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平和のとりでを築くために~「あゝひめゆりの塔」

今年も8月が終わってしまったが、
この国では8月は戦争のことを思い返す月なのだろう。
そういう時が年に一度あってもいいと思う。
ということで今回、意を決して観た映画は「あゝひめゆりの塔」。

この映画が公開されたのは1968年。ということは、当時からすると23年前の出来事を映画化したことになる。
23年前というと、今の我々からすれば阪神大震災や地下鉄サリン事件よりも最近のことだ。そう思うと、極めて同時代的なテーマという感覚だったに違いない。

当時はベトナム戦争が激化し、それに反発するように世界各国で反戦デモや暴動が起きていた時代。先の大戦の記憶どころか、まだその傷跡を抱えながら生きている人も少なくなかった時代だ。もしかしたらまた戦争が起こるのではという恐怖感は、現代と比べて想像を絶するくらいだったろう。
そのような意味で戦争中の悲惨さだけでなく、それをどう捉えていたかという当時の人々の心情までも、この映画には投影されているように感じた。

歴史の傾向としては、人類は第二次大戦を経て戦争を回避する意識が強くなってきている。しかし、イデオロギーの違い、資源の争奪、貧富の格差など、どんなきっかけて再び戦争が起きないとも限らない、そう思わされるニュースにも事欠かない状況にもある。
各国のエライ人たちは最悪の事態を避けるべく外交交渉を重ねてはいる(と思いたい)が、この映画のような戦争体験を一人でも多くの人が共有していくことで、抑止の力になるのではないかと、ふと考えるのである。

戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。(ユネスコ憲章)

今回は少しカタめの内容になってしまった。。

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