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【書籍紹介】体内時計のふしぎ

こんにちは!
睡眠・覚醒相後退障害で悩んでいるるなです。

睡眠・覚醒相後退障害についてはこちらの記事をぜひ…

今回は、最近読んだ本について書きます。


体内時計のふしぎ

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この本を読んだきっかけ

「体内時計」とは、体が約24時間周期のリズムを刻むよう働きかける機能です。
よく聞く言葉ですが、恥ずかしながら私はつい最近まで迷信レベルのものという認識でした。
なぜなら、私は長年規則正しい生活をしようと思ってもどうしてもできなかった過去があるからです。
生活リズムを整えるために「朝日を浴びると良い」「朝食をしっかり食べると良い」等の情報は生きていて何度も触れることがありましたが、実践しても上手くいかないことばかりでした。

今思えばそれはリズム障害(=体内のリズムを外界のリズムと同調させる機能に問題がある)であるから当然なのですが。。

こちらの本は体内時計に関する研究をされている明石真先生の著作で、
研究者ながら一般向けに分かりやすく解説してくださっています。

こちらの本を知ったきっかけは失念してしまいましたが、どなたかが紹介されていて、体内時計初心者として読んでみたいと思った次第です。

気になった点・印象に残った点をいくつか紹介していきます。

体内時計がつくり出す強固な体内リズム

体内時計は体が約24時間周期のリズムを刻むよう働きかける機能であるのは前述の通りですが、
具体的には体温や血圧などをコントロールして朝が来たら体が動くように、夜が来たら体が休まるようにしている、という理解で問題ないかと思います。
そんな体内時計がつくり出す体内のリズム(=概日リズム)は非常に安定的で、急に大幅の修正をすることは困難であるとのことでした。
だから海外に行った際に時差ボケが起こるのだと納得しました。

体内時計に逆らうことによって増加する病気リスク

全3章で構成される当書のうち、第2章をまるまる使って、研究で判明した病気リスクの具体例が説明されていました。
どのようなものが挙げられていたか、実際の節の名前を引用させていただきます。

・【体内時計と睡眠障害】
・【体内時計と肥満・糖尿病】
・【体内時計とガン】
・【体内時計と循環器疾患】
・【体内時計と気分障害】
・【体内時計と認知症】
・【体内時計と生殖機能低下】
・【体内時計と老化】

体内時計のふしぎ

これほど多く、多岐にわたる疾患に体内時計が関与しているとのことでした。
各々のメカニズムも大変興味深く、ぜひ読んでほしいのですが、総じて体内リズムと生活リズムのずれにより生じる病気リスクについて警鐘を鳴らす内容となっていました。
かなり嚙み砕くと、「体は寝ているのに昼のように酷使すると多大な負担がかかるので良くない」ということでした。

体内時計に合った勤務時間の提案

シフト勤務についての問題が提起されていました。
多くの夜勤を含むシフト勤務の職場では、時差ボケの状態を短いスパンで繰り返していることになり、体に大きな負担がかかることは想像に難くありません。
またしても詳細はぜひ読んでほしいのですが、極力体への負担を少なくするためのスケジューリングの具体案が示されていました。
多くのシフト勤務の職場のきつさはよく耳にするので改善されてほしいのはもちろん、固定の勤務時間の職場についても改善の余地があるのではないかという個人的な思いもあり。。
話が逸れるのでこれはまた後日記事にしたいです。

体内時計診断の実用化に向けて

世の中には朝型が得意な人と夜型が得意な人が存在することが当書でも触れられていました。
(「リズム障害」の存在には言及がありませんでしたが、「夜型の中でも夜型」ということになると解釈しました)
それを実際に診断する方法の開発が行われているとのことでした。
診断が実用化されてほしいと切に願います(調べたところ、現在まだ実用化はされていない?詳しい方教えてください)。

昨今の朝型人間がもてはやされる世界では、夜型の人間にとっては困難の連続です。
体内リズムには個性があることや、自分に合った生活リズムに逆らうことの害が広く世間に知られてほしいですし、
若い世代には自分の体内リズムをなるべく早く知ってほしいと、苦労をした人間としては思うのです。

感想

私は今、睡眠外来の先生にお世話になっていることもあり、体内時計に詳しいのは医師の方ばかりと思っていました。
そのためピンポイントで体内時計を研究されている生物学者の方がいらっしゃることにまず驚きました(そんな方が一般向けに本を書いてくださるのありがたすぎる)。

私は恥ずかしながら昔から読書が苦手なのですが、当書は平易な言葉で説明されており大変分かりやすく、理解して読み進めることができました。

リズム障害関係なしに「体内時計」への理解のために読み始めましたが、朝型/夜型の話もあり存在が認められたようで心強かったです(著者の明石先生も夜型だそう!)。

病気リスクの話については、かなり不安になりました。
当書では体内リズムと生活リズムのずれについて、生活リズムが「不規則になる」または「夜型傾向になる」ことで生じるとしていましたが、
リズム障害患者(≒極度の夜型)が無理矢理朝型の生活をすることでも当然ずれが生じます。
実際に私自身、自分に合わないリズムで生活した際に消化不良を起こしたり、朝無理矢理起きたゆえに低体温・低血圧になったりした経験が何度もあります。
これまで自分にとってかなり無理のある、しかも不規則な生活をしてきたので、かなり体を痛めつけてきたのだな、と思いました…今後は極力労わっていきたい…

書籍紹介は以上です。
「体内時計のふしぎ」、かなり勉強になる一冊でした!

また書きます。

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