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ロボモフ
2019年9月30日 19:23
僕らは翼を持った新しい豚だ。狸が扮装し木の葉を使い人の間で商売する間に、僕らは知恵を蓄えた。犬や猫が人の温もりに恋して家具の間を行き来する間に、僕らは夢と想像を膨らませた。檻に捕らわれ縄に捕らわれた時代を抜け出して、僕らは上を向き羽ばたく豚へと変化した。人間からかけ離れたものでもない。人間に近づきすぎたものでもない。気がついた時には、僕らは他の動物とはどこか一風変わった奇妙な存在になっていたのか
2019年9月14日 10:33
「来週入ってきます」「えっ? 先週も確かそう言ってましたよね」 素麺ブームは衰える気配がなく、どこの店に行っても一本の麺も残っていない。僕は入荷の日を楽しみに一週間を過ごしていた。昨日から何も食べずに足を運んだというのに。「また来週お越しください」 食欲が一気に失せた。素麺以外の何を食べろというのか。記録的暑さが体力を日々奪っているというのに、今は素麺以外にまるで関心がない。「くそガキ
2019年9月8日 23:00
誰にも会いたくなかった。 俺は電灯の下で顔のない男と対していた。 お前は俺の影。俺の繰り出すジャブもストレートも、お前には届かない。お前は俺ほどにしなやかで、俺にも増して素早い。何よりも従順な練習パートナーとなるだろう。 俺が立つ限りお前は立ち、俺が倒れぬ限りお前も倒れないだろう。思えば俺の敵はお前だけなのかもしれないな。 さあ、こちらから行くぞ! 俺は強くなりたいんだ! 俺は探りの