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勉強の成果を誰と比べる?-そろタッチのアダプティブラーニング-

「みんなと同じ」の「みんな」って誰?

最近、娘がこんなことを言うようになった。「みんな」やっているからポケモンgoやりたい。「みんな」持っているからキッズ携帯がほしい。「みんな」という言葉は子供が親に物をねだる時の常套句である。

振り返れば、私自身も幼い頃、この言葉を使っていた。「みんな」持っているからゲームボーイを買ってなどとしつこくねだったものだ。この場合、「みんな」というのは同じ団地の友達であったり、近所のよく遊ぶ親戚である。親も「みんな」が誰なのか共通認識を持ち、そのペルソナをイメージできているのである。「サンタさんがゲームボーイをくれるよ。きっと」と言われて信じたクリスマスの朝、靴下に入っていたのはメンコ2枚だけだったのは、経済的理由なのか、確固たる教育方針だったのか、親が元気なうちに是非小一時間ほど問い詰めたいと思っている。。

しかし、娘が言う「みんな」が誰なのかイメージがつかないのである。「みんな」が、娘の周りにいる友達であることは確かだ。問題は、その子たちも、そのご家庭も多種多様なのだ。国籍が違う子も、ハーフの子も、祖父母と同居する家庭も、共働き家庭も、私立小学校の子も、インターの子も、大豪邸に住む子もいれば、うちのように築50年のマンションに住んでいる子もいる。親御さんと話しても関心のあるモノ、情報、ライフスタイルがそれぞれ違うと感じることも多い。

さらに言うと、データマーケティングの進化により、嗜好や状況に応じて最適な情報や広告がカスタマイズされ、SNS、アプリを見ていても、接触している情報はバラバラという時代だ。

私が幼い頃に体験した「みんな」と言えば「自分達と同じような教育を受けて、同じような所得水準で、同じようなライフスタイルのあの人達だ」という前提が描きにくいのだ。「人がどんどん個人化」している時代とも言える。

娘が言うところの「みんな」って誰?となるのも致し方ないのである。「みんな」の実態がわからない以上、「みんな」と比べるのもおかしい。違っていて当たり前。従って、娘にはポケモンgoもやらせてないし、キッズ携帯も与えていない。それでも、娘から20年後にあれは経済的理由だったのか教育方針だったのかと凄まれることはないだろうと信じている。

「みんな」と比べなかったら誰と比べる?

どんどん個人化している時代、教育の分野でも新しい取組が行われている。最近では、埼玉県が独自で開発した学力テストが話題になっている。

一言で言うと、平均点(みんな)ではなく、「過去の自分」と比較するテストである。前年度からどれだけ習熟度が上がったのか、その伸びに対してフィードバックが得られるのが特徴だ。周りと比べず、自分のペースで自分に適したレベルの問題を解いていくのだ。これは「アダプティブラーニング」の考え方と近い。

従来の教育では、「みんな」が1つのカリキュラムを同じスピードで学び、同じテストを受けるのが一般的だった。しかしながら、学習者の理解度や弱点はそれぞれ違う。そのため一律に提供されるプログラムが最適であるという保証がない。そこで、個々の学習進捗や解答の正誤情報などのデータを蓄積・分析し、1人ひとりの理解度や弱点を発見し、それぞれに合った内容を自動抽出するのが「アダプティブラーニング」である。

学習の成果がみんなと比較されて相対評価されていたのに対し、より個の成長が重視され絶対評価されるとも言える。

アダプティブラーニングは一人一人へ個別最適化されたカリキュラムを提供することだが、個人的な理解として、その本質的価値は、理解度の向上のみならず、自分の成長を感じることで得られる学習意欲の向上だと思っている。

国の全国学力テストが、学校や自治体が平均点を競う傾向にあると指摘される一方、新たなテストは6年間継続して把握する中で、平均点との比較ではなく子どもが過去の自分と比べて伸びを確認できるよう設計されているのが特徴です。

具体的には、各教科で6年間に習得すべき力を難易度別に36段階で示し、段階に応じて個々の問題が作られています。

児童や生徒に渡される結果票には自分の学力がどの段階まで伸びたか図で記され、「着実に伸びている」とか「自分の努力に自信を持って」などとアドバイスも書かれています。

教員たちへの結果も、平均点より前年度から伸びた児童や生徒の割合が重視されます。

そろタッチのアダプティブラーニング

そろタッチでは、生徒がいつ、どれくらい学習に取り組んだのか、どの計算問題をどのように間違えたのかを全てデータとして、記録している。例えば、子供達が1日で解く問題数は、昨日の6/2だけで54万を超える膨大な数にのぼる。これらのデータを分析し、解析し理解度や弱点を発見し、対応するゲームを開発し、習熟度に応じた問題が自動で提供される仕組みを構築している。

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子供達は、自身のレベルに最適な計算問題を解いていく。向き合うべきは、平均点(みんな)ではない。1年前、1ヶ月前、昨日と比較した自分の成長だ。誰かとの比較でなく、成長したことを先生やお父さんお母さんから褒められるのが嬉しいし、だからこそ学習意欲が高まる。これこそがアダプティブラーニングの意義だと考えている。

最後に付け加えたいことがある。ロスジェネ世代とゆとり世代の狭間に生まれた身だから分かることかもしれない。ロスジェネ世代からは「社会は競争だ。学生の時、競争がなくて生きられたとしても、結局は現実を知る時がくる!」なんて声が聞こえてくるかもしれない。

その点、そろタッチでは、学習量のランキング、教室ごとのリレーの順位、そろFES(暗算世界大会)、グランプリ等のイベントを通して、ゲーム感覚で競争を楽しむこともできる。健全な競争意識を学習の意欲に変える仕組みも備えている。

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