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2022J1第21節 セレッソ大阪vs横浜F・マリノス プレビュー 〜Turn Away Evil Spirits~

大学院生の赤松先輩と20歳の青人は同じフットサルサークルの先輩後輩。
マリサポの同志である2人は、会うといつもマリノスの話をする。

【プロローグ】


青人:
広島強かったですね。

赤松:
ほんとだよな!かなり苦労したけど勝てて良かったよ。

青人:
結果的に3-0で勝ちましたけど、内容はだいぶやられましたね。

赤松:
でもね、広島の目線に立つと、逆にマリノスにしてやられた部分はあったと思う。というか、その印象はかなり大きかったんじゃないかな。

青人:
そうですか?広島的にはあれがやりたいものだと、、

赤松:
お互いうまくいった部分とうまくいかない部分が同様にあって、わりとイーブンなゲームだったのかなと。それをマリノスがうまくモノにした感じ。

青人:
広島のうまくいかなかった部分って何ですか?

赤松:
マリノスにボールを握らせたいという狙いと、マリノスによるプレッシングの影響で、ボールを蹴らざるを得なかったし、加えてレオセアラのところで想定以上に時間を作られたのかなって感じ。結局そこで入れ替わられてマリノスに速攻の機会を与えてしまっていた。

青人:
想像以上にオールコートマンツーがハマらなかったって感じですか?

赤松:
うん。いやマリノスからしたら相当苦しかったじゃん?

青人:
苦しかったですよw

赤松:
高い位置で奪われるシーンこそそんなになかったとはいえ、結局高丘からロングボールを蹴らざるを得なくて、広島をなかなか押し込めなかった。

青人:
自陣から出られなかったですよね。

赤松:
そうね。ロングボールを放って跳ね返ってきたボールを広島の選手が拾うとそのまま速攻を仕掛けられる。マリノスも意図的に陣形を間延びさせていた分、ここは結構使われた印象。

青人:
たしかに。

赤松:
ただ、いくつかレオと西村の動きの工夫のところでキープできたシーンあって、そこから得点・チャンスは生まれたよね。

青人:
2点目とかそうですよね!

赤松:
そうそう!数回に一度はああやってビッグチャンスを作れていた。
しかも広島にとっての本当の悪夢は宮市・仲川セットが入ってきてから。連戦疲労もあってDFラインの対応に翳りが見えてくると、マリノスはここで優位に立てたよね。

青人:
やっぱり3バックが疲れたタイミングでってことですか?あの交代は。

赤松:
うーん、ある程度交代時間は決めていたんだろうけど、時間がたつにつれて広島の守備陣は疲労の色が濃かったし、そうなるとあのスピーディな攻撃を防ぐのは難しくなってくるよね。だから、ベンチワーク込みの90分トータルで考えると、マリノスの勝ちっていうのは妥当だったかなと思う。

青人:
なるほどです。まあ僕的にはピンチ多すぎじゃねって思ってましたけど。

赤松:
個人的に、そこは広島の強さってことでこの試合に関しては整理がついているかな。しょうがない部分もあったと思う。まあいずれにしても連戦続くし、次も勝たないと。

青人:
ですね!次はセレッソですか、、嫌な記憶しかないのですがw

赤松:
今季開幕戦で当たったね。後半逆転したけど、終了間際にセットプレーで追いつかれて引き分けた試合。

青人:
もうスピリチュアル的な何かとしか思えないくらい相性悪いw

赤松:
今回こそ勝とう!w



【最近のセレッソ大阪】


青人:
それで、最近のセレッソはいかがです?
現在は5位ですか。

赤松:
最近のトピックスで言うと、怪我人が多発している。

青人:
清武、原川、山中がいないんでしたっけ?

赤松:
主だったところでいうとそんな感じ。

青人:
結構核となる選手たちですよね?

赤松:
もちろん。まずはその影響の話からしようか。

青人:
お願いします。

赤松:
影響を受けているのはファイナルサードの崩しの局面かなと思っていて。
それぞれの不在の影響で選択肢が少しずつ減っているんだよ。

青人:
選択肢が減る、、ですか。

赤松:
例えば、清武がいないことで中央から崩すコンビネーションやスルーパスが出てこなかったり、山中がいないことで外だけじゃなく斜めに入っていくサイドバックの攻撃参加がなかったり。

青人:
要は、個に依存していた部分ってことですか?

赤松:
言い方が良くないなw
個の素質を活かした攻撃を志向していた手前、色の濃い特徴を持つ選手がいなくなると、尖れなくなってしまうって感じ。

青人:
あんまピンとこないです、、

赤松:
山中がいなくなって、山中がやっていたことを他の選手にやらせようとしても無理でしょ?だったら、起用できる選手の特徴を活かしてやっていこうよと。でも、山中のような高精度クロスや攻撃参加はチームとしてできなくなってしまう。

青人:
あー、結構当たり前のことじゃないですか?w

赤松:
そうだよw
そんでまあ現状のセレッソで言うと、サイドからのクロスが主な武器になっている。5月のガンバ戦を見た感じだと、もっと左右中央から人の動きで崩していくイメージだったけど。
ここは今使えるスカッドに合わせて柔軟にやっているんだろうなぁ。

青人:
人が変わっちゃうとやりたいサッカーができなくなってしまうのは、チームの作り方としてどうなんですかね?

赤松:
悪い捉え方をするとそうなる。でもスタメン11人のクローンは作れないわけで、多かれ少なかれ人が変わればサッカーを変える必要が出てくる。
逆に人の入れ替えによってチームに幅を持たせることができているという見方もできるし。

青人:
小菊さんはそうやって幅を持たせることを狙っているってことですか?

赤松:
幅を持たせるというよりは、選手がもつ個性をなるべくいじらずにそのまま活かすタイプの監督。特に若い選手の起用を見ていると感じる。だけど、勝負にはこだわる人だと思う。

青人:
それは怪我人が出ている現状をふまえてってことですよね?

赤松:
うん。あとは交代枠の使い方が面白い。ジェアンパトリッキとアダムタガートを基本的には後半に投入するんだけど、そこが一つのトリガーというか。点を取りに行くぞっていう意識がチーム全体に見て取れる。

青人:
前節はアダムタガートがスタメンだったみたいですけどね。

赤松:
ブルーノメンデスに何かアクシデントでもあったのかもしれないね。
とにかく、交代枠の使い方が定式化しているのはこのチームの特徴。

青人:
そこでどう変わるんですか?

赤松:
このチームのリスクとの向き合い方は、かなり保守的なんだよ。もちろん対戦相手によるけど、サイドバックがガンガン攻撃参加することはしない。オーバーラップをするのはしっかり押し込みきってからの話。ここはさっき言った山中の不在も大きく絡んでいそうだけど。

青人:
4バックは後ろに残す感じですね。

赤松:
基本的にはね。例えばビルドアップの局面で、あまりサイドハーフとのポジションチェンジはしない。

青人:
かなり保守的ですねw

赤松:
そう。ただ、ジェアンパトリッキが入るとここが変わっていく。この選手は典型的なウイングストライカータイプで、ガンガン中に入っていく。すると、必然的にサイドバックが前に出ていく必要が生じる。為田とジェアンパトリッキ、この2人の特徴の違いによって、サイドバックに求められる動きがかなり変わってくる。

青人:
なるほど。だから自然と前がかりになるってわけですね?

赤松:
そういうこと。で、終盤攻めに行くときは大外からどんどんクロスを放り込んで点を取りに行く。2トップに加えて両サイドハーフがボックスに侵入していく攻撃は、なかなか迫力があって、現に終盤に点も取れている。

青人:
単純なクロスが怖いってことですね。

赤松:
そうね。あとセレッソを見る上で欠かせないのは、右サイドハーフに入る毎熊。彼は、斜めに入っていく動きが抜群にうまくて、かつそれが90分続けられる選手。この選手の裏抜けは試合通じてずっと注意が必要かなと。例えばセレッソが後ろでボールを持っているときの彼の動きは見ておくといいかも。次に起こることのトリガーになるから。

青人:
マリノスはハイラインなのですげえ走ってきそう、、
注意が必要ですね!



【試合展開の予想】


青人:
さて、これらを踏まえてマリノスはどう戦いますか?

赤松:
まずマリノスのビルドアップのところで言うと、マリノスのセンターバックとアンカー気味に降りるボランチに対してマンツーで付こうとはしてくる。ただし、ここは最低限の制限のみ。保守的なチームではあるから、例えば広島のようなオールコートマンツーとかはしてこないはず。だから、少し時間を作られると潔く撤退して4-4-2のブロックに移行するよ。

青人:
ってことは、そのブロックをどう押し込んで崩していくかってとこですかね。

赤松:
そうだね。まあマリノスのボランチに自由を与えたくないから4-4-1-1にしたりはしてくるかもしれないけど、そしたら脇からセンターバックが持ち上がるとかをすれば良いわけで。今マリノスが持っている引き出しで対応できるんじゃないかな。

青人:
セレッソのブロックってあまり崩せたイメージがないんですが、、

赤松:
問題はそこ。堅いよね。今回も苦労はしそうw

青人:
何かないんですか?弱点とか。

赤松:
弱点ってほどじゃないけど、特徴として4枚の中盤が中央を埋めて、大外にサイドバックが出ていく形式で守るんだけど、センターバックがそれに呼応してサイドにスライドして出ていくのは気になった。

青人:
その特徴を利用するってことかー。どうすればいいんだ、、?

赤松:
例えばだけど、押し込んだ状態で大外からクロスをあげますと。その際に、誰か一人が手前のセンターバックを釣りだす動きをしてみるとボックス内でチャンスができるかなとか。

青人:
おう、なるほど。

赤松:
本当にこれをやるなら特にヨニッチをどかしたいかなぁとは思っている。
だからマリノスの左サイド(セレッソの右サイド)から攻める際の一つの手段としてアリだよね。

青人:
なんか行ける気がしてきましたw

赤松:
ほんとか?w
形ベースで話したけど、大切なことはリスクを恐れず人数をかけて攻め続けること。試行回数を増やしてあの手この手で色んなことをやっていく。

青人:
いつもパイセンが言ってるやつですね。

赤松:
そうそう。これ大事。

青人:
セレッソのビルドアップはどんな感じですか?
開幕戦のとき、プレスがハマらなくて結構苦労していた記憶があります。まああれはシーズン序盤だったからですかね。

赤松:
きっと今回も同じ課題に直面する気がしている、、w
GKキムジンヒョンはかなり高精度な中距離のフィードを蹴れるからここは対戦相手が必ずジレンマに陥るところ。ジンヒョンにプレスに行きたいけど行けない。
マリノスはどうするだろうね?

青人:
当然行くでしょう!

赤松:
まあレオに頑張ってもらうしかないかもな、ここは。
個人的には、後ろが数的同数になることを許容して、2CBとGKに対してレオと西村で強めのプレスをかけてもいい気はするけどね。ただ、セレッソってボールを保持するときに4-1-2-3っぽくなるんだよ。ボランチの片方が前に出て、かつ2トップの片割れが下りてくる。ここでフリーを作られて前を向かれると、そのまま速攻に持ち込まれる。

青人:
それはやばいですねw

赤松:
でしょ?ケヴィンがあまりリスクを冒したプレッシングをやりたがらないところを考慮すると、ここ最近やっている、西村がアンカー番でボランチ2枚が後ろに鎮座する形でやるのかなとも思うんだよ。要は、今まで通り。

青人:
ここは試合始まってから見るべきポイントってことですね。^

赤松:
うん。まあ正直ここの構造をどうにかするってよりも、マリノスとしてはボールを握って押し込みたいかな。セレッソのビルドアップの局面をあまり作らせないことが一番のリスク低減であり、自分たちのチャンスでもあるのだから。

青人:
たしかに、握り倒すのが手っ取り早い!

赤松:
前半は水沼・エウベルセットで押し込みチャンスを作りつつ、後半セレッソが前に出てきたタイミングで宮市・仲川セットにチェンジ、この試合からアンデルソンロペスも帰ってくることだし、速攻の迫力は広島戦よりも増すはずだからね。

青人:
広島戦同様にスコアで優位に立ちながら後半を迎えたいですね。

赤松:
その通り!華麗な先行逃げ切りで7連勝と行こうじゃないか!!



To Be Continued・・・

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