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2022J1第29節 横浜F・マリノスvsアビスパ福岡 プレビュー 〜Do you believe in Ghosts?~

大学院生の赤松先輩と20歳の青人は同じフットサルサークルの先輩後輩。
マリサポの同志である2人は、会うといつもマリノスの話をする。

【プロローグ】


青人:
湘南戦、およそ1ヶ月ぶりの勝利です!

赤松:
長かったねぇ。でも勝てて良かった!

青人:
チャンスも作れてましたしね!

赤松:
わりとセットプレーが多かったかな。

青人:
思うんですけど、マリノスってセットプレー弱いですよね?

赤松:
なるほど。なんでそう思った?

青人:
だって失点はするし、得点はあまり取れないし。

赤松:
ここは難しいところだね。
攻守両面で切り分けて考えてるみようか。

青人:
はい!まず攻撃ですが、、
あんま点を取れているイメージはないですね。

赤松:
同感。

青人:
基本的にマリノスって身長高くないじゃないですか?

赤松:
うん。

青人:
そこは大きいのかなと。

赤松:
たしかに身長は大事な要素だよね。
まあ身長だけじゃなくても、エアバトルに強みを発揮する選手がどれだけいるかって話で言うと、正直エドゥアルドくらいじゃないかな?

青人:
あとは、レオセアラとかですか?

赤松:
まあそうね。例えばロペスは180cmを超えているけど、彼ってエアバトルはあまり得意としていなかったりするんだよね。

青人:
相手CBに競り勝って叩き込むみたいなのないですもんね。

赤松:
そうそう。だからそもそもターゲットが限られるっていうのは大きい。
ただ、キッカーはいる。

青人:
水沼宏太と永戸勝也、リーグでも屈指のキッカーです。

赤松:
うん、だから必ずしも点が取れないわけじゃない。
ターゲットの背が低くてもピンポイントで合わせられるキッカーはいるわけだから。

青人:
たしかに、、

赤松:
セットプレーで点が取れない理由の一つに、ショートコーナーの多さはあると思ってて。

青人:
湘南戦はわりとクロス蹴ってましたけどね。

赤松:
ここ最近はそう。たぶん色々仕込んでるからだと思う。

青人:
仕込んでるっていうのは?

赤松:
パターンってやつ?
例えば東京戦の先制点みたいに、ニアサイドに人が殺到して相手を引きつけて、ファーサイドの岩田をフリーにする、みたいな。

青人:
あーなるほど。

赤松:
ターゲットの身長が高くなくても点が取れるように、大島秀夫コーチ中心に取り組んでいるんだと思う。
ただ、セットプレーを獲得したとき、ショートコーナーから素早くプレーを再開するケースはやっぱり多い。

青人:
それってなんででしょうね?

赤松:
まあオンプレーの時間を増やせるとか、無条件にゾーン3に相手を押し込んだ状態で攻撃できるとか、色々メリットはあるから。

青人:
なるほど。

赤松:
これって確率論みたいなもので、そもそもセットした状態でクロスをあげる試行回数が少なければ、必然的にセットプレーからの得点も少なくなるよねってことよ。

青人:
ちょっと腑に落ちました。

赤松:
ただし、オンプレーの時間を増やすことで、逆にマリノスが点を決めるチャンスも増える。
まあ、セットプレーだけに限定して話をしてしまうとデメリットばかりが目立ってしまうってことかな。

青人:
たしかにそうですね。まあ攻撃はそんなところで。
次は守備です。直近だと、東京戦でセットプレーから2失点してしまいました。

赤松:
特に2失点目かな?あれよくやられるよね。

青人:
開幕戦でセレッソの進藤にも同じような形でやられましたね。

赤松:
うむ。あれこそ「マリノス身長高くない問題」が顕在化した形だと思う。

青人:
というと?

赤松:
今のマリノスは、ゾーンとマンツーを併用していて、ゾーン担当には背の高い選手を、マンツー担当には背が高くない選手をあてている。

青人:
なるほど。

赤松:
東京戦だと、あの時間帯のメンバーを割り振ったときに、背が高くないジョエルをファーサイドのゾーン担当にあてるしかなかった。でも、これはリソースが限られる中で最善の選択ではあった。

青人:
ほう、それはなぜですか?

赤松:
ファーサイドって、その手前にGKがいるでしょ?

青人:
そうですね。

赤松:
だから、山を越すような高いボールで、かつピンポイントじゃないとファーサイドには到達しない。要は、ファーに蹴ってピンポイントでジョエルの頭上に落とすのは難しいんだよ。

青人:
なるほど、たしかにそうかもです。

赤松:
エアバトラーが少ないマリノス的には、限られたリソースでやりくりする中で、優先順位としては少し下がるポイントになる。だから、ファーサイドに蹴られて合わされるのはある意味しょうがないって捉えてるんだと思う。

青人:
やっぱり全部潰すのは無理ってことなんすかね、、

赤松:
うん、やっぱりそもそものリソースが限られる以上、そこは優先順位付けをしなきゃいけない。でも、これは軽視ではないんだよね。決してセットプレーを捨てているわけじゃない。というか、捨てちゃダメw

青人:
そうですね。捨てているわけじゃないけど、、

赤松:
例えば直近の湘南戦では、少し空中戦で戦える西村をファーサイドに置いたりとか、今もなお試行錯誤を続けているように思うよ。

青人:
難しいですよね。毎試合メンバー変わるし。

赤松:
そう!それ大きい!!
中には毎試合で異なる役目をこなしている選手もいるだろうし、アジャストするのは大変だよ。

青人:
なんていうか、セットプレーって奥が深いです。

赤松:
ほんとにそうだよね。

青人:
そして今回の福岡戦もまあキーになりそうというか、、

赤松:
福岡はセットプレー強い選手たくさんいるからねぇ。東京戦を踏まえて色々やってくると思うよ。
ああ怖えw

青人:
そもそもセットプレーを与えたくないですよ。

赤松:
いいこと言った!
マリノスのサッカーをやれれば福岡のセットプレー機会をそもそも奪うことはできる。そっちにフォーカスしたいね!



【最近のアビスパ福岡】


青人:
最近の福岡はどうです?

赤松:
8月上旬からコロナでメンバーが揃わない時期があって苦しかったけど、また今は持ち直したかな。

青人:
なんかGKをフィールドプレイヤー起用したりとか、話題になってましたね。

赤松:
あったなw
でも今はもういつもの福岡に戻ったよ。

青人:
4-4-2で堅い守備ブロックを敷くチームですよね。

赤松:
そうだね。マンツーマンベースでね。

青人:
福岡って、そこまで派手なことをしてるチームではないじゃないですか?
特別個の能力に秀でた選手がいるわけでもない。

赤松:
うん。

青人:
なんであんな堅いんですか?w

赤松:
ああ、いい質問だそれは。

青人:
気になるんですよ。

赤松:
やっぱり、点を取られないことにものすごく意識を向けていて、そのためにリソースを割いているってとこかな。

青人:
まあ守備的なチームってそういうことですよね?

赤松:
うん。リスクヘッジとリスクテイクってあるじゃん?
福岡の場合、リスクテイクをするゾーンをものすごく狭くして、基本はリスクヘッジに振ってる。

青人:
ゾーンっていうのは?

赤松:
場合だよ。こういうときはこうするっていうプレーの判断軸。

青人:
あーなるほど。

赤松:
福岡がリスクテイクをするのは、基本的にミドルゾーンでボールを奪った場合に限る。そこで奪ったときは、前線4枚はゴールに向かって走る。

青人:
他の場合は?

赤松:
ゆっくりボール保持をして、陣形を整える。そこから先は、背の高いFWめがけてロングボールを使った攻撃を仕掛ける。枚数は最小限で、後ろの陣形は崩さない。ほぼこれしかやらない。

青人:
なるほど。ボール保持時の振る舞いによく特徴が表れてるんですね!

赤松:
そうそう。んで、この行く行かないの判断におけるキーマンが、ボランチの前寛之。ゆったりポゼッションのハブ役になれるし、トランジション局面では重要なスペースに飛び出していく。
福岡の精神的支柱でもあるし、欠かせない選手だね。

青人:
たしかに、福岡の試合見てると、よく画面に抜かれますよね!

赤松:
そうねw
あとは2トップの一角・山岸かな。
1stプレスのスイッチ役になれるし、しかも広範囲に動いてボールを引き出しつつ、フィニッシャーにもなる。

青人:
なんか、ファンマが胸で落としたボールをダイレクトで打つの、毎試合やってません?w

赤松:
わかる、あのパターンよく見るよなw
絶対練習してる!

青人:
ですよねw

赤松:
とにかく福岡は、ファンマやクルークスといった外国籍選手が派手で目立つんだけど、要所で求められる判断や気の利くプレーは、前や山岸がやってたりするんだよってことが言いたい。

青人:
この2人は、長谷部監督の頭の中をピッチ上で体現する選手なんでしょうね。

赤松:
間違いない。



【試合展開の予想】


青人:
この試合はどうなりますかね?

赤松:
まあ色々言ったけど、基本的な構図は、ゾーン2におけるマリノスの保持vs福岡の非保持になると思う。

青人:
いつもの福岡戦ですねw

赤松:
そうね。福岡はマンツーマンベースで人に付く傾向が強いから、うまく動かしながら突破口を探りたい。

青人:
前回対戦ではエウベルがいなかったじゃないですか?
今回はいると思うんで、なんとかしてもらいたいって感じですか?

赤松:
正直エウベル1人いるだけでかなり違うと思う。
だけど、マリノスが今新たに取り組んでいる、サイドに密集を作る形がここで活きてほしいし、実際活きるんじゃないかな。

青人:
それはなぜですか?

赤松:
福岡が抱える意識としての全体のバランス維持とマリノスが繰り出す局所的な密集は噛み合わないのよ。
マリノスとしては、サイドで数的優位を作りやすい。

青人:
なるほど、たしかにそうかもしれないです。
福岡って、極端にサイドにスライドして守るチームではないですよね!

赤松:
そうそう。例えばセンターバックはボックス幅を基本的に離れないし。
だからマリノスとしては、福岡が捕まえるよりも速くボールと人を動かせば、ゾーン2→3への前進は可能なはず。

青人:
結構簡単に聞こえますが、、

赤松:
そう?
ただし、連戦で、しかもミッドウィークの湘南戦から中2日の過密日程だよ。その状況で、かなり高い技術とスピードが求められる。

青人:
あ、そうだった、、

赤松:
そこが難しいのよ、この試合は。
まあ湘南戦でメンバーの入れ替えはしていたし、エウベルやジョエルは早期退社されてたし。その負荷軽減策がどこまで功を奏すかってとこかな!

青人:
うーーん!勝ってほしい!!

赤松:
勝てるはず!勝とう!!



To Be Continued・・・

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