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Bariloche 小さな冒険を求めて

こんにちは、いとさんです。

旅をより面白くするアクティビティーをしようと、バリローチェの街の中にある旅行会社を訪れました。料金表と書かれた立て札を見ると、船に乗って湖を渡るプランがいくつかあり、中にはチリへ行くものもありました。ラフティングや乗馬を体験するコースもありましたが、ホテルのフロントマンに勧められていたこともあり、今回は船に乗って”Puerto blest“を目指すことにしました。夏休みも終わってピークシーズンではなかった為か、すんなり二日後の予約を取れました。

当日ホテルの前までバスがやってきて、船が出る港まで送迎してくれました。港には朝早くから大勢の人が集まり、色んな言葉が飛び交っていました。スペイン語の他、ポルトガル語は恐らくブラジルからやってきた人たちのもので、英語も聞こえてきますけれど、ロシア語っぽい音も聞こえるような気がします。どれもこれも何を話しているのやら全く分かりませんので、だんだん出どころの分からない不安がじわじわと私を覆っていきます。何か忘れ物をしていないか、自分の乗る船はこれで合っているのか等、あれこれ考えているうちに船の乗り口が開きました。

私達を乗せた船は二階建てで大勢の観光客を収容する事ができ、小さな売店カウンターとトイレがありました。スペイン語と英語で必要事項を一通り説明しながら出航して暫く、ゾロゾロと船の外に乗客が出て行くのを見て、「あぁ、外に出ていいですよって言うたんか」と私もデッキへ出ることにしました。

どこからともなく鳥がたくさんやってきて船の上に群がっています。彼らは私達を歓迎して舞っているのではなく、人間が喜んで食べ物をくれることを経験から知っているのです。食べ物を摘んだ手を一生懸命空高く伸ばして鳥達に与えようとする人々の姿を見て、少し悲しくなりました。観光客が来ない時期でも、野生の彼らは恐らく私の心配をよそに他の方法で生き延びていくでしょう。もはやそれを含んだサイクルで彼らの一生は成り立っていると思います。人間が自然に介入していることへの責任というのは、ほとんどの場合、目の前の己の生活に何ら影響がないので感じないものです。

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港を離れて進めば進むほど、湖の周りを取り囲む山々の表情が変わっていきます。山頂が鋭く尖った背の高い山が増えてきました。これから向かう港puerto blestはチリとの国境に程近いところにあります。アンデス山脈の背骨部分と言えばいいのでしょうか、峠に国境がありますから、そちらの方へ近づくほどに、山々の佇まいは壮麗になっていきます。

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港には小さなホテルがありました。この港からチリに向けて出発するバスがあり、恐らくそれぞれを行き来する旅人達の為に建てられたものかと思います。コテージくらいの大きさでホテルと言われるまで休憩所か何かと思っていました。売店や、カフェスペースなども併設しているのでここでお昼ご飯のサンドイッチを購入しました。

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大勢の人が一斉に船を降りましたので、一時は人だかりができて売店でも少し並んだのですけれど、腰を落ち着けるところを探して少し歩いていましたら、すっかり人が消え失せていました。あれ、皆どこいったん?と思ってキョロキョロしましたけれど、人の声が全くしない自然の中にぽつんと取り残されていることに少し満足していました。小石がゴロゴロしてお尻が少し痛いですけれど、湖の側に座って静かに昼食を取りました。

いとさん

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