見出し画像

【rokuyou事業紹介】教育旅行事業

rokuyouではSELを軸に多様な事業を展開しています。その一つが教育旅行事業です。近年、「SELと探究」や「SELとPBL」を掛け合わせて導入する学校が増えています。また、中には修学旅行を探究学習の中でも、「リアルな体験」ができる機会としてカリキュラムに位置付ける学校もあります。

rokuyouでは、生徒の主体性を伸ばし、学びの集大成として修学旅行を位置付けている東京都の私立中高一貫校(A高校)と協働しています。今回はその取り組みについて、担当者の平良朋広がお伝えします。

■沖縄修学旅行に対して学校が抱えていた課題

A高校は、「生徒が自ら平和を作っていく」という目標を大事にしている学校です。そのため、第二次世界大戦で地上戦があった沖縄での修学旅行を長年続けてきました。4泊5日の間、沖縄戦や基地について深く学ぶために、平和記念公園やガマを訪問して話を聞くなどの学習を続けてきました。

しかし、戦後70年以上が経ち、生徒たちが沖縄での学びを現在の生活につなげるイメージを持ちづらくなっているという課題を抱いていました。そうした背景から、A高校より「平和への思いを持ち、沖縄という舞台で活躍している方々とフィールドワークができないか」という相談を受け、rokuyouとの協働的な取り組みがスタートしました。

■修学旅行事前学習

これまで生徒が教科書でしか触れることのなかった沖縄に、修学旅行の機会で突然訪れたとしてもなかなか深まった体験はできません。ビーチで楽しむことも沖縄を知る一つではありますが、せっかく学校での学びとして沖縄を訪れるのであれば、平和について考えたり琉球文化に触れたりして帰ってほしい。そのためには事前学習がとても重要だと考えています。

僕は沖縄観光コンベンションビューローの一員として、2月に全国の高校で修学旅行事前講演会を行っています。これは沖縄の歴史などをお伝えする、全体的な学習の場となっています。

その後、A高校の生徒や先生から修学旅行のフィールドワークのテーマ案が出され、アドバイザーについても「こんなことに打ち込んでいる方」「こんなことに詳しい方」とリクエストをいただきます。アドバイザーとは、修学旅行でのフィールドワークの担当者のことを指します。その要望を受けて、我々が10名程度のアドバイザーの方を選定していきます。

6、7月にはアドバイザーとオンラインで事前学習を2〜3回程行います。例えば、今回は「琉球料理」をテーマにするグループがありました。琉球料理の伝承人にアドバイザーをお願いし、「琉球料理とは何か」「平和外交で磨かれてきた沖縄の文化やおもてなしの心」「沖縄戦でどういう影響を受けたか」をお話いただきました。そして、アドバイザーから修学旅行では一緒にどういうことがしたいのか尋ねたり、力になれることをお話をいただいたりし、生徒と一緒に修学旅行の企画を考えていきました。

この事前学習があるのとないのとでは、学びの密度が大きく変わります。事前学習から当日までアドバイザーの方が関わってくれるため、すごく充実したプログラムに仕上がっているのです。

ちなみに、琉球料理以外には、「首里城から平和を考えどう再建し、未来の首里を作っていくかを考えるチーム」や「ビーチクリーンのチーム」「世界のウチナーンチュ(沖縄にルーツを持つ人・沖縄の人)大会の若者ウチナーンチュ連合会とのディスカッションチーム」「沖縄の魚を海外に輸出している企業と競りに参加し、魚を捌いて食べるチーム」などが結成されました。

■修学旅行当日と事後学習

4泊5日の修学旅行のうち、2泊3日は平和学習を行います。3・4日目の時間が、フィールドワークの時間になっており、生徒たちがゼロからプランを練っていきます。「言われたことをする」のではなく、生徒たちが白紙の状態から決めていくことに対しては、学校の強い思いがあります。「アドバイザーの方と会って、何かしらをする」ということだけが決まっています。

中高一貫校の多様なプロジェクト学習の5年目の集大成として、この修学旅行のフィールドワークを位置付けているため、「生徒の主体性を発揮する機会にすること」を大前提としているのです。アドバイザーの方にも、学びの価値を伝えた上で、「白紙の状態で生徒と一緒に考えてもらえませんか」と事前に依頼しています。

先ほどの琉球料理のチームは、修学旅行当日、アドバイザーとともに実際に料理を作りました。作る過程を体験する中で、琉球の文化を学んでいきます。例えば、ジューシー(沖縄の炊き込みご飯)を作る中で、具材をすべて均等に切っていくことと事前学習で知ったおもてなしの心とを、リンクさせて深く学んでいる様子などが見られました。

同校では事後学習も重視しています。生徒に学びを何かしらのカタチでアウトプットさせているのです。沖縄の修学旅行をレゴで表現するというお題でに取り組んでいた学年もありました。修学旅行で学んだことを学校やクラスの中で共有する時間を設け、進路検討にもつなげていくこととしているのです。

■学校×rokuyouの修学旅行プロジェクトの意義

修学旅行での学習は、生徒が自ら選択し、アドバイザーから直接学び、リアルな体験を積んでいくことで、その主体性にさらに磨きがかかる機会になっていると感じます。

事前学習の段階で、アドバイザーから「こんな資料があるよ」「このあたりが参考になる」といった情報を得ているので、生徒たちはテーマについての意識を深めて沖縄にきています。そのため、当日は質問が止まりません。それだけ本人たちの中で課題意識が高まった状態で、修学旅行を学びの機会にすることができているのです。

自身の興味関心を軸にして、学び方も生徒が決定していくことで、こんなにも主体性を発揮していくことができるのだと、我々も毎回刺激を受けます。

首都圏の学校との教育旅行事業の協働はジワジワと広がりつつあります。そして、僕個人としては、こうしたフィールドワークを沖縄の子どもたちにもつなげたいと考えています。修学旅行だけの特別なプログラムにするのではなく、県内の子どもたちの地域探究にも活かすことができる事業であると感じています。県内外のさまざまな子どもたちに体験してもらえるモデルにできるのではないかと考えています。

rokuyouとの協働の可能性を感じる県内外の学校様、是非いつでもご連絡ください。

お問い合わせ : info@roku-you.co
Facebookのフォローもお待ちしております!


この記事が参加している募集

探究学習がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?