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日本人は特殊

日本人は世界の中でも標準的な国民だ
先進国のどこへ行っても文化や習慣に困ることはない

外資系の会社に転職するまでの僕はずっとそう思っていました。
外国人達と一緒に仕事をし
彼らと行動を共にして
外国人になったような気持ちで日本人を見ると
世界中で日本だけが特殊だ
と思うようになりました。
もちろん、良い面でも特殊、良くない面でも特殊です。

数え上げたらキリがありませんが、馴染むまでに数ヶ月かかった習慣の違い、文化の違いはこんな感じです

・年齢の上に関係なく、役職の上下にも関係なく、お客様にでさえ名前を
    呼び捨て。しかも苗字ではなく名前だけ。

・メールには用件しか書かない。
    時候の挨拶とか「宜しくお願い申し上げます。」という発想もない。

・学校で教わった英文の殆どは日常のどこにも出てこない。
    逆に言うと適切な単語さえ並べれば通じる。

・I am sorry なんてことはよほど酷いことでもしない限り言わないし書かな
   い。

・起承転結ではなく、結起承転の順。

と、ざっと頭に浮かぶだけでこれだけありますが、細かく分けていくともっと色々出てきます。
僕が一番苦労したのは「呼び捨て」ですね。
社内で社長や事業部長レベルの偉い人を見かけた時に、少し話したいことがあるからその人を呼び止めます。
その時にどう声をかけるかというと、

「Hi  James, can I talk to you now?」 (ハイ ジェームス、今話せる?)
或いは
「James, give me a minute」(ジェームス、少し時間ちょうだい)

僕はベタな日本人なので、たったこれだけのことが迷いなくできるまでに随分時間がかかりました。
学校で習ったように Mr.xxxxx なんて呼ぶと、ミスターなんて言わないでくれと言われるし、かといって名前だけ呼ぶのも抵抗があるので、名前をさん付けで呼ぶわけです。
でも、こういう感覚って日本人しか持ってないんですよね。
今ではすっかり慣れて、勤務先の社長を普通に呼び捨てにしていますけど。

よく、「英語を学ぶ前に日本語をちゃんと勉強しろ。」 という人がいますが、僕は少し違うんじゃないかと思っています。
と言うのは、英語を勉強すると外国人の意識とか考え方がなんとなく見えてきます。
すると、改めて日本語の美しさとか素晴らしい考え方が見えてきたりします。
そういう利点もあるし、そもそも、昔と違って今もこれから先も、日本は海外との接点なしには成り立ちませんから、海外の習慣や文化に少しでも慣れる意味でベタな日本人ではなく、異文化に対してなんの気負いもなく抵抗もなく接する日本になる必要があると思います。

僕がシンガポールで仕事をしている時の事です。
同僚が技術的に困ったことがあると言って相談していましたが、解決策がみつからないのでメーカーに問い合わせをすると言ってその場でオーストラリアへ国際電話をかけていました。
彼らにとっては、公用語が英語なので、海外に電話をかけることに何のためらいもありません。
どこの国の人とでも当然のように情報交換ができるんです。
その結果、あっりとあらゆる国や企業から集めた情報を自分達のものにして発展してきました。
これと同じこと、日本人のどれだけの人ができるでしょう?

このシンガポールのような国を世界標準だと考えるなら、日本は10年も20年も遅れていると言って過言ではないと思います。

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