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2022J1第32節 横浜F・マリノスvsガンバ大阪 プレビュー 〜Time to Shine~

大学院生の赤松先輩と20歳の青人は同じフットサルサークルの先輩後輩。マリサポの同志である2人は、会うといつもマリノスの話をする。

【プロローグ】


青人:
パイセン、優勝がグッと近づいてきちゃいました!
どうしましょうどうしましょう!!

赤松:
あたふたしすぎだw

青人:
こんなの冷静でいられるわけがないです!

赤松:
たしかに。

青人:
でも選手や監督のコメント読んでると頼もしいなと思いますよ。

赤松:
うんうん。

青人:
優勝をそこまで強く意識せず、目の前の1試合に集中するってとこが。

赤松:
浮き足立ってない感じするよね。

青人:
若いチームなのにすごいなぁと思うわけです。

赤松:
まだリーグ優勝を経験してない選手が数多く在籍する中で、それでもチームとしては「目の前の試合に集中する」ってコメントが口々に出てくる。

青人:
言論統制的な何かを感じます、、

赤松:
すぐ陰謀論にもっていくなw

青人:
すいませんw
やっぱり今のチームの空気がそうなんでしょうね!

赤松:
うん、同意。喜田拓也をはじめとする2019優勝メンバーや水沼宏太らベテランがすごく大きな役割を果たしていると見る。空気の醸成って意味で。

青人:
なるほど!こういう切羽詰まった状況で経験のある先輩がいると締まりますよね!

赤松:
バイトや部活、仕事でもそうだと思う。

青人:
バイトのシフト入るときは、頼れる先輩と一緒が良いです。

赤松:
わかる。

青人:
っていうのは置いといて、今週末の話をしましょ。

赤松:
そうだな。

青人:
まず今節でマリノスのリーグ優勝決定の条件を整理しましょうか。

赤松:
うん。

青人:
まずマリノスは勝利が絶対条件です。その上で、川崎が引き分け以下なら優勝が決まります。

赤松:
シンプルだね。

青人:
シンプルですね!

赤松:
たぶん、ガンバ戦に勝った瞬間、オーロラビジョンに川崎戦の映像がドーンと映し出されるんじゃないかな?

青人:
おお!そこでスコアが表示されて、みんなが歓喜するわけですね!

赤松:
そうそう、楽しみすぎておかしくなりそう。

青人:
てか、パイセンこそ優勝間近で落ち着けてないじゃないですか!

赤松:
いやいや、名古屋戦の試合中に泣いちゃったし。
あと、試合後の車中でQueenの"We Are the Champions"熱唱しちゃったしw
(実話)

青人:
やばw
この人が一番浮き足立ってる、、

赤松:
なんかもう抑えきれなかったw

青人:
まあ無理もないですよw

赤松:
ごめん、さすがに切り替えよう。
ガンバ戦の話をちゃんとしないと。

青人:
そうですよ!気を取り直して!

赤松:
おう!

青人:
ガンバは現在17位ですね。いま降格圏です。

赤松:
厳しいシーズンだよな。

青人:
ええ、途中で監督代わってますしね。
あとこの試合は、齊藤未月が出場停止です。

赤松:
今季ほぼフル稼働してるボランチのキーマンだね。
これはガンバにとってはさぞ痛手だろう。

青人:
齊藤未月は守備範囲が広いイメージありますね。

赤松:
そうね。走力活かして攻撃に厚みをもたらす存在でもあるかな。

青人:
なるほど。あとは宇佐美が復帰しました。
2月にアキレス腱断裂という大怪我を負ったところからの大復活です。

赤松:
クラブの象徴的存在にして点を取れる選手が帰ってきた。大きいよね。

青人:
この時期は1点を争いますからね。

赤松:
ほんと神経すり減らすからなぁ。



【最近のガンバ大阪】


青人:
それで、ガンバはどんなサッカーしてますか?

赤松:
ざっくり言うと、相手に点を取らせないサッカー。
そのために戦術然り選手起用然りを試行錯誤してる。

青人:
なるほど。まあ残留争いの基本ですかねそこは。

赤松:
そうね。まず「相手に点を取らせない」って基本方針を頭に入れておくと、色んな事象の整理はつけやすいかなと思うよ。

青人:
わかりました。守備に重点を置いたチームってとこですね。

赤松:
ただし、それもある程度形になったことで、最近は点を取るための試行錯誤になってきている。

青人:
おお!逆にですか?

赤松:
まあ自然な流れなんだけどね。守れるようになったは良いけど点が取れませんと。じゃあ点を取るためにどうしますか?ってとこ。

青人:
そういうことですか。

赤松:
ただし、ここで注意しなきゃいけないのは、点を取らせないというベースは残したままってことだね。

青人:
ああ、攻撃のために全振りってことじゃないんですね?

赤松:
もちろん。

青人:
なんとなくイメージは掴めました。
それで構造はどんな感じなんですか?

赤松:
まず守備からいくね。松田監督になってから取り組んでることは、4-4-2のゾーン守備。

青人:
ゾーン守備ですか。

赤松:
人に付くんじゃなくて、各自が担当エリアをバランスよく守る。「松田浩の代名詞」とも言われるこの守備戦術をガンバに落とし込んでいる。

青人:
試合見てて思ったんですが、4-4-2のブロックがすごく綺麗ですよね。

赤松:
だよね!一糸乱れぬって感じ!

青人:
あれはほんとにすごいと思います。

赤松:
まあ約束事としては中切り外誘導がベース。2トップが外側にコース限定してサイドで奪いきるか、もしくは縦幅がコンパクトなライン間で囲んで奪うかのどちらか。

青人:
バランスがいいから、どこでもボールを奪えるってとこでしょうか?

赤松:
そうだね。まあここはゾーン守備のメリットでもあるかな。

青人:
なるほど。逆にデメリットはあるんですか?

赤松:
まあそこは後で話すとして、次は攻撃のこと。

青人:
ええw
得点力が課題なんですよね?

赤松:
そう。そもそもこのチームの攻撃は、あまり約束事や戦術の類で縛っていないなと感じる。

青人:
ほう。それはつまり、、?

赤松:
個の質を活かして勝負するってこと。

青人:
例えばこないだ復帰した宇佐美は、まさにそういう選手ですよね?

赤松:
そうだね。だから、どんなサッカーをしたいか、どうやって点を取りたいかの狙いは、選手起用に現れるんだよ。

青人:
なるほど。

赤松:
最近はファンアラーノと食野がサイドハーフで継続起用されているよね。

青人:
はい、どちらもボールを運べる選手ですよね。

赤松:
長身ストライカーのポストプレーからセカンドボールを拾ってゴールに迫るっていうシンプルな形を志向してるんだけど、その中でアラーノと食野は良い働きをしている。

青人:
ボールを拾って、ドリブルからゴールを狙えるし、特にアラーノは味方も使えますしね。

赤松:
そう、速攻にうってつけの人材だよ。

青人:
たしかに。あと気になるのは宇佐美です。
直近の柏戦で突然復帰したじゃないですか?

赤松:
そうだね。

青人:
普通に考えたら、大事をとって途中出場で良いはずなのに、なぜスタメンだったんだろう??

赤松:
おお、それは良い着眼点かもしんない。

青人:
え、ほんとですかw

赤松:
まあざっくり言うと、それだけ宇佐美が必要ってことだね。

青人:
でしょうねw
そうじゃなきゃ使わない。

赤松:
もちろんクラブの象徴的存在だし、宇佐美をここでスタメンで使うことによってチームの士気が上がるっていうのはあると思う。それは前提として。

青人:
そこはたしかにありますね。

赤松:
うん。ただ、直近のガンバを見てると、2トップを採用してて、パトリックとレアンドロ・ペレイラだったのよ。

青人:
長身外国人ストライカーを2枚並べてたのか、、

赤松:
そう、とにかくロングボール攻勢だった。
それはそれで彼らの強みが発揮されて良いんだけど、、

青人:
だけど、、?

赤松:
まあちょっとね、それ一辺倒になっちゃうし、あとアラーノと食野の負担が増えていたのかなと。パトリックとレアンドロ・ペレイラはあまり動いてボールを引き出すタイプじゃないし。

青人:
どちらかと言うとどっしり構えますよね。

赤松:
少なくとも、降りてアラーノや食野と絡みながら攻撃を組み立てるようなことはしない。

青人:
そこで宇佐美ですか!

赤松:
そう!1トップにレアンドロ・ペレイラを置いてどっしり構えさせる。そして宇佐美が自由に動いてボールを引き出す。まあ「宇佐美システム」みたいなもんだ。

青人:
なるほど。

赤松:
結果的にだけど、柏戦は、宇佐美のとこで時間が作れたことでガンバのボール保持時間は増えたし、わりと相手を押し込む構図も作れるようになった。アラーノや食野との関係性も良好で、3人がポジションを入れ替えたりしながらボールを運べていた。

青人:
たった1人入るだけでそんなに変わるんですね!

赤松:
まあこういう稀有な選手の良さを前面に押し出すのもひとつの戦術だよね!

青人:
たしかに。でも点が取れなかったと、、

赤松:
そう、だから次のマリノス戦は、結果が求められる。相当血走った目で向かってくると思うよ。

青人:
勝たなきゃいけないわけですからね。怖い、、



【試合展開の予想】


青人:
ガンバが血走った目で向かってきたとして、どんな試合になりますかね?

赤松:
なんだその雑なフリはw

青人:
すみませんw

赤松:
ガンバの視点で考えてみようか。
まず、この試合で必ずぶつかる壁がある。絶対にやらなくちゃいけないこと。

青人:
うーん、なんだろう、、?

赤松:
この試合でガンバが目指すことは?

青人:
結果ですよね。勝つこと。

赤松:
てことは何が必要?

青人:
点を取る!

赤松:
そう!どんなにうまく守ってリーグ最多得点チームの攻撃を押さえようが、点を取らなきゃ話にならない。彼らはこの試合に勝って順位を上げなければならないのだから。

青人:
なるほど、、

赤松:
だから、どこかで点を取るためのゲームプランを構築してくるはず。時間をある程度限定しつつね。
例えば前半30分以降なのか、後半立ち上がり15分なのか。

青人:
そこで一気に攻勢をかけてくるわけですね。

赤松:
監督もメンバーも違えど、昨季11月の日産スタジアムの試合はまさにそれだった。守って守って、後半立ち上がりにグッと前に出て点を取ってまた守る。

青人:
そんな感じでしたっけ。

赤松:
うん。だからまず、ガンバのゲームプランは注目すべきポイントだね。どこで点を取りにくるか。この点、ガンバのスタメンを見ればある程度わかるかなと思ってる。

青人:
メンバーですか。たしかにさっきも言ってましたもんね!やりたいことは選手起用に現れるって!

赤松:
例えば宇佐美やファンアラーノをベンチに置いて、福田や鈴木武蔵をスタメンに据えてきたとする。
そしたらガンバが点を取りにくるのは後半20分以降で、選手交代を皮切りにスイッチを入れてくるかなと。

青人:
じゃあ前半は?

赤松:
守る。ボールを奪ってもあまり人数をかけてこない。

青人:
なんかありそうですね、そのゲームプランw
想像がつく。

赤松:
あと左サイドバックの黒川が攻撃参加してくるかどうかもポイントだね。

青人:
黒川、、どんな選手ですか?

赤松:
縦突破できる攻撃型のサイドバックだよ。ガンバがボールを持つとき、彼が前に行くのか、それとも攻め上がりを自重するのか。

青人:
なるほど!攻撃を持ち味とする選手が前に出ていかないとなると、それは守備的なプランってことですね!

赤松:
そういうこと。

青人:
だいぶ理解しました。

赤松:
だけど、このプランは少し大変で。交代選手は元気でも最初から出ている選手の疲労があるから、威力があまり出なかったりする。特にマリノス相手だと押し込まれる時間がどうしても長くなる中で、体力もメンタル面もいつも以上に疲弊しているだろうから。

青人:
たしかに。じゃあやってこないかもしれないのか、、
じゃあ結局パイセンはどのタイミングで出てくると思いますか?ガンバが。

赤松:
前半立ち上がり15分かなぁ。
優勝間近でマリノスが浮き足立って試合に入りきれないところを突いてやろうって狙ってくるのはある意味定石だしね。

青人:
あーそれもありそう。

赤松:
あと、まだ体力に余裕がある時間帯で繰り出す攻撃の方が当然成功率は高いし。確実に点を取りたいならそういうプランもありだよね。

青人:
うんうん。逆にマリノス的にはどうしましょうかね?

赤松:
いつも通りだよ。しっかりボールを保持してガンバを押し込んでいく。この試合のポイントは「密集」かなと。

青人:
密集ですか。それはガンバのゾーン守備を念頭において?

赤松:
もちろん。神戸や柏がやっていたけど、ガンバのサイドハーフ周辺であえて密集を作ることで、ズレを作り出す。そこから先手を取りつつチャンスにつなげるっていうのをやってて、これはマリノスもやれそうだなと思った。というか、、

青人:
というか、、?

赤松:
マリノスが一番得意なやつw
局所的な密集からの突破ね。

青人:
たしかに。

赤松:
渡辺皓太が輝きそうだね!この試合は彼に注目だよ!

青人:
おー!なべこですか!

赤松:
名古屋戦でもマテウスの周りにあえて寄ることで、プレスのズレを作ってたんだけど、ああいうのをこの試合でもやってほしい。

青人:
なべこならできる!

赤松:
優勝の懸かったこの大舞台で輝いてほしいね!

青人:
なんか、ついにこの時がきた!って感じしますね。

赤松:
そうだね!歓喜の輪をみんなで!
たどり着こうぜ最高の場所へ!

青人:
おおー!!




To Be Continued・・・


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