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【通信制高校PBL×SEL②】PBL×SELでうまくいく!?PBLの土台としてのSELの必要性

前回の記事で、『第一学院さんとの取り組みでは、「プロジェクト学習や地域との協働」と「私」を繋げるためにPBLの土台作りとして、「Social Emotional Learning」を重要な要素として位置づけています。』とお伝えしましたが、なぜPBLにはSELが必要なのでしょうか?

SELとは

Social Emotional Learningとは、

Social .... 社会的能力(social skill などと言われるような人と関わる上で良い関係性を構築するための能力を指す)

Emotional .... 気持ちに関わる能力(一般的には「情動」と訳されますが「EQ」で表される、自分や他者の気持ちの動きに気づき、うまく付き合える能力を指す)

大きく分けて2つの能力を育む学び(教育アプローチ)です。

SELの詳細はホームページをご覧いただければと思います。

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PBLをうまく推進するためには丁寧なプロセスが大事!

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PBLに取り組む際、まず初めに自分自身や他者との関係において信頼関係を育むことがポイントです。そうすることで、自分と繋がった一人称/二人称/三人称のプロジェクトが生まれます。

信頼関係を育むプロセスを疎かにすると、なんっちゃってPBLになってしまいやらされ協働が行われるだけではなく、「人と協働した経験がない」「心理的安全性を感じずに思ったことを言えないままプロジェクトが進みチームが崩壊してしまう」「誰かにとっての学びがなくなってしまってトラウマになってしまう」ことも...!

なんちゃってPBLやチーム崩壊を防ぐためにも、SELの土台をしっかり築くことが大切です。

より深い1/1教育、生徒と対話する

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個別最適化と1/1教育の違いは、機械的ではなく、一人ひとりを大切にするということです。一人ひとりの背景や考えや現在地点を尊重するため、そこには丁寧なプロセスがあります。

先ほどご説明したように、SELは協働や心理的安全性の土台を築くことに寄与するのですが、それだけでなく「一人ひとりの興味関心や課題意識を引き出し、尊重したプロジェクトを作る入り口を作る」ことができるのです。

どういうことか。SELでは、「気づく」のトレーニングからスタートします。興味関心を持つという感覚がそもそもどんなものがわからないという生徒も少なくありません。そんな中で「やって見たいことをリストアップして!」と言っても、なかなか手は動きませんよね。

SELをベースとしたPBLプログラムでは、気づくの力が深まってきたところで、過去の経験を振り返るワークや自分の価値観に気づくようなボディワークを通して興味関心のあること、また取り組みたい課題に気づくことを丁寧に支援します。

もちろん掘り起こされる生徒さんたちの興味関心、課題意識は十人十色。そのあとのプロジェクトも、本当に個性豊かなものが出そろいます。

この丁寧なプロセスが、第一学院さんがこれまで大切にしてきたコンセプトである「1/1教育」、つまり一人一人の持っている可能性を最大限に尊重し、活かすという点で非常に親和性が高いことが、3年間の取り組みを通してより解像度の高い確信になってきました。

終わりに

今回の記事では、PBLの土台としてのSELの必要性についてお話ししました。PBLに取り組む際には、まず協働や心理的安全性の土台を築くことや、一人ひとりの興味関心や課題意識を引き出す、「気づく」のトレーニングからスタートすることを意識して取り組んでみてください。

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