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クイック・ワン/ザ・フー A Quick One, While He's Away / The Who

T本君と渋谷で待ち合わせて公園通りにあるディスクユニオンに中古レコードを漁りに行った。
そこでザ・フーの「クイック・ワン」と「セル・アウト」を見つけた。
T本君にこれはどうかと尋ねると、聴いたことが無いという。
「たぶん再発盤じゃないかな」とのこと。
うん、定価1500円になってる。

「俺君、何かの本に書いてあったんだけど、ザ・フーのカッコよさは、
ある日突然分かるんだってさ」
「へえ」

安かったこともあって両方買うことにした。

その足でT本君のアパートに行き、聴いてみようということになった。
アメリカ盤の「マイ・ジェネレーション」と「マジック・バス」が入っている2枚組は持っていたので音は想像できた。
後の「トミー」や「四重人格」につながるような、ミニロックオペラと言っていいタイトル曲の「クイック・ワン」とネオ・アコースティックに繋がるような繊細な「セル・アウト」両方とも気に入った。
以前ピート・タウンゼントが「ザ・ジャムにはユーモアが足りない」と言っていたのを見たことがあったが、確かにザ・フーはユーモアだらけの音だった。

というかふざけすぎだろ。
曲間のジングルとか。
キースムーンとピートが大はしゃぎしながらレコーディングしている姿が目に浮かぶ。
それをジョン・エントウィッスルがジッと見てるとか。

T本君は上京した時には柿の木坂の会社の寮に住んでいたが、引っ越して目黒に住んでいた。
目黒駅を出て権の助坂を下りきった目黒川沿いのアパート。
あの有名な目黒エンペラーの道を挟んだ反対側だ。
アパートにはカラーボックスが積んであり、レコードが何千枚かあった。
T本君はハードコア・パンクの方向へ、俺はネオアコ・ニューウエーブの方向へ進み、その後音楽的に交わることはなかったが今でも彼の影響は大きいものがある。
彼は今でもミュージシャンなのだ。

2004年に横浜でROCK ODYSSEYというコンサートがありThe Whoが初来日した。

うおおおおおおおおおおおおっ!

ピートは赤のストラトで初っ端から腕をブンブン回してた。
ロジャーは・・・意外と小さいな。マイクコード持ってマイク回してた。
ドラムはザック・スターキーでキース・ムーンばりのタムめちゃめちゃ回すドラミングだった。
カッコよ。
リンゴの息子がThe Whoでドラム叩いてるなんて。
四重人格の「5:15」を生で聴けるなんて。
涙が出たよ。

B'z稲葉浩志さんのファンと思しきイケイケの麗しいお姉さま方に囲まれた席だったが真ん中でブっ騒いだのは俺です。
その節はどうもすみませんでした。



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