主人公、ブルース・ウェインの両親を殺害した犯人ですね。

インフィニット・クライシスやゼロアワー、プレ・ゼロアワーは冒頭にコミックブックストアでシェルドンが言ったようにDCのマルチバースを取り合突かった話題で、あちらのユニバースの地球では状況が変わってるとか、そういう話題です。

これを追いかけるのは、本当にすべて追いかけてないとまとめられないですね。日本に紹介されている映画やドラマだけでは到底カバーしきれない沼のような深みがあります、ということだけに触れておくことにしましょう。

そして、スチュアートとシェルドンがDCのマルチバース議論をしている間にとうとう疲れて寝てしまいました。

結局、なんでもありの木曜日

さて。バーの3人組。あれだけ吹かしていたハワード、結局、誰一人として口説き落とせません。ママからかかってきた電話が、もっとも長い女性との会話とか言われる始末。

ラージ、なぜかこんなことに…

奮闘努力の甲斐もなくハワードもレナードもダメななか、なぜかラージは女性と仲良くなっていて、次の日の朝を一緒に向えていましたとさ。

しっちゃかめっちゃか、という意味では「なんでもあり」でしたね。

今回はアメコミネタがてんこ盛りでした。その分、記事もだいぶ長くなってしまっています。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
質問や誤字・脱字、間違いなどございましたら、コメントでご指摘いただけるとありがたいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

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