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徒花 covered by 一猫

以前、noteの「うたスト」という企画に参加し「徒花」という曲を作ったのですが


今回、一猫さんが徒花をカバーしてくださいました!

素晴らしい歌声でカバーしていただき、「徒花」の世界観ともすごくマッチしています。ぜひお聴きくださいね👇



「うたスト」の記事にも書きましたが、「徒花」の歌詞を書いた時のテーマは「テーマを明確にしないこと」でした。なぜなら曲を聴いてくれた方がそれをもとに小説を書くという企画だったので、曲の時点でストーリーがギチギチに固まっていては面白いものは作れないだろうと思ったからです。

ことばの持つ雰囲気や響き、あるいは文字で書いた時の見た目の印象などから共通項のあるものを選んで歌詞として成り立つように成形し、曲全体でひとつの世界観を表すことを意識して書きました。

その際にこだわったのが、主人公の性別を明言しないことで。「俺」や「あたし」といった一人称を避けるのはもちろんのこと、「口紅」や「髭」のように性を連想させる言葉も極力使わないようにこころがけました。

※余談ですがその結果として自分がどのようなワードに性を意識するのか俯瞰で知ることができて面白かったです。たとえば「タバコ」や「タトゥー」は女性的なイメージ。ところが「煙草」や「刺青」といった単語からは男性的な印象を受けます。「指輪」はどちらもという感じです。
 歌詞にある「カラ」「ウソ」「ユメ」「ココロ」といったカタカナの表記は、そういった言葉選びの延長上にアイデアとして出てきました。曲先で書いたので暗い曲調にマッチするよう寂漠とした世界観を作りたかったため、片仮名にすることで空虚な語感に仕上げたいというねらいもありました。小説を書く人は詞を聴くだけでなく文字としてもしっかり読みこむはずだと思ったからです。


実際、「徒花」をもとに応募してくださった小説の主人公の性別は半々くらいにハッキリ分かれました(記事の終わりにて紹介していますのでぜひご覧ください)。男性の物語として書いてくださった方もいれば、女性が主人公の作品もあって。僕としては意図したとおりの結果になったのでとても嬉しく思ったことを今でもよく覚えています。


一猫さんに歌っていただいたテイクを聴くと、徒花の主人公がどんなひとなのかうっすらと見えてくるような、そんな印象を持ちました。

今回はリモートでのやりとりだったのでボーカルRECには特に立ち会っていませんが、歌データを頂いて初めて聴いた時、「徒花」という曲の世界観を真芯で捉えて司っているような印象を持ち感動しました。

逆輸入感とでも言いましょうか。偉そうな言い方で恐縮ですが、徒花という曲に歌わされるのでなく、しっかりとご自身の体に沁み込ませて自分のものにしたうえで歌ってくださったことが強く伝わってくる、そんなテイクでした。


改めて引用。

曲としてバッチリ成立している素晴らしいカバーだと思います。素敵な歌声をぜひ多くの方に聴いていただけますように!





「徒花」をもとに作品を書いてくださった方々


■おはようよねちゃんさん


■KOMAさん


■cofumiさん


■望月みやさん


■友音さん


■大橋ちよさん


虹倉きりさん

虹倉さんは歌詞の朗読もしてくださいました!


■ぱんだごろごろさん



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