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40歳・社長の自分から、30歳・全力フリーランスの自分へ。

とりあえずmixi日記さらしておこうか

※ごめんなさい実用性のある話を読みたい人は2段落目からがおすすめです

拝啓 30歳くらいの森田くんへ。くん?さん?
どっちも気持ち悪いな。まあ、いいや、お前さんへ。
10年後……つまり、2019年3月のお前さんですよ。

さっき確認のために10年前のmixi日記を見てみたんだけど、けっこう働いてるねえ。あ、そうそう、まだmixiは存在してるよ。あ、でも、もう招待制じゃないよ。こういうときにしか見ない感じになったなあ。しかし、SNSの更新頻度はこの頃から高いな。この自意識お化けめ。軽くさらしとこうか(笑)。

今? そうだな、まあ、なんだかんだでTwitterなのかな。世間では他にもいろいろ流行ってるけど、なんだかんだでTwitterに落ち着いてる感はある。あくまでも個人的な好みと見解だけどね。そっちの時間軸だと、そろそろどっぷりハマりはじめる頃じゃないかな。そんで、いろいろな人に出会うことになるよ。まあ、今回はその辺の話、少しはしょろう。長くなるし。

うーん。でも、そういえば、この時期って、忙しい「ふり」も一生懸命してたよね。無理矢理「売れてる感」だそうと必死だった。でも、それは見栄と言うよりは、なんだろうな。心が折れないように必死だったんだよね。日記読んで思い出したわ。許す。

今回こうして筆を執ったのは、こっちの時間軸で、お前さん=僕がちょっとした節目を迎えようとしてるからだったりするんだけど、とりあえず、ざっくり言うと、麻布の仕事場はお前さんが32歳のときに引き払うことになるのね。で、神楽坂の方で町工場を借りることになるわけよ。で、そこでお前さんは社長になるんだわ。それがだいたい2012年の春ってわけ。

ん?10年後からの手紙なのに、なんで2012年の話をしてるんだ?ってか。まあ、そう急ぐなよ。最後まで話を聞かないクセ、直した方がいいぞ。いや、その、中途半端な頭の回転速度のせいで、ほんと、苦労するからさ。

んで、2019年の3月ですよ。現状最新の未来。平成最後の春ですよ。あ、わからないよね? 平成は31年の4月いっぱいで終了予定なんだよ。「予定」の意味がわからない? まあ、そうだよね。でも、今回のこの手紙のテーマは、こういう「10年の時差の面白さ」を描くことじゃないし、ただでさえ1000文字以上そういうニュアンスを楽しんじゃってるから、とりあえずこの話はおわり!答えはあと10年待っておきなよ。

とにかくだ。平成最後の春、お前さんは過去最高益をたたき出す。その勢いで会社をまた移転するのよ。んで、さらには来週あたりから求人広告も出すんだわ。だから、ある金曜日の夜、いろいろなことを振り返ったりして、こんな怪文章をしたためることになるわけ。


ひとりでは
仕事がさばけなくなる日が
やってくるわけだ


話がだいぶ横道に反れたけど、ここからが本題。そもそも、なんで会社組織に全く適性がなくて逃亡したあげくにいやいや独立したお前さんが会社なんかつくったんだろうね。

それはもう「流れ」だったとしか言いようがないんだけど、少し、順を追って整理していこうかな。まずね、2010年頃かな?そうそう、そっちで言うと「来年」ね。だんだん「ふり」ではなく忙しくなっていくの。そうねえ、年商で言うと倍々ゲームが数年続くよ。まあ、元が低すぎたんだけどさ。

そっちのお前さんは「あと3倍は仕事入れられます!」とか息巻いてると思うけど、すぐに無理になるから。そこだけは安心していいと思うよ。で、むちゃくちゃなスケジュールを自分で組んで、自分でつぶれかけるよ。うん、マジマジ。

午前中に埼玉の加須で打ち合わせして、午後イチで神奈川の由比ヶ浜でロケ立ち会いとか。あとは朝の4時までD通テックで仕事して帰宅して30分横になったらそのままゾンビみたいに起き上がって室蘭へ出張行ったりとか。

で、気がつくんだよ。「これは無理だ!」って。で、ひとりぼっちの仕事場で少し考えてから、こう叫ぶんだ。

「分身の術!……って無理か!!」

で、はじめて「人を雇う」という選択肢を意識し出す。それが全てのはじまりというか、ターニングポイントになっていくわけだ。


フリーランスを続けるか?
法人化して組織をつくるか?
を分けるモノ


たぶんね、そういうタイミングで「いいスタッフに巡り会えるかどうか」が、フリーランスのまま進むか、法人化して組織をつくるかを分けていくように思うんだ。で、お前さんはどっちだったかというと、これがもうね、前者なんだわ。すごくいいスタッフと出会うことになるよ。で、感動するんだよ。「自分がやらなくても進む仕事がある」ってことに。

最初は学生インターンという名目なんだけど、徐々に欠かせない状態になって、ちゃんとバイト代払うようになる。それでも最初は「ウチに就職できるとは思わないでくれ」とか弱気なことを言うんだけど、最終的にはお前さんから「すみません、卒業後もウチで働いてくれませんか?」って言うことになるから、まあ、覚悟しておくといい。ずっと頭が上がらない感じだし。

因みにそいつは後に日本を代表するデザイン会社に転職することになるけど、そのときは、笑顔で送り出してやるんだよ。


経験を積んだフリーランスが
人ひとりを雇うと、
そこに出現するのは
キャリアゼロのポンコツ管理職だ


でも、いいことばかりじゃないぜ。最初はとにかく苦労するよ。特に精神的にクる。なにがしんどかったかって、ひとりでさ、極限の作業効率と最少のマネジメントコストで仕事こなしてきて、ようやっとそれのプロフェッショナルになりかけた矢先に、人を雇うわけじゃない。そうすると、経験豊富なフリーランスが一瞬でポンコツ管理職になるんだよ。

まあ、これが上手に裁けないの。いつも帰り際に希望に満ちた顔で「明日はなにしましょうか?」って聞かれるのがしんどかったよね。

やることがないわけじゃないんだけど、それを明確にスケジュールに落とし込んで、進行を読みながら指示を出す。なんて芸当が最初からできるわけない。だって、全部、自分ひとりの脳内で完結させてたんだもん。だから、最初はすごく手間取るよ。でも、そのうち、そこそこ慣れてはいくからがんばりな。でも、10年経っても日々いろいろあるし、なんだったら、今、お前さんは社員たちに監視されてるからね(笑)。

「こいつ、なんかやらかすんじゃないか?」とか、「傘忘れないよな?」とか。ここまで社員たちが考えて動いてくれるようになるんだから、それはそれで幸せなんだけどな。


「聖域」を踏み越えられるかどうかも
重要なことだったよね


それから、30歳・全力で突っ走るフリーランスのお前さんにとっての喜びと言えば、やっぱり、ポートフォリオやウェブサイトの実績ページが充実していくことだったよね。でも、ちょっと想像してごらん? そこに自分以外の人間の仕事が追加されていく感覚をさ。

な? 今、ちょっと「それは嫌かも」って思っただろ。「嫌」というか、「想像ができない」というか、「漠然とした違和感」があると思うんだよね。

それってたぶん、多くのフリーランス、多くの職業クリエイターにとって、そこが「聖域」だからだと思うんだよね。さっき、「いいスタッフに巡り会えるかどうか」で、フリーランスの行く末が変わるみたいなこと書いたけど、これも1つのポイントになるんじゃないかな。

「聖域」たるポートフォリに、自分ではなく、
スタッフの実績が載ることを受け入れられるか?

お前さんの場合、正直、最初は躊躇があったんだ。そんなに頭やわらなくないし。でも、一方で、スタッフをやたらとかわいがるというか、やたらと大人ぶろうとしてたんだろうね。だから、躊躇する自分はいったん押しのけて、ウェブサイトにスタッフの実績を掲載した。

そしたらさ、これが、思いのほか感動しちゃったんだよね。それで、徐々にわかるようになるよ。

フリーランスはいい実績を増やすことが大事。
でも、うっかり経営者になったら、
いい実績を増やせる人を増やすことが大事になる。

ってね。この2つの違いは、たぶん、10年前の全力フリーランスのお前さんに言ってもあんまりピンとこないだろうけどさ、今、Rockakuには、お前さんにだけじゃなくて、社員全員それぞれにきちんとお得意さまがいて、指名で案件がはじまることだって少なくないんだぜ?

独立して2年くらいかな。ようやく、かかる声が増えはじめたお前さんなら、この価値はよくわかるだろ? 


手紙っていうていだけど、
いったんまとめるわ


さてさて、10年の時を超えて、いろいろとっちらかった手紙を書いちゃったけどさ、そろそろいったんまとめてみることにしようかな。え?フォロアー受け? なに言ってるんだかよくわからないな。

(1)ひとりで仕事がさばけなくなるときがひとつの分岐点になる
(2)そのとき、どんなスタッフに出会えるか?が 超重要!
(3)経験を積んだフリーランスも、人を雇えばポンコツ管理職でしかない
(4)スタッフの実績を、自分の実績と同じように喜べるか?も大事!!

今にして思うけど、お前さんも、僕も、本当に運がいいと思うよ。それは自信持っていい。でも、時々思うよね。

あのとき、法人化する道を選んでなかったら。ひとりでフリーランスを続けていたら……今、どんな40歳になっているんだろうか。

別にそれが悪い未来だとは思わないけど、もしかしたら、もっと自由に飛び回っているのかも知れないけど……まあ、「もしも」の話はするだけ野暮だし、それに、この10年後はけっこう気に入ってるんだ。

そんなわけで、10年後も、そんなに悪い感じじゃないことだけは保証するよ。あとはねえ、新しい事務所は山手線の某駅から徒歩圏だし、なぜか屋上付きの小さなビル1棟まるごとを借りることになるので、そこらへんもお楽しみに。んじゃあ、ムスメが泣いてるから寝かしつけに行くわ。

え? ムスメの話? それは、また今度書くよ。というか、だいぶ前にnoteで書いてるからそっちよんどいてくれや。

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