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『千夜一夜物語』を買いました!

こんにちは!

ディズニーシーについて書いた先日の記事の中で、『千夜一夜物語』(アラビアンナイト)の「アリババと40人の盗賊」に少し触れました。

書きながら、「そういえばアラビアンナイトってちゃんと読んだことないな、アラビア語版もあるのかな?」と気になってAmazonなどで検索。調べているうちに、底本としている写本や翻訳者によって色々なバージョンがあることが判明しました。

アラビアンナイトは複数バージョンある!

『千夜一夜物語』という名前ですが、オリジナルバージョンは1001夜分あるわけではないそうです。最初にヨーロッパに紹介されたときに「千一夜ならもっとあるはずだ!」となって様々なソースから話が追加されてきた経緯があり、その過程でいろいろなバージョンが生まれたようです。「アラジンと魔法のランプ」や「シンドバッドの冒険」など、アラビア語の原典になくいくつかのバージョンに収録されている話はorphan tales(孤児作品)と呼ばれています。

Wikipediaによれば、数あるバージョンのうち日本で手に入りそうなものは以下の通りです。

1. ガラン版

現存する最古の写本(ガラン写本)をもとに18世紀初頭にフランスのAntoine Gallandによって翻訳され、初めてヨーロッパにアラビアンナイトが紹介された時のバージョン。日本では岩波書店から『ガラン版 千一夜物語』として出ています。

2. カルカッタ第二版

19世紀前半にインドで印刷されたアラビア語刊本。複数の写本をもとに集められたバージョン。日本では平凡社東洋文庫から『アラビアン・ナイト』として出ています。

3. バートン版

19世紀後半にイギリスのSir Richard Burtonによって、カルカッタ第二版を底本として翻訳。他の写本による補足やバートンによる脚色を含んでいます。最も収録物語数が多く、世界的に一番ポピュラーなバージョン。日本では『バートン版 千夜一夜物語』としてちくま文庫から出ています。

4. マルドリュス版

既存の版をベースにフランスのJoseph-Charles Mardrusが大幅加筆したもの。バートン版よりもさらに官能性を強調した版になっているそうです。日本では『完訳 千一夜物語』として岩波文庫から出ていたようですがすでに絶版(Amazonでは手に入りそう)。筑摩書房からも出ていたようですが絶版してしまったようです。

以上4つのバージョンのうち、どれを読もうかAmazonを眺めながら迷ったわけですが、「脚色なしで原典になるべく近いものが読みたい!」と思い、岩波書店さんのガラン版に決めました。まずは全6巻のうち第1巻を注文、翌日に届きました!

追記:岩波書店さんの特設ページがありました!

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装丁が美しい!

黒字に金色の文字が映えていいですね。1巻ずつ箱に入っているようで、はやく6巻そろえて並べてみたいです。とりあえず、最初の枠物語(シャフリヤール王についての話)だけ読んでみました。後ろについている脚注も丁寧で、イスラーム文化についての理解も深まりそうです。全6巻は長い道のりですが、毎晩少しずつ読み進めていこうと思います。

あと、米国のAmazonにはアラビア語バージョンも売られているようで、5ドルくらいのKindle版を買うか50ドル近くのペーパーバックを買うか絶賛悩み中です!ですが、まずは日本語版を読み進めていきます。

今回は『千夜一夜物語』(アラビアンナイト)について書きました!

それでは!



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