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洗濯日和
道に面した場所に広い庭があり洗濯物が干してあった。全身にまぶしい光をあびながら、シャツがパンツが靴下が。こんなよい天気の日には全部まとめて干したくなるものだ。ただ従順に干されているだけではなかった。風が吹くと踊り出したのだ。シーツが、たこが、マンボウが、鳩が、宇宙人が、さわやかな風を受けて一斉に踊り出した。
あまりに愉快な様子に引き込まれるように、君も庭の中に入って干されるものたちに交じって踊り始めた。こんな風の心地よい日には、誰だって踊りたくなるものだ。自由の身でありながら君のステップは、干されるものたちの優雅でしなやかなそよぎには少し劣って見えた。一段と強い風が吹くとマンボウは雲をつかもうとするかのように華麗にそよいだ。心酔の内に君はより深く庭の中に引き込まれていった。
「いらっしゃいませ!」
甘い香りを漂わせながら庭の奥からたこ焼き屋が顔を見せた。
風に身を
任せたタコの
生き様を
高くみとめた
地上生命
折句「かまいたち」
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