リズム・オブ・ザ・ヒート/ピーター・ガブリエル Rhythm Of The Heat / Peter Gabriel
ピーター・ガブリエル4が発売になった。
東京へ来てから急激にいろんなジャンルの音楽を聴くようになっていた中でも民族音楽的なアプローチのこのアルバムは特に印象が強かった。
例によって駅前のレコード屋で買う前に聴かせてもらった。
うおおおおおおおおおおおおっ!
なんだかすごい音量?音圧?音像?
なんていうの?
音の洪水?
でもそれがポップミュージックのフォーマットと見事に融合してちゃんと成立してる。
アフリカの「ドラムというよりは太鼓」の人たちの原始的なというか生きてる感じというのか逞しさというのか訳の分からん力強さ。
田舎から出てきたばかりの19歳は1曲目から圧倒された。
いわゆる自分のロックの概念からはかけ離れていたから。
アルバムジャケットがまずおかしい。
どこかの民族?
誰?
これピーター・ガブリエル?
違うよね。
いろいろ混乱している最中に、店のお兄さんが奥からサードアルバムも出してきた。
1曲目のドラムなんだ?この音。
へしゃげてるじゃん。
あーでもこっちはロックとして理解できるわ。
え?しかもポール・ウエラ―参加してるじゃん。
何だよ、言ってよ。
両方買います。
どちらも愛聴盤になり、その後続けざまにピーター・ガブリエルプロデュースのWOMADフェスティバルの2枚組民族音楽のアルバムとライブアルバムを買った。
ほんのちょっとだけ、ほんのちょっとだけ民族音楽が分かったような気がした。
でもF原さんをはじめ、まわりの人たちに聴かせてもあまり評判はよろしくなく、「ついに俺君が向こう側へ行ってしまった」と敬遠されるようになってしまった。
「あれはそのうちインドとか行っちゃうね」
「近寄らない方がいいね」
いやいや、ちゃんと聴いてみ?
すごいんだから。
日本人に一番欠けてるものなんだから。
何も無い平原の夜の静けさみたいなものと、都会の高層ビル群とが同居しているような感じ。
わかんないか。
そっか。
当時はMTV全盛で世の中はディスコとかルンルンとかカフェバーとか言ってたからまあしょうがないな。
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