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プレイングマネージャーとは

新会社設立、店舗拡大に伴い、さまざまなジャンルのスタッフが集まってきた。去年の社員旅行が4人だったのに対し、今年は8人。そこからさらに増えようとしている。
今までは"小さな飲み屋"のプレイヤーとして店を切り盛りしていればよかったが今後は適正な評価基準、マニュアルなどの管理基準などのルールをベースに組織として動いていかなくてはならなくなった。

大学卒業後、まともに就職もせずここまできた。
組織に所属することが嫌だったのに、組織を作らなくてはいけなくなったという大きな矛盾のなかで僕自身戦っている。
浅草に来て最近までプレイヤーとして周りに負けじと頑張ってきたつもりだがもうそのフェーズではないのだ。

フーテンの組織構造

ではフーテンという小さな組織の構造を改めて考えてみるとする。

①社長
これは僕のことであるが会社の方針を決める役割である。
マーケット(お客さん)の需要に応え、価値を提供すべく、向かう方向性を定め指揮をとる。

②エリアマネージャー
今ではまだ浅草エリアに留まっているが、今後地域を超えて店舗展開した際にその単位をまとめる役割になる。
今で言えば早い時間営業のほしやに対して少し離れたビルの2F3Fにある深夜営業のギフ、よたかのように、物理的な距離や営業時間など近しい方がコミュニケーションは当然取りやすいのでそれぞれをわけて管理していく必要がある。
プレイヤーから少し離れたマネージャーに比重が大きい。

③店長(マネージャー)
ここが1番の肝である。
現場の長として最高のプレイヤーでありながら、アルバイトや他の社員スタッフを束ね最小単位かつ最重要なチームのリーダーを担う。
いわゆるプレイングマネージャーであり、1番の花形だ。
プレイヤーとしての業務(フード、ドリンク、ホール、接客など)の完璧な遂行はもちろんのこと、マネージャーとしての管理業務(収支管理、スタッフ教育、清掃管理など)も膨大にあるのは言うまでもない。

④スタッフ
社員もアルバイト含め、プレイングマネージャーの下でプレイヤーとして存在するスタッフ。当然現場仕事は完璧を目指してほしいが、ここで重要なのがいかにフォロワーシップを持つかということだ。
店長より仕事ができる、歴が長い、資格を持っている、年が上だ、ということは一切関係ない。店長の指示を正確に理解し、的確な行動を取れるということがスタッフには求められる。

プレイングマネージャーとは

今回は③の店長、プレイングマネージャーについて少し考えてみたい。
自分自身長いことこの立場にいた。
なんなら今でもこの立場にいると思っている。
なにもプレイイングマネージャーとは店長だけのことを指すのではなく、プレイヤー兼マネージャー、つまり選手兼監督のことなので役職に関わらず店長以上は皆持っていておかしくないマインドだ。
このポジションは実務と管理業務を両立させなければいけないため、非常に負担が大きい。しかし独立をして自店を持ったなら当然のことなのでしっかり身につけてもらいたい能力である。

負担軽減への取り組み

まず、会社としてそれらの負担を軽減すべく、以下のようなことを組織的に取り組んでいきたいと思う。

①「プレイングマネジャーの実務的な負担を軽減し、業務のマネジメントや部下指導・育成に十分に取り組めるような環境を組織的に整備する。」
現在既に取り組んでいる"管理部"の導入。
店長業務として重くのしかかっていた事務作業の一部をまきとることで負担軽減につなげる。

②「プレイングマネジャーがより良いマネジメントを実践できるよう、OJT(仕事を通じた部下指導・育成)への制度的支援を行う。」
OJTはプレイングマネジャーだけの責任ではなく、職場全体の責任であるとの考え方に立ち、マニュアルを作成するなど職場全体でアルバイト・若手社員を育成していく体制を作る。また、OJTの経験が不足しているプレイングマネジャーに対しては、他のスタッフ(主に上司や先輩)がアドバイスをしていく。

③「プレイングマネジャーの自律的な成長を支援するためのOFF-JT(仕事から離れた企業内研修)を強化していく。」
労務の助成金なども活用しながらe-ラーニングなど活用した社外研修を設計しています。また定期的に外部講師を読んでの研修会なども構想中。

組織内での役割

つぎにプレイングマネージャーの組織内での役割について考えたい。

①個人目標を達成するため、ほかのスタッフと刺激し合いながら、高い成果をあげる
② チームの目標を明確に伝え、スタッフと密にコミュニケーションをとりながら、適切かつ素早い判断でチームを正しい方向に導く
③現場での各スタッフの役割、得手不得手を理解し、個人に合った指導方法で部下を育成する
これらが求められる役割になる。

求められる能力

また、プレイングマネージャーに求められる能力は以下になる。

①時間管理能力
個人目標とチーム目標の両方を達成するため、多岐にわたるタスクを抱えるプレイングマネージャーにとって、時間管理能力は必須のスキルだ。

時間管理能力とは、
・スケジュール管理
タスクごとの締め切りを設定し、進捗を確認すること。
・タスク管理
タスクの優先順位を決めること。
・時間リソース管理
タスクごとにかかる時間を把握し、適切なリソースを配分すること。
の3つを指す。

このような時間管理ができて初めて、個人レベルや店舗レベルなど、各レイヤーごとのタスクを滞りなく実行・管理することができる。
もちろん、すべてアナログに管理していては全体を把握するのは限界があるのでチャットワークやGoogleサービスを活用してプレイングマネージャーの負担を減らしている。

②コミュニケーション能力
プレイングマネージャーは、お客さん、他スタッフ、各店舗店長など、多様な立場の人々と接する。そのため、常に相手のことを想像し、主張を理解できるような高いコミュニケーション能力が求められ、間に入り、双方の主張に耳を傾け、落としどころを探る高度な交渉能力も必要だ。
中間に立つプレイングマネージャーが優れたコミュニケーション能力を発揮することで、チームの結束力を強化できる。

③学習意欲
プレイングマネージャーは、現場の長として、サービスや商品の幅広い知識から、営業としての接客スキル、お客さんの情報にも精通していなければならない。
さらに、マネージャーとして、人の上に立つとはどういうことかを常に考え、指導能力や育成能力を身に着ける必要があり、プレイヤースタッフから脱するためには、新しい知識や能力を身に着けるための学習意欲が欠かせない。

④指導スキル
プレイングマネージャーとして、最終的にチーム目標を達成させるためには、スタッフを適切に指導することが重要になる。
部下の足りない部分を見抜き、本人の能力を伸ばせるようなフォローを行わなければいけない。
優秀なプレイヤーであるほど、すべて自分で完結したがるが、優秀な部下を育てるには、一から十までを教えてしまっては不十分で、マネージャーはあくまで補佐の立場であり、最終的にスタッフが自分一人の力で業務を遂行できるよう、育成しなければならない。

能力発揮のコツ

このようにプレイングマネージャーには多岐にわたる能力が求められる。
それらの能力を発揮するためのコツはこんな感じだろうか。

①タスクを細分化する
自分に発生しているルーティンタスクと単発タスクをしっかり把握し、やることレベルで細分化し、自分がやるべきこと(自分しかできないこと)と自分がやらなくてもいいこと(誰かにお願いできること)に分ける。
そのようにタスクを他のスタッフに任せられるようにコントロールすることが大切。

②重点的に取り組むタスクを決め主張する
現場業務と管理業務があるプレイングマネージャーはさまざまなタスクが降ってくる。それを全て処理していては時間や労力が追いつかないことも多々あると思うので、その場合は自分で重点的にやらなければいけないことと、少し優先度を落として取り組むことに分け、上司や管理部に事前に伝えておくことでやるべきことに集中して取り組める環境を自ら築いていかなければいけない。

③タスクをスケジュール化する
割り振られたタスクを眺め、優先順位をつけ、かかる時間を見極め、スケジュールに落とし込んでいく。具体的にはGoogleカレンダーにはめ込んでいくイメージだ。そうすると今日は◯◯時までしか飲めないな、とか、ここはちょっと余裕あるからゆっくり寝よう、など先手先手で行動の目安を立てられ、後で焦るらずに済むため次第に余裕が生まれる。

④スケジュールに余裕を持つ
パンパンにスケジュールを詰めるのではなく7割程度に留め余白を持つ。予定は伸びることも縮まることもあるので時間にバッファを設け心に余裕を持つ。もし時間が余れば先の仕事まで進める。といった具合に行うことでアイデアなども創出することができるようになる。