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コロナ禍の雇用対策パッケージ――厚労省

緊急事態宣言を発出するもコロナ禍がなかなか収まりません。
今後しばらくは、ウィズコロナで物事を考えていく必要があります。
そこで、厚生労働省がコロナ禍で実施(実施予定含む)している「雇用対策パッケージ」について、できる限り網羅的にご紹介します。

大きく分けて、(1)在籍型出向による雇用維持支援(予算額約1000億円)、(2)早期再就職等への支援(同約3000億円)、(3)雇用調整助成金による雇用維持支援(同約2兆1000億円)――の3つが柱です。

(1)は、産業や地域間で相互の雇用シェアを促進する「産業雇用安定助成金」(同635億円)の創設が中心です。
地銀・信金、経済団体、労組などが有する送出・受入企業情報を産業雇用安定センターに集約し、マッチングさせて賃金や出向経費を助成します。

(2)は、早期再就職のための離職者訓練の推進(同1089億円)、医療・介護・保育分野等の人材不足分野へのマッチング支援強化(同61億円)、離職者を早期に雇い入れた事業主や就職困難者を一定期間試行雇用する事業主への助成金支給(同632億円)、業種・職種を越えた転換を伴う再就職等を促進する都道府県の取組支援=地域活性化雇用創造プロジェクトに新コース創設(同128億円)、都市部から地方への移住を伴う地域を越えた再就職等の支援(同9億円)、ハローワークにおける求人確保と求人充足サービスの充実(同73億円)、ハローワークにおける非対面・非接触サービスの充実などに向けた検討・試行の実施(同2億円)、求職者の特性に応じた支援の強化(同1326億円)などです。

最後の「求職者の特性に応じた支援の強化」には、就職氷河期世代支援や紹介予定派遣を通じた正社員化に取り組む派遣先事業主への助成対象拡充、外国人労働者就職支援などが含まれます。

(3)に関しては、緊急事態宣言解除後の翌月末まで特例措置を適用(仮に2月7日宣言解除なら3月末)、その後に段階的に縮減し、リーマン・ショック時並みの特例とすることを想定しています。
しかし、コロナ感染状況や雇用情勢を踏まえ柔軟に対応するとの方針となっています。

なお、カッコ内の予算額は、令和2年度3次補正予算および令和3年度当初予算の合計で、いわゆる15カ月予算となっています。雇用パッケージ全体の予算額約2兆5000億円の圧倒的金額が雇調金向けとなっていることが分かります。

労働新聞編集長 箱田 尊文

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