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Bariloche 大自然に触れる

こんにちは、いとさんです。

バリローチェの中心地から車で30分程走ったところにcircuito chico“シルキートチコ”と呼ばれるところがあります。小さな湖をぐるりと囲んだ道路全体の名称で、素晴らしい眺めが一望できる展望台や、パタゴニアの森を探検できる箇所もあります。私をこの上なく幸せにしてくれたCervecería Patagoniaはこのcircuito chico上の24.7km地点にあり、それに因んだ名称のビールもあります。

ここを行くバスもありますが、自転車をレンタルして周遊したり、時々ヒッチハイクをしながら歩いて一周する人もいて楽しみ方は様々です。全長はおよそ27kmあるそうです。片側一車線の山道で、ゆったりと蛇行しながら続く道をのんびりと車で行くことにしました。しばらく進んでいますと、道の両橋を覆う木々の間から高々とそびえ立つ山々が目の前ににょっきと現れて、その存在感に圧倒されます。これがアンデス山脈かと感動を覚えました。

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所々湖畔まで出られる遊歩道があり、車を停めて歩いて散策することができます。場所によって所要時間は違いましたけれど、大体一時間前後で往復できました。湖の畔で地元の人が家族やパートナーとマテ茶を飲んで過ごしている姿も見かけました。観光地であるとともに、そこで暮らす人々にとっても憩いの場であるようです。

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時々大木が横たわる側を進み、森の中を潜り抜けていきます。身体全体を包む空気が心地良く、地球の息遣いを感じる気がしました。神々しさを漂わせる日本の森の中で感じる雰囲気とはまた一味違いますが、包み込まれている感覚が穏やかで心が落ち着きました。視界が開けたところに必ず湖がありました。毎回同じ展開なのですけれど、飽きもせず何度も驚いてその美しさに見惚れました。

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湖の水は恐ろしく透き通っていて、太陽の光がキラキラと反射するので小石が宝石のように見えました。この透明度の高い湖で育つtrucha(マス)がバリローチェの名産の一つです。時期の関係もあるかと思いますけれど、三月上旬の水温はまるで氷のようでした。子供が楽しそうに湖に足をつけて遊んでいるのを見て、ついつい釣られて靴を脱ぎ、そろりそろりと入ってみましたら、一瞬心臓が止まった気がしました。

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森の中で、木製のベンチに自然からのメッセージが彫られていました。

No te pedimos que limpies
solo te pedimos que no ensucies 
“私たちは綺麗にしてとは言わない、ただ汚さないで”

人の住むところと自然があるところは、本来同じであったと思いますが、自然と共に生きていると言う自覚がない現代人とは、自然は距離を置く他ありません。そして「下界」から訪れる人間にこのように警告するのです。他者との距離の取り方にも通じるものを感じられて、一つ学びがあった瞬間でした。

いとさん

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