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高齢者の安全対策で助成金|「ちょっと言わせて」

厚生労働省では今年度、高齢者の特性に配慮した安全衛生対策を行う中小企業を対象にした助成金を新たに創設することになりました。
令和2年度予算概算要求に盛り込まれたもので、「高齢者の特性に配慮した安全衛生対策を行う企業への支援」という実に分かりやすい名称です。

段差をなくすためのスロープや手すりの設置、滑りにくい床への整備の取組み、腰痛予防のためのトレーニングの実施、体操の講習会の開催などハード、ソフト面での対策を支援するもので、1件当たり最大100万円(補助率2分の1)を上限に支給すると考えられています。


いわずもがな、わが国は少子高齢化社会となりました。
労働力人口が減少していくなかで経済を維持していくには、国内の若者以外に頼らざるを得ません。
具体的には、高齢者女性外国人の活躍が期待されていますが、とりわけ高齢者は今まで培ってきたスキルを生かせることから、大きな期待が寄せられています。
その一方で、懸念されるのが加齢による身体機能の低下が原因の労働災害です。なかでも転倒災害は型別で最も多く、安全対策上の大きな課題になっています。
どんな人でも年齢を重ねると、ちょっとした段差やつまずきで転ぶことが多くなります。
産業現場では問題は深刻化しており骨折はもちろん、頭を打ったことにより死亡災害となった事案も報告されています。

新しい助成金は、今後ますます増えていく高齢労働者に対し支援を厚くするもので、効果が期待されます。
今号、特集2でも紹介しているビルメンテナンス業は、特に高齢化が進んでいる産業。
アウトリガー付きの脚立や耐滑性のある靴の使用など改善活動が進んでいますが、助成金の創設は心強いことでしょう。

安全スタッフ編集長 高野健一

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