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2022J1第24節 川崎フロンターレvs横浜F・マリノス プレビュー 〜Battle of Nerves~

大学院生の赤松先輩と20歳の青人は同じフットサルサークルの先輩後輩。
マリサポの同志である2人は、会うといつもマリノスの話をする。

【プロローグ】


青人:
鹿島との大一番、勝ててよかったですね!強かった!

赤松:
後半鹿島にシュート打たせなかったしな。狙い通りの試合ができた!素晴らしいの一言だよ。

青人:
ヒーローインタビューで岩田も言ってましたけど、最近勝ててなかったじゃないですか?

赤松:
そうだね。

青人:
そういう意味でも悪い流れを断ち切ったというか。
中断期間にきっちり立て直してこの大一番で完勝、ちょっと出来過ぎな気もしますw

赤松:
まああと直近のマリノス対策に対するひとつの答えが見えた部分でも収穫アリな試合だったと思う。

青人:
パイセンが言ってたそこ、気になってました!
見えましたか?

赤松:
うん。まあどちらかというと鹿島対策がそうなったという見方もできるけど。この試合、マリノスは押し込み攻撃よりは速攻型でやってたのは気づいた?

青人:
言われてみると長いボールが多かったかも、、

赤松:
そうそう。出し手って意味だと、サイドバックに松原と永戸を置いていたことからもわかるけど、二人とも長いスルーパスでチャンスメイクができるタイプ。逆に受け手って意味だと、仲川とアンデルソンロペスの起用がポイントだね。

青人:
松原→仲川ラインは定番ですしね。ロペスは、、足が速いからですか?

赤松:
それもあるけど、彼の動きの特徴が深く関係していると思ってて。レオセアラと比べて。

青人:
レオセアラと比べた動きの特徴ですか?

赤松:
レオは降りて受けたりとか、縦の動きが多いのに対して、ロペスはサイドに流れる横の動きが得意。

青人:
あっ!先制点!まさにそんな動きでしたね!

赤松:
そうそう!あれはロペス起用が大当たりしたゴールだよ。

青人:
すげえ、、どハマりじゃないすかw

赤松:
うんw
ロペスや西村がサイドに流れることで、エウベルが活きるって側面もある。

青人:
そうなんですか?
逆にスペースを食い合ってしまうんじゃ、、?

赤松:
いや、彼らがサイドに流れることで、もしマリノスのサイドバックとエウベルの距離が離れていたとしても、エウベルが孤立しなくなる。これがセレッソ戦や鳥栖戦でやられたマリノス対策への一つのアンサー。

青人:
ちょっとピンとこないですね、、

赤松:
マリノスのサイドバックを押し下げて、ウイングとのリンクを作らせず距離を離すことでウイングを孤立させる。これが、セレッソや鳥栖がやってきたこと。結果的にエウベルや水沼宏太が孤立して前進がうまくいかなくなっちゃったよね。

青人:
ええ。

赤松:
ロペスや西村がサイドに流れれば、エウベルのサポートができる。

青人:
なるほど、少しわかってきました。

赤松:
ベースは、少ない人数で速く攻めるっていう意図を持ちつつ、左サイドはエウベルの特徴を活かして相手を押し込む設計を組み込んだっていうのが、僕の鹿島戦の解釈だね。

青人:
要は、ブレンドみたいなことですか?速攻と押し込みの。

赤松:
まあそんなとこかな。これは、vsセンターバックでロペスが優位に立てる前提だったり、相手DFラインの裏が取りやすい状況っていう条件付きでもあるから、どの相手に対しても通用するかはわからない。

青人:
さっき「鹿島対策がそうなった」って言ってたのはそういうことなんすかね?

赤松:
そうそう。あの日の鹿島のCB相手だったら、ロペスが優位に立てたってこと。その文脈でいくと、この川崎戦でどうやってくるかは楽しみだな。なんせ相手はジェジエウだから。

青人:
ロペスvsジェジエウですか、、どうなんでしょう?w

赤松:
見ものだね。

青人:
まあそもそも6ポインターだし、ダービーだし。
ここ落としたくないですよね!

赤松:
うん、順位とか置いといても川崎にここで勝つことに意味があるはず!

青人:
しかしですね、川崎がちょっと大変な状況じゃないですか。
前節・浦和戦は悲惨なメンバー構成に、、

赤松:
スタメン見た感じ、揃ってるなと思ったけど、ベンチがGK3人とFP2人しかいなかったんでしょ?
よくもまあそんな状況で試合を、、

青人:
しかもこんな殺人的な暑さですしね。
正直、1週間経ってどれくらいの選手が起用できる状態になるのかはわからないと思うんですよ。
現時点でわかっているのは、大島が怪我をしているというくらいですかね。

赤松:
そうだね。他の選手がマリノス戦に戻ってくるかどうかは本当にわからないな。まあそこは直近のルヴァンカップに出場したメンバーとかを加味して仮定を置いていこうか。

青人:
そうしましょうか。



【最近の川崎フロンターレ】


青人:
最近の川崎の印象はいかがです?

赤松:
うん、怪我人続出とか諸般の事情があって、試行錯誤を繰り返した時期もあったようだけど、今はここ2年で取り組んでいる速攻志向が強そう。鬼木さん自身はやっぱりこっちを組み込みたいらしい。

青人:
そうなんですね。まあジェジエウが帰ってきてることを考えると、スピード勝負でも戦えるぞって感じですかね?

赤松:
どうだろうな。それ「も」組み込みたいってとこなんじゃないかな。
このチームはさ、3トップに置く選手から逆算した前進方法になるんだよ。例えば今だったら、右から家長、ダミアン、マルシーニョの3枚を並べるんだけど、彼らの特徴を活かした前進の設計をしている。

青人:
特徴を活かした前進の設計、、それぞれの長所を活かすってことですか?

赤松:
そうそう!足元で受けたがる家長がいる右はショートパス主体、空中戦の強さとキープ力があるダミアンがいる中央はロングボール主体、スピードがあるマルシーニョがいる左は裏抜けスルーパス主体。

青人:
見事に三者三様だ、、

赤松:
あとこのチームには家長の逆サイド出張がある。
左からゆっくり攻めたいときは家長が逆サイドまで動いてポゼッションフェーズに。その場の状況に応じた前進ルート設計ができる。この臨機応変さが川崎の強さだと思ってる。

青人:
家長が逆サイドに動くのは前から結構やってますよね!だいぶ自由だなぁと思ってましたけどw

赤松:
ただ自由なだけじゃなくて、あれは一応理に適ったポジショニングの妙だよ。

青人:
なるほど。

赤松:
んで、3トップの特性に応じた前進ルートを設計したら、あとはそれに見合った人材を各ポジションに配置する。特に橘田がアンカーにいると、敵陣⇔自陣の行ったり来たりが多い試合ではそのカバーリング能力が発揮される。今の川崎のサッカーをやるならここは外せないかな。

青人:
たしか直近の浦和戦ではここシミッチがやってましたね。

赤松:
そうね、だからいつもよりちょっとテンポ落とし気味だったし、プレッシングも少し自重してた。脇坂があまり前に出ず、シミッチ脇を支える感じかなと。まあここは交代枠の問題もあったし、シミッチだからってだけの話ではないだろう。

青人:
2失点目とか、露骨にシミッチの周りを突かれてませんでした?

赤松:
うん。ちょっと全体が前がかりになった瞬間を突かれた感じよね。松尾がシミッチの背後で受けたところから生まれたゴールだね。

青人:
あそこが橘田だったら防げたかもしれないってとこでしょうか?

赤松:
うん。アンカーって、インサイドハーフ2人の手綱を握る役目も負ってるから、前に出るのか、後ろに下げるのかをコントロールする力も求められるよね。
そこはシミッチよりも橘田に一日の長がありそうだなと。

青人:
たしかにそうですね。
まあこんな状況でなければ橘田を起用していたんでしょうね。つくづく気の毒というか、、

赤松:
こればかりはしょうがないよね。



【試合展開の予想】


赤松:
っていう状況を踏まえて今回のマリノス戦になるわけだけど、鬼木さんは、ジェジエウが起用可能で、かつ橘田のアンカー起用ができる状況でない限り、マリノスのハイテンポには付き合ってこないんじゃないかと思ってる。

青人:
行ったり来たりに耐えられる強度ってことですか?

赤松:
そうそう。この点、かなり現実的に勝負に徹する監督だから、試合のペースを下げようとしてくるかなと。

青人:
美しいポゼッションベースのサッカーだから、ロマンチストだと思ってました。

赤松:
いや、割り切るときはとことん割り切る監督って印象だな。
だから、今回は試合のテンポを落としつつ、展開次第では勝負どころを見計らってラッシュをかけるとか、そういうやり方をしてくるはず。

青人:
なるほど。どれくらい選手が戻ってくるかわからないですけど、現状やっぱりリソースが限られちゃいますもんね。

赤松:
そうなのよ。例えば前回対戦時に中切り外誘導でプレスをかけてきたけど、あれは広大なスペーずカバーできる橘田がいてこそやれた部分があるから、たぶん今回はやってこないし。

青人:
なるほど。では、どうやってくると?

赤松:
普段通りの外切り中誘導でプレスをかけるか、そもそも4-4-2でミドルブロックを構えてくるか。時間帯による使い分けも含めて、可能性として考えられるのはこの2つかな。

青人:
片方は普段着、もう片方はマリノス対策ってとこですかね?

赤松:
そうだね。これを試合中に変えながらやってくるから、面食らわないようにする必要があるかなw

青人:
飲水タイムとかですかね?変えてくるのは。

赤松:
うん。飲水タイム前後の変化は注目かなと思ってる。

青人:
逆にマリノスはガンガン行きたいわけですよね?

赤松:
まあね。ただ、速く攻めつつ、川崎を押し込んで攻撃したいのはあると思う。特にジェジエウがいるのなら、スピード押し一辺倒じゃ対応されちゃうし。

青人:
工夫が必要ですか?

赤松:
もしボールを持たせてくれるのであれば、相手陣地に押し込んでじわじわやりたいはず。
そうだ、この試合のポイントは、ボールを保持することかな。

青人:
ほう、ボールを持ちたいと?

赤松:
川崎に持たれるよりはマリノスが持ちたい。これは逆も然りで、お互い狙ってることだろうけどw

青人:
前に言ってましたよね?ボールを持つチームがテンポを調節できるって。

赤松:
言ったね。特にこの試合はそうなりそう。
結構我慢比べだよ。お互い負けたくないって意識が働く中で、奪ったボールは大事にしなくてはならない。そこで、いつリスクテイクしてリターンを取りに行くか。勝負どころの見極めが、ピッチ上の選手たちとベンチに求められる。

青人:
なんだか痺れる試合になりますね!

赤松:
この試合に勝つためには、そういう勝負強さが必要。
冷静さと大胆さ、そのバランス。

青人:
今から緊張してきました、、

赤松:
早いわw
でもまあわかるよ。川崎戦の前ってそうなるよな。

青人:
ですよね!ほんと、"ライバル"って感じがします!

赤松:
ここをなんとか勝てれば本格的にリーグ優勝も見えてくる。必ず勝とう。



To Be Continued・・・

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