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「記事から曲」4曲目 Marmaladeさん「潮騒」


「記事から曲」4曲目はMarmaladeさん「カモメの声で目覚める朝は」とコラボして作った「潮騒」という曲です。


▼Marmaladeさんの記事はこちら


海をテーマに書かれた詩と、その解説からなる素敵な記事です。



制作の背景


Marmaladeさんの記事の中で僕が特に焦点を当てようと思ったのは、解説に書かれている次の一節でした。


この街の海が好きです。 ビーチに人々は集って それぞれの夏を楽しんでいます。
この自由な感じがとてもいい
海に行ったらこうしなくちゃ! っていうのがないんです。



それぞれの想い

それぞれの海

自由であること


そんな雰囲気を、潮風香るギターインストで表現できれば。
というところからのスタートでした。




「文字」から「音」への変換


僕は「記事から曲」などで言葉を音楽に変換する際、キーワードから連想するのは特定の音ではなく音楽ジャンルであることが多いです。

特定の音を足場にしてしまうと、それは自分にとっては言葉を端的に言い換えた音かもしれなくても、他人にとっては(=そういう風に感じない人にとっては)意味不明です。


一方、音楽ジャンルであれば、より多くの人に共通のイメージでもって語ることができる。

大人な雰囲気だったらジャズだとか、元気な様子だったらアップテンポなロックだとか。


そのイメージが合っているとか間違っているということでなく、そのほうが伝わりやすいのであればそっちのほうが重要だと思っていて。

そんなわけで、取っ掛かりはジャンルから始めることが多いです。



紆余曲折


今回は「自由」というキーワードからブルースをイメージしていました。

まあ、音楽はジャンルにかかわらずそもそも自由なものだと言われたら、それまでなのですが。。。


のんびり気ままに、ちょっと気だるく、ブルージィな曲を書こうと考えていたわけです。



この辺が難しいところなのですが、ブルージィとブルースは得てして異なるものです。

ブルースはブルージィですが、ブルージィな曲は必ずしもブルースである必要はないんです。

むしろコテコテのブルースだと、意図しない方向性に発散することがあります。


今回はその典型でした。



最初に作ったデモを聴くと確かにブルージィではあるのですが、なんというかブルージィが過ぎる。汗臭い。海辺のさわやかな風なんか吹いてなくて、農場の湿った空気を感じた。それはそれで爽やかかもしれませんが海辺の爽快感とはまた違ったたぐいのものです。


ちなみにその時点で出来ていたアイデアがこちら。


デモというかただのコード弾きですが。。。


ところどころ爽やかにしようとして頑張っているけど、どうもブルースに寄りすぎてしまうので、残念ながらボツ!




足りないもの


手前味噌ですが上記のコード弾きだって決して悪くはないんです。

ただ、海じゃないというだけ。


海にあって、さっきのデモに足りない要素ってなんだ?と考えたときに、思い至ったのが「ゆらぎ」でした。揺らぎ。

それは波であったり風であったり蜃気楼であったり、ぼやっとふわふわしている態度(tide)であったり、いずれにしても、ゆらゆらと揺れている雰囲気が必要だと思って。



そこで、ゆらゆらさせてみました。

セカンドデモがこちらです。


ただ揺れているだけではメリハリがないので後半は強めに出しましたが、イントロで雰囲気が作れたと思うので、このデモをベースに作りこむことにしました。




完成


完成した音源がこちら。

リードパートを録音する際に、Marmaladeさんの記事にある、それぞれに海をたのしんでいるという要素も盛り込みたく、レコーディングではたくさんのギターを使うことにしました。


使ったギターはエレキとアコギ合わせて全部で5本。トラック数(=パート数)は18トラック。

ケンカしないようにまとめるのが大変だぞーと焦っていましたが、うちの子たちはみんないい子なので仲良く共存してくれました。へへっ


カヴァー画像に移しているのは今回レコーディングで使ったエフェクターです。くまさんがサーフィンしてるんです。かわいいでしょ。色も名前も「海」という舞台にぴったりだと思って使いました。

・・・というのは半分くらい嘘で、もちろん音がいいからというのが使用した主な理由です(機材のレビューについては「潮騒」の解説記事部分で紹介しています)。


突き抜けるような爽やかさはないけど、一日を頑張った終わりの夕陽みたいなイメージで、ほっと一息つきたいときに寄り添える曲になっていたら嬉しく思います。


Marmaladeさん、素敵なコラボの機会をいただきありがとうございました!



ジユンペイ


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