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弱き者こそ強いのだ!パブリック図書館の奇跡

くどくてスマン!今日で3回続けての図書館ネタだ。実は週末に今ロード中の「パブリック 図書館の奇跡」という映画を観てきたからなんだ。新聞の映画評欄で見つけて、思った。なぜ1年遅れでまた図書館ネタの映画が?しかし評価は中々高いぞ!しかもエミリオ・エステべスが主演でしかも監督じゃん!というので行って参りました。

 
今回のはドキュメンタリーではなくフィクション。エミリオ・エステベスが10年以上温めていたアイデアを実現した作品だそうだ。彼は著名な映画一族の出でもあり、自分が学生の頃、YAスター(ヤングアイドルの略)と呼ばれる一群のスター俳優だった。背が低く、2枚目ではないが、真っ直ぐで誠実などこか憎めない青年役が多かった。多分それが本人の地なのだろう。アウトサイダー、セントエルモズ・ファイヤー、マイティ・ダック等々。どれも思い出深い作品だ。ほぼ同年齢の彼がどんな映画を作ったのか非常に興味深かった。

 
映画は完全なるソーシャル・ムービーだ。アメリカ資本主義が生み出した社会的弱者の現状を問題提起し、真正面から捉えた内容。マイナス30度にもなる冬のシンシナチ。図書館で暖を取り、トイレを風呂代わりに使うホームレスたち。しかし夕方5時の閉館とともに寒中放り出され、毎夜仲間がストリートで凍死してゆく。そして寒波がピークに達した日、彼らは一斉蜂起する。閉館時間になっても図書館に立て籠り、警備員が来ようが警察が来ようが怯まない。人間としての生きる権利、尊厳を主張し連帯する。そしてそのリーダー役となったのが図書館員の主人公エミリオ・エステベス。自分の首を賭けて警察、検察、行政といった国家権力に対峙する。ストーリー途中でわかったことなのだが、実は彼自身も数年にわたるホームレス経験があったのだ。

 
そう、彼がもしミドルクラスの普通の生活者であったなら自己犠牲を払ってまでホームレスを守る役回りは選ばなかっただろう。自身にホームレス経験があったからこそ弱者の気怒り、悲しみ、憎しみに添うことができたのだ。社会課題の解決者は何らかの形で自身がその課題と密接に繋がっていると強いと思う。弱みが強みに転化されるから。そこが今回の学びとなった。そして真の平和とは単に戦争が起きていないということではなく、あらゆる人々に目が配られている世界だということも。マザー・テレサの教えと同じだ。

 
しかし流石に図書館ネタはもうこれで終わり!

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