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2022J1第27節 横浜F・マリノスvsジュビロ磐田 プレビュー 〜First-goal Impact~

大学院生の赤松先輩と20歳の青人は同じフットサルサークルの先輩後輩。マリサポの同志である2人は、会うといつもマリノスの話をする。

【プロローグ】


青人:
ガンバ戦、厳しい結果になってしまいましたね。

赤松:
サッカーってクソだよな、ほんとにw

青人:
なんか、あまり悪いと思わなかったんですが。
なんで負けてしまったんでしょう?

赤松:
立ち上がりの先制点、あれが何よりも痛かったよね。

青人:
先に取られちゃいましたもんね、、

赤松:
前にも話したことがあるけど、セットプレーで取られること自体はしょうがない。マリノスのセットプレー守備には弱点がある。それは身長の面で。
ここを突かれたらやばいってポイントはあるんだよ。

青人:
ファーサイドですよね?
今季何回やられたことか、、

赤松:
そうそう。だけど、優先順位の問題から、そこだけに手をつけることはできない。あのセットプレーの弱点を潰すために、大幅に何かを変えることはできないから。

青人:
そこはある種の諦めが必要なんですかね、、?

赤松:
もちろんただお手上げじゃ困るわけで。そこはある程度突き詰めて対策を講じる必要はあるんだけど。それでも微修正の範囲だろうね。
だから、こういうことは起こり得ると考えた方がいい。

青人:
微修正、、ですか。

赤松:
選手の置き方とかね。しかし何よりも効果的なのは、相手のコーナーキックの回数をもっと減らすこと。もう何度も言っていることだけどね。

青人:
自分たちの強みを出すことで、ってことですね?

赤松:
その通り。次の磐田もセットプレー強いから、そこはしっかりやらないと。

青人:
磐田はセットプレー強いんですか?

赤松:
単純に背の高い選手が多いんだよ。

青人:
ウイングバックの鈴木雄斗とか、大きいしヘディング強今イメージあります。

赤松:
そうそう。サイドに背の高い選手を置いているのもあって、マリノス相手に空中戦で優位に立てるだろうなというのは容易に想像がつくよ。

青人:
なるほど。かなり厄介ですね。

赤松:
まあセットプレーは注目だね。必ず狙われるし、そこに対してこの短期間で何に取り組んでやってくるか。純粋に見てみたい。

青人:
たしかに。乗り越えてほしい。



【最近のジュビロ磐田】


青人:
さて、まあセットプレーの話は先にしちゃいましたけど、最近の磐田はどうですか?

赤松:
ガンバ同様、まず監督が変わったシーズンだった。

青人:
ええ。そして現在最下位です。

赤松:
まあ得点は1試合平均1.0だし、何よりも失点数が目立つよね。リーグ最多だよ。

青人:
じゃあ守備に課題を抱えていると?

赤松:
そうだね。

青人:
何がいけないんでしょう?

赤松:
自チームに目を向ければ色々あるけど、今季のJリーグの傾向は一つ大きな要素としてあるかなと。

青人:
リーグの傾向ですか、、どんな?

赤松:
まず今季始めから磐田が志向していたサッカーは、ボールをしっかり保持してゲームを組み立てるというものだったのは前提として押さえておきたい。

青人:
ボランチに遠藤保仁を置いたりしてましたね。

赤松:
そうね。彼が調節役となったボールをしっかり握る。これが磐田がやろうとしていたことの概要ね。

青人:
なるほど。

赤松:
それに対して、今季のJリーグは、ショートカウンター・速攻をベースとするチームがとにかく多かった。
柏やセレッソ、広島ら上位に喰いこんだチームは、みんな大きく分類するとそういうチーム。

青人:
ほう、、なるほど。

赤松:
結果的に磐田に何が起こったか。例えばビルドアップしていても、致命的なボールロストをしてショートカウンターを喰らったりと、ある意味「良いカモ」にされてしまう試合が多かったんだよ。

青人:
なんとなく見えてきました。
結局相性が悪いチームが多かったんですね?

赤松:
まあ昨季J2で優勝してJ1に乗り込んできたは良いものの、やっぱりJ1とJ2って全然違うからさ。J1のチームって、組み立て方はともかく、前線にはスピードと決定力を持ったアタッカーがうじゃうじゃいるし、結局そこで点を取られてしまう。

青人:
理不尽ですよね、、

赤松:
そうそう。そういう理不尽さに磐田は直面したんじゃないかな。

青人:
厳しいなぁ、、

赤松:
これが、今季ここまで磐田が歩んできた文脈を読み解く一つの視点ね。

青人:
ええ。

赤松:
じゃあここ数試合どうなのよって話。

青人:
そこですよね。

赤松:
まあやっぱり今はもう残留に向けてとにかく勝たなきゃいけない状況だからさ。

青人:
今回も死に物狂いの相手を返り討ちにしなきゃいけないわけですか、、

赤松:
そういうことw

青人:
いや、ガンバを見てその難しさは身に沁みましたよ、、

赤松:
必死だったもんな。磐田もそうやって向かってくる。

青人:
直近の試合見てると、多少息を吹き返してきていますよね?
セレッソ、鹿島にホームでドロー。鹿島相手には、最終盤までリードしていましたし。

赤松:
うん、相当尻に火はついているね。

青人:
何か変えたんですか?

赤松:
まあ前進方法をシンプルなロングボール主体にしたのが大きいかなと。

青人:
今まで繋いでたのにってことですか?

赤松:
そうそう。渋谷監督に代わってからかな。ここはリスクを排除してとにかく前線の杉本健勇に向かってロングボールって感じ。
鹿島戦見た感じだと、まあそれなりに前進できていたし、これはこれでだね。

青人:
なるほど。そこに山田大記と金子翔太のシャドーが絡んでいくと?

赤松:
そうだね。そもそもこのチームはゆっくり攻めるのが特徴だから。
杉本が時間を作って全体を押し上げて、相手を押し込んでいく。そこは伊藤監督のときから変わってないかなと。

青人:
なんか、伊藤槙人がよくゴール前に顔を出しているのが印象に残ったんですが。

赤松:
まさにだね。それって全体の押し上げができていないとできない芸当だから。

青人:
そうですね。

赤松:
このチームは、とにかく杉本が攻撃のキーマン。単純に彼が最前線に鎮座していて、そこにロングボールを放るのもやるし、逆に金子が最前線で相手DFラインを押し下げる動きに呼応して杉本が後ろに下がって縦パスを引き出すとか。そういうこともやる。この杉本と金子の関係性ね。

青人:
わりと良好な感じですか?

赤松:
うん。ゾーン1からの前進はロングボール主体、ゾーン2からの前進は杉本が降りて受ける形。相手のプレス開始位置に応じて杉本の活かし方が変わるわけだね。

青人:
なんか、杉本は忙しそうですねw

赤松:
そうなの!だからなんだよ。今季全然点が取れていないの。こんなにプレータイムが長いのに。

青人:
組み立ての仕事が多すぎるんですね?

赤松:
そう。でも彼はこういう仕事させたら国内でも屈指の実効性を示す。やっぱり能力は高いよね。あまり大衆に評価される仕事じゃないから色々言われちゃうけど。

青人:
ストライカーはゴール取ってナンボですからね。

赤松:
みんなそう言うから、杉本健勇の良さは語られない。寂しいもんだよ。

青人:
たしかに、、

赤松:
まとめると、稀代のポストワーカーの能力を活かして、全体を押し上げて攻撃したいってとこかな。

青人:
なるほど。



【予想される試合展開】


青人:
では、この試合のポイントはどこですか?

赤松:
まあさっきは攻撃面のことを述べたけど、基本的にはマリノスがボールを持って攻め込む展開になるはずなんだよ。磐田の5-4-1に対してどうやって点を取るかだね。

青人:
ガンバ戦の反省を活かさないとですね!

赤松:
もちろん。

青人:
ガンバ戦は、クロスにかなり頼った部分があると思ってたんですが、、
もう少し工夫できなかったんですかね?

赤松:
お、良いこと言うね。

青人:
そうですか?w

赤松:
ガンバ戦では、時間が経つにつれて勝負を焦ってしまって、結局クロス一辺倒になってしまったとこがある。
思い返してみると、前半の方がチャンス作れていたでしょ?

青人:
たしかに。後半にトーンダウンした感じでした。

赤松:
それはやはりビハインドというスコア展開によるところが大きかった。
ガンバが大外を捨てて中央を固めて守ってきたことと相まって、単純なクロスに頼ってしまったんだよ。

青人:
ほうほう、、

赤松:
もし中央に空中戦に絶対的な強さを発揮する長身ストライカーがいたら話は別なんだけど。マリノスはそうではないから。

青人:
たしかにそうですね。

赤松:
右に水沼、左に永戸というリーグ屈指のクロッサーがいるから、それを活かす意味でクロス自体は悪いことじゃない。だけど、それ一辺倒になるのは話が違うよねって話。大外、中央と四方八方から色んな仕掛けを繰り出していって、相手を攪乱しないと。

青人:
うんうん。じゃあこの磐田戦もクロス一辺倒じゃいけないわけだ、、

赤松:
その通り。磐田の3バックも右ウイングバックの鈴木も長身だし、単純なハイクロスだと厳しいかもしれない。

青人:
なおさらですねw

赤松:
クロスをあげるにしても、内側を突破してからとかね。

青人:
なるほど!

赤松:
実際、クロス以外にもチャンスメイクのポイントはあって。前節・鹿島戦を見てもらうとわかるけど、磐田は結構バイタルエリアを使われるシーンが散見されるんだよ。

青人:
ほう、、中央が空くんですか?

赤松:
そう。ブロックを形成したとき、ボランチが引っ張られて、スライドが間に合わないタイミングで、中央がぽっかり空くことがある。

青人:
なるほど!そこは使えそう!

赤松:
だから、ボールをたくさん動かしながら外と中を使い分けて攻めたいかなと。

青人:
まあ前節の課題というか敗因は明確な中で、同じ轍を踏むとは考えにくいですしね。

赤松:
そうそう。でもさ、今回の相手は磐田で、ガンバとは全く違う相手なんだよ。根本的に守備の考え方が違うからね。磐田はガンバほど露骨に大外を捨ててきたりはしないしね。

青人:
なるほど。

赤松:
だから前の試合を反省はするけど、引きずりすぎちゃいけない。それができるから今季一度もリーグ戦で連敗をしていないわけで。

青人:
たしかに。

赤松:
まあでもこの試合はさ、エリア内に9人とか10人とか人数をかけて守ってくる相手に対してどう崩すかって試合になると思うんだよ。

青人:
ええ。

赤松:
その状況になるとさ、正直決まりきった形で綺麗に崩すのはなかなか難しいよ。だから、色んな手を打っておいてミスを誘うとか、スーパープレーとか。そういうところでなんとか1点もぎ取って、スコア展開上で優位に立っていくしかないかなと。

青人:
やっぱ厳しいですよね、、
ただ、磐田は勝たなきゃいけないんですよね?

赤松:
そうだよ。

青人:
となると、ずっと引きこもってるわけにもいかないのでは?

赤松:
それはそう。だから、タイスコアであればどこかで必ず前に出てくるんだよ。

青人:
ガンバと同様ですね。

赤松:
そう。だから、スコア展開上で不利に立たないようにしたいもんだね。
マリノスとして必勝を期す上では。

青人:
絶対先制!!

赤松:
まじでそれ。特に立ち上がりは本当に、、w

青人:
気を引き締めて勝ちましょう!

赤松:
おう!!



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