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あらすじと感想:裏世界ピクニック第1、第2巻

日本語能力を上達するには同じ作家さんに書かれた小説が何冊を読むことが効果的な作戦だと思う。特に、シリーズ(例えば、東野圭吾さんのガリレオと加賀刑事、池井戸潤さんの半沢直樹のシリーズなど)を読むと同じ言葉や書き方が繰り返しに使われて、日本語で書く作家になりたい僕にはすごく役に立つと思う。

これは宮沢伊織さんの「裏世界ピクニック」というシリーズを読み始めたきっかけなんだ。


警告 下記にネタバレを避けようとしたけど完全に避けることが不可能で申し訳ございません。ネタバレを読みたくない方々は「あらすじ」を通して「感想」から読んでください。


あらすじ

シリーズは一人称で、話し手は大学生の紙越空魚。

この「表世界」といろんなゲートに繋がって人間が割といなくて都市伝説やネットロアから来た怪異に支配されている「裏世界」の探検者。

1人でその不毛な世界を探検している空魚がある日「くねくね」という怪異と遭遇してしまって、仁科鳥子という同じ大学を通う女性に死のふちから救い出された。

紙越空魚(アニメ版の描写)

その時から、空魚は一人で裏世界を探検することが危ないと認めざるを得なくて、鳥子と一緒に探検することにしたんだ。途中で裏世界から得体のしれないものを集めて鳥子の友達の小桜に売る作業をやっているから、フリーランスの仕事みたいなことになる。

くねくねの遭遇で裏世界の影響が与えられて、二人ごとに特別な力を手に入れた。空魚の右目が義眼のように瑠璃色になって、集中したら裏世界の外見を見透かして正体を看破できる力。そして、鳥子の左手が透明になって裏世界の怪物から魂を取り出したり裏世界と表世界に繋がるゲートを開いたりすることができる力。

このような絆があるから、性格が全然違って目あっという間に二人の間に親しい関係が生じている。親しい関係というより、ちょっと愛情も生じているのではないかと思う。

でも、その恐ろしくて危ないところを探検する理由が違うし、愛情だけでなく秘密も生じる。

空魚のほうがもともとネットロアや「実話怪談」に興味深いし、裏世界を見つけたとき恐ろしいところでも。。。まあ、「居場所」と言えば大げさかもしれないけど、「自分だけ知られている世界」を見つけた気がしたから嬉しくなったんだ。

逆に、鳥子はそういう趣味がなくて、家庭教師の閏間紗月がに紹介された場所だった。しかし、その後、冴月があの世で行方不明になってしまって、その時から鳥子が必死に探している。

仁科鳥子(アニメ版の描写」

しかし、閏間冴月は本当にただの家庭教師かと空魚がどんどん疑うようになる。

鳥子に見られないようだけど空魚があちこちで冴月の動かない姿を見かけるようになる。裏世界だけじゃなくて、池袋とか表世界のいろんなところで見かけることもある。それを見ても鳥子に何も言わない空魚が鳥子にばれないうちに冴月の招待を見つけないと。。。

閏間冴月(上)と紙越空魚

感想

シリーズはSFと呼ばれそうだけど、「ファンタシーホラー」という方がピッタリじゃないかと僕は思う。

まだ勉強しないといけない日本語の言葉がたくさんあるんだけど、読みやすい、気晴らしのエンタメとしても楽しい。

主人公の空魚は性格がちょっと意地悪でたまにこのキャラに対して違和感を感じることがある。でも、空魚自身も「薄情」とか人間の感情があまりない人だと認めて、もともとそういうようなキャラで仕方がないだろう。そして、鳥子と出会って初めて他人と親しくなってこういう風により良い人になれることからこそ話の大事な部分があるんだ。

それよりあまり好きじゃないキャラというのは小桜だ。いつもぶっきらぼうで、裏世界に巻き込まれたくないと主張しているのに裏世界の仕事をし続けてそのために空魚と鳥子を利用し続けるなんて矛盾で無責任だと思うから納得いかないんだ。

それ以外に読むのが楽しいからシリーズの最後まで読み終えるつもりだ。皆さんも是非読んでみてね。

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