第60話 兄:桃鉄にて、1億円の物件を買って怒られる
桃鉄。
今もなお多くの人たちに愛されるゲームの1つ。
ボクもその桃鉄を愛している1人である。
ボクはこのゲームが本当に好きだ。
どのくらい好きかというと、コンピュータ相手でもずっとプレイしてしまうほどだ。
ボクが最初にプレイしたのはPCエンジンの「スーパー桃太郎電鉄Ⅱ」である。
これを初めてプレイしたのは小学1年生の頃で、お金の知識などほとんどなかったが、それでもめちゃくちゃハマった記憶がある。
兄と一緒にプレイ、1人でプレイ、そして兄がプレイするのを斜め後ろから眺めて…とにかくやりまくった。
それくらい熱中した。
そんな桃鉄をプレイしてまだ間もない頃、兄に1度注意されたことがある。
それはゲームが始まったばかりでまだプレイヤーの所持金が少ない状態。
ボクはそのときに1億円の物件を購入した。
すると兄が、
「バカか、お前は!!」
といきなり血相を変えて怒ってきた。
ボクは何事かよく分からなかった。
すると、兄は自分の番のときに駅に止まって、
「おまえなぁ、1億円で利益率10%なんて…これとこれ…見ろ!!1000万で50%の利益率の物件2件買えば、決算のときにおんなじお金もらえるんだぞ」
「う、うん…ごめん」
ここでちょっと振り返ろう。
これをプレイしていたとき、ボクはまだ小学1年生だ。
算数で足し算、引き算を習っている時期だ。
なんなら、ちょっと前までおはじきで授業をしていた子供だ。
そんな幼い子供に兄は利益率がどーたらこーたら言ってくるのだ。
それはちぃとばかし酷ではなかろうか?
兄に怒られ萎縮してしまったボクは、そのときだけ兄の様子を伺いながら物件を買っていたような気がする。
ひたすら安い物件ばかり買っていた。
接待桃鉄だった。
その影響のせいか、ボクは兄と桃鉄をプレイするのを控え、ひたすらコンピュータとばかりプレイしていた。
そして、現在。
大人になった今も…ひたすらコンピュータとプレイするばかりである。
いつかまた……人間と…人間とプレイしてみたい!!
というか、お金持ちになって現実で物件を買ってみたい!!
おっさんの夢はまだまだ膨らむばかりである。
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