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Bariloche 愛しのパタゴニアビール

こんにちは、いとさんです。

バリローチェに到着して真っ先に向かったのは、愛してやまないパタゴニアビールが工場と併設して運営しているcerveceríaでした。ブエノスアイレスにも直営のcerveceríaがありますし、珍しいわけでもないのですけれど、どうしても行きたかったのは私がこのビールに惚れている他に、湖を一望できるバーテラスからの眺めを自分の目で見たかったからという理由がありました。

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敷地の中に入ってすぐ、ホップの畑がありました。高さは3メートル以上あると思います。これほど背の高い植物だとは知りませんでした。詳しい生態は分かりませんけれど、その見た目はシダ科の植物のようでした。ホップの畑を抜けていくと今度はラベンダーが咲き誇るエリアがありました。ラベンダーにとってちょうどいい気候だったのか、この旅の中で何度も見かけました。

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御目当ての場所に到着し、目の前に広がった景色を見て早くもこの旅のクライマックスを迎えたような気分になる程高揚しました。テラスの奥に広がる静かな湖の傍で涼しい風を感じて、パタゴニアの大自然が育てたホップをふんだんに使ったビールを一口...と絵に描いたような構図を考えていましたが、私の肌をじりじりと焼く太陽に挫けて、そそくさと屋内のテーブルを選びました。涼しいので忘れていましたけれど、まだ夏は終わっていませんでした。

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このバリローチェという土地は、スイスに気候が似ていたことから、スイスから移民が多く移り住んだそうです。街中を歩けば、彼らの故郷を思わせるようなログハウス調の木造の建物をよく見かけますし、山の中にはその特徴的な建物が密集したColonia suiza”コロニアスイサ“と呼ばれる集落があり、観光客向けのお土産品を販売している一角もあります。このcerveceríaはそれほど強調しているインテリアはなかったですけれど、木の温もりを感じ、都会の喧騒とは無縁の湖の風景と調和の取れた空間でした。

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ビールはたくさん種類があるのですけれど、確かここでしか味わえないテイストがあって、それを頼んだ覚えがありますが、すっかり名前を忘れてしまいました。ビールと共に頂いたのは言わば「おつまみセット」です。cerveceríaにはpicadaと呼ばれるおつまみセットが必ずあります。主な内容は、オリーブ・サラミ・ハム・チーズなどで、お店によっては揚げ物も含まれます。ここで頼んだのも確かpicadaだったと思うんですけれど、もう記憶が曖昧です。3つくらい種類があって、一番スタンダードなものを選んだ覚えがあります。

鋳物の器に入っていたチーズは、しっかりと弾力があるチーズでprovoletaと言います。チーズ自体にあまり風味がなかったので、トッピングされたスパイスやハーブなどと一緒にチーズの食感を楽しむものだと思います。その他には、Morcilla“モルシーシャ”という真っ黒なソーセージもありました。これはスペインでも一般的に食べられていると聞きましたので、スペインから持ち込まれたものかもしれません。ソーセージの黒い正体は血です。肉食のアルゼンチン人達ですけれど、このMorcillaに関しては好みが分かれるようで、特に若い世代はあまり好きではないようです。恐らく何かのスパイスの仕業かと思いますけれど、独特の風味がありまして、アルゼンチンのほとんど味がしない質素なパンに乗せて食べるととても美味しいので私は大好きです。

時間という概念を忘れさせてくれる瞬間を幸せと呼ぶなら、ここにいる間の私はこの上なく幸せでした。

いとさん


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