ロボットコーガット
路傍工芸の妄想を文字にしたものを公開します。
私、路傍工芸の過去作を1週間おきくらいにアップします。間があくので作中のワンシーンもアップしたりします。
自作小説を製本したぞ! 中学生とかが作ってそうなクオリティで我ながら苦笑もの(笑)
FRENZ2016出展作品です。 歌手cloudmonitor氏の「アポロ13」というアルバムから「あじさい」という歌をお借りして映像をつけてみました。 cloudmonitor氏のサイトはこちらです http://cloudmonitor.com/
山深い土地の一族 その総領たる老人が死の床で最期に告白したのは・・・ FRENZ2015出展作品です。
長い文章ながら、読んでくださる方も何人かおられて光栄です。フラッシュじゃ作れないような長いネタはまだまだありますので、気が向いたらまた小説にしてみます。
しばらくフラッシュでは制作できない長いネタを小説という形で消化していましたが、FRENZの開催宣言に伴いまして、再び動画稼業に戻ろうと思います。
「荒川瑠心 様」から始まる手紙が荒川の下駄箱に入っていた。 達筆なペン字で書かれたその手紙には杉村の、ある馬鹿げた決意が書かれていた。 杉村は今日は体調不良かなにかで午後から帰っている。 その帰りぎわに下駄箱に入れていったに違いない。 メモフォンにメールを送ればいいのに、杉村は頑固に手書きにこだわる。 ああいうのが嫌いなのだ。 親世代が使っているスマホで躓いた杉村はその後継であるメモフォンももちろん使わない。 手紙の中身はこうだ。 どうしても対戦車マ
「いいかげんにしろ!できるわけないだろうが!」 「顧問は甘いんですよ!」 「出て行け!」 バン! 顧問が机を叩く音と、杉村がドアを激しく開ける音がかぶさる。 杉村が部室から歩きも荒く出て行く。 「先輩どうしたんですか!」 荒川は部室の外でそばみみをたてていた。 こういうときも空気を読まずに荒川は杉村にくっついていく。 杉村は無言だった。 荒川も無言でついていく。一緒に怒った顔をして。 階段の手前で杉村が止まる。 「的はこっちを攻撃してこない。」 杉村が
日本中が蜂の巣をつついたような騒ぎになった。 今回日本は160名の隊員を派遣したのだが、そのうち警護任務に就いていた20名中、9名が死亡してしまった。 重軽傷者は11名、つまり全員なんらかの怪我を負っている。 有志連合軍の補給部隊の車列に突っ込んできたゲリラの戦車部隊との戦闘での損害だった。 日本隊以外の有志連合軍の死者は25名、重軽傷者は60名、多数の車両、補給物資が破壊されたが、潰滅は逃れ、ゲリラ部隊に反撃に転じ、最終的にはかけつけた有志連合軍の航空部隊が全滅
杉村は煩悶していた。 自分はどこから来て、どこへ行くのか。 今年は大学受験に備えて人並みに対策をしなければならない。 もとより学業成績は上位で、国立上位の大学は狙える位置にある。 大学に入った、卒業した、さあ、それから俺はどうするんだ。 無反動砲を扱いたければ自衛隊に入るのが一番に思われるが、無反動砲を四六時中撃てる環境というわけでもないらしいことは調べて知っている。 対戦車部隊に配置されるかどうかさえわからない。 では無反動砲はあくまで趣味にとどめて
場所によっては癌も完治し、治らない癌も副作用の少ない抗ガン剤で楽に延命できる。火星の有人探査は来年帰還し、探査員のうちの一人は日本人飛行士で、天文ファンのみならず日本中がいまかいまかと待ちかまえている。 リニアカーは東京博多間を往復し、新幹線は新旭川、新釧路と鹿児島中央を結んで営業中。 しかしまだ世界から戦争、紛争の類はなくならない。 数十年前、杉村達の両親くらいの日本人が子供だった頃と比べると日本を取り巻く国際環境はがらりと変わり、日本も世界各地の紛争に小部隊
作者出張につき「対戦車の星」はしばらくお休みします。 来週半ばくらいから再会する予定です。悪しからず。
アフガンで米戦車が原理主義ゲリラによって数両破壊されたというニュースが流れた。 アフガンに展開する有志連合軍の主力である米軍は5万の大軍を派兵していたが、それは先日のゲリラ掃討戦のさなかでの出来事だった。 戦闘自体は有志連合軍の圧勝で、ゲリラ勢力はさらに追い詰められた格好となったのだが、米軍のシュワルツコフ改戦車に被害が出たことが世間の耳目を引いた。 「自爆覚悟のゲリラ兵士と訓練された対戦車兵がコンビネーションで強襲をすると、さしもの米軍戦車隊も防ぎきれなかったよう
「自衛隊じゃなきゃ対戦車マンじゃないっていうんですか!」 くってかかったのは荒川だった。 目の前の迷彩服の男、星村は先輩の腕前に嫉妬している。 荒川はその嫉妬の感情をいっぱいに吸い込んだ。 「荒川、黙ってろ。」 「だって、先輩!」 「そんなケチな了見じゃあないね。ハートだよ、ハート!」 星村は胸をどんと叩いてみせた。 「ま、荒川ちゃん、だっけ?そっちの可愛いお嬢ちゃんは思っているだろうな。私が杉村君の技量に妬いているって。 そうさ、それは本当。 8割方そうかもね
「先輩、駅までご一緒します!」 「荒川か。」 東川崎高校無反動砲部の1年生、荒川瑠心(るこ)は部活のない日は必ず杉村の後を追って駅までついていく。 大会が終わると一気に夏はかけ過ぎていく。 今年は特に早かった。 杉村への取材などが学校にひっきりなしにくるなどして、慌ただしさが全校を覆ったためだ。 しかしそういった喧噪も過ぎ去り、季節は秋になりつつあった。 日常は平穏を取り戻し、天は高く、空気は乾燥を伴うにつれ澄んでいく。 荒川はこの秋への季節の変わり目が好