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写真展 非平和展(平和学的SDGs)

川崎の武蔵小杉で行われていた写真展「非平和展 平和学的SDGs」を見てきた。キッカケは前々回ROCKY通信で書いたカメラマンの川畑嘉文さん。取材時にフライヤーを頂いていた。集合展ではあったが多分川畑さんが仕切られた個展だったのだと思う。彼の目筋で選ばれた作品群と彼の仕事自体に驚いた。とても好人物という第一印象の彼は、実はバリバリの前線社会派カメラマンだったのだ。命を賭して現場に赴き、真実を写真で語るジャーナリスト。実は今週末は忙しくて最後まで行けない言い訳を探していたのだが、行ってみて本当によかったと思う。

 今回の企画は平和学という文脈で整理したSDGsの社会課題。ともすればフワッとしてしまうSDGsの概念が写真というメディアを通じて輪郭を持って迫ってくる内容だった。そういう意味でより具体的に理解を深めることが出来たし、世界で起きている非平和な出来事を「対岸の火事」として傍観しているわけにはゆかないと、切迫度を持って感じさせられた個展だった。

 

平和学は、人間が作り出した非平和の原因を暴力に置き、その暴力は肉体的或いは精神的暴力のみならず貧困や差別そして自然環境破壊まで拡げ、どう平和に転換してゆけるかを考えるもの。初めて知った概念だった。一通り見終わっての感想は、やはりその転換の可能性は教育にあるというものだ。普遍的な良心に根ざした知性の鍛錬。言うのは簡単だが時間もお金もかかる。社起大はそういう場でありたい。

 

今回取り上げられていた諸暴力は資本主義という暴力、全体主義という暴力、そして文化という暴力(これには驚いた!)、そして手前勝手な解釈の正義という名の暴力等に収斂されると思った。しかし写真というメディアは説得力がある。動画とは異なる静止のチカラ。

 

あと個人的に感じたのは、人間による暴力への対応策はモノによる物理的救済以上に、人間の尊厳に対する「他者の愛」も必要だというもの。そして間違いなく言えることが1つある。SDGsや平和学で提起されている殆どの社会的課題は人間が生み出したものだ。ということは、その気になれば人間の手で解決できるはずだ。社会起業家とはそれを解決する役割を持った新しい生き方だ。会場を後にして、心の奥底から自問の声が聞こえてきた。「それでお前は何をするのか?」と。

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