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43.つながる先。

前回記事「42.」、連載「3.11」編の続きです。

支援すべき「仙台のイベント」を、被災地の作家さんにお聞きした。

というところで、今回はその続き。
途中まで、過去ブログのリライトになります。

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「卸町 ART FESTA」


アオヤマさんから、返答があった。
彼女がイイと思う、仙台のアートイベント。
それを受けて、僕は早速そこへコンタクトを取ってみる。
勿論、不躾に飛び込みです。

「支援金を届けたいんですが、受け取ってもらえますか」

…って、普通に考えて怪しいニオイ満載だよなw

メールを送ったけれど、返信がない。。。
…そりゃ、どこの誰ともわからないヤツから突然のメールだもの、
やっぱ、怪しいと思われて終わったかな笑

そう思っていると、数日後、郵送が届いた。
仙台からだった。
何とも丁寧に、過去のイベント開催資料、今回の企画資料等がいくつも同封されていた。「まずは活動を見ていただき、納得していただいてから受け取りたい」、というのだ。

中身を見た。
間違いはなかった。


「資金に困っています」と書き添えられていた。


確認してから、また再度コンタクトを取る。
初対面の、どこの馬の骨ともわからない僕を相手に、丁寧に思いや展望を説明してくれた。

支援金をいただけるのであればそれを会場費・設営費に充て、今回参加予定すべての方が、何らかの被災に遭われているだろうから、「出展料を無料」にしたいと考えています

それが資金に困っている旨の内訳だった。

素晴らしい。
そんな素晴らしいことに使っていただけるなんて、これ以上なく本望だ


届ける支援金は、決して大きい額ではないけれど、わずかながらでもそのための一助になるのであれば、こんなに光栄なことはない。

僕らの届けたパワーで、一つでも多くの表現が活動の場を与えられ、そしてその表現がまたパワーを生んでいく。僕らの表現活動で生み出されたパワーは、そこで望んでいた方向に活かしてもらえる。

アオヤマさんに聞いていたときに、彼女は言っていた。

こんなときだからこそ、イベントが開催されることで救われる


遠く離れた札幌で僕らの思いがあって、被災した仙台の地で、それを汲んでくれる素晴らしいイベントがある。
どうか思いがつながって、素晴らしい開催がなされるように。

SENDAI SOHO PROJECT主催
「卸町 ART FESTA.2011」


「クロスロードひだまり」の募金及び「リリースブース」で集まりましたすべての支援金は、このイベントに届けることを決めました。
ご協力いただいた皆さまには不躾ながらこのような形でのご報告と、ご理解ご了承まで何卒よろしくお願いいたします。


フォーンズ合同会社
代表 久保田友和


******(以上、過去ブログより)


そんなわけで、仙台のアートイベント「卸町 ART FESTA」に支援金を届けることが決まりました。使い道もまさに望んだ通り、いや、それ以上だった。

「誇り」をかけて僕らが生んだパワーが、被災地で「誇り」のために使われる。

素晴らしいところに届き、素晴らしく使ってもらうことができる。
僕は協力してくださった方々に、この上なく胸を張れる報告を果たすことができたのでした。

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作品とメッセージ。


「支援金」の届け先が決まり、一安心して辺りを見回したとき、僕は思います。

皆さんにリリーフブースに出していただいた作品たちが、まだ僕の手元にある
これも、届けられないだろうか?
届け先はアートイベントなのだから、もしそこでもお買い上げいただければ、その売上も支援金に足してもらうことができる。

そう思って、先方に打診してみると、快く受け入れてくれた。
「リリーフブース」を、仙台のイベント会場でも展開してもらえることになった。

その旨を、僕は協力してくださった方々にお伝えします。

仙台でも「リリーフブース」として作品を出させていただけることになりました。


これは実はなかなかに、有り難いことでもありました。
僕ら「札幌」の作品が、表現が、思いが、仙台の方々にも見ていただけるということだから。ただ単に、「金額がプラスできる」というだけの話ではないのです。

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僕は、札幌の作家さんたちの作品を見ていただくための「整え」を考え始めました。彼らがどのように思い、どのように作品に込められているのか、それが少しでも漏れなく伝わってもらえるように。
僕は再度、協力してくださっている札幌の作家さんたちにコンタクトを取ります。

仙台のイベントに出すにあたり、メッセージがあれば、いただけますか?



札幌の作家さんたちから、あたたかいメッセージが続々と寄せられました。
全部は紹介しきれないですが、一部抜粋で以下に掲載いたします。

イベント開催に踏み切って、とても勇気のいることだと思います。
その方たちに支援ができるということ、誇りに思います。
ありがとうございます。本当に嬉しいです。
少しでも元気が広がっていってくれたら、表現者としてこの上ない幸せです。
めぐりめぐって、私の「ものづくり」が誰かの笑顔につながる。
作品を手にしたあなたにも、そうじゃないあなたにも、
小さなにっこりを届けられたら…そんな思いで。
まだ、すべてが癒えるには時間がかかると思いますが、どうか、心おだやかな日々が一日も早く訪れますように。
縁 Bon Courage!
3.11の大震災には、私も大変衝撃を受けました。
遠く離れてはいますが、どうかその痛み、悲しみに寄り添わせてください。
ほんのわずかでも、自分の作品が被災された方々の希望につながるとうれしいです。
仙台大好き!応援しています!
普段、深く考えることのない私でも、東日本大震災を機にいろいろと考えました。
そして直面した、「本当に何もできない自分」
それでも、自分なりにできることを探して、行動に移すことが大切なのかもしれないと思うようになりました。
自分の意識が、以前より、くっきりした感触があります。
「誰かのため」なんて、おこがましいと思う気持ちもありますが、少しでも、何かが良い方向へ向かうのなら、それでいいのかなと。
1日でも1秒でも早く、被災された皆様が心よりくつろげる日が来ることをお祈り申し上げます。
みんながいます
一緒に歩いていきましょう


こうして「札幌」で集まった支援金と作品、そしてこのメッセージを添えて、僕らの思いを「仙台」に届けることになったのでした。



つづく。


読んでいただき、ありがとうございました!
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!頑張って書き重ねていきますので、是非またお越しください。