不朽の便意戦記【noteクリエイター紹介~番外編(1)】
どうも、午前中に炭酸飲料を飲むと高確率でお腹を下すアルロンです。
不定期で実施している【noteクリエイター紹介】ですが、今回は番外編になります。
というのも、創作大賞2024の真っただ中ということで、
「せっかくならその応募作品の感想を書こう!」
と思ったからです。
あと、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、ベストレビュアー賞を狙ってみようと。ちょっとだけ、ね。
さぁ、さっそく参りましょう。
※番外編なので、二つ名はつけません。あしからず。
ライター 中村昌弘 さん
トイレまであと9分。便意 VS ベテラン腹痛もち。勝敗はいかに?
本記事は、中村さんが自身の便意との熾烈で壮絶な戦いを記録した、後世に残すべき偉大なる手記である。
まず、冒頭の書き方からして絶妙。冷静に状況を整理し、間に合うかどうかの判断と万が一漏らした場合の被害想定を迅速に行う。まさにベテラン腹痛もちの鑑といえよう。
さらに、最悪の場合を甘んじて受け止める覚悟もできている。ボクサーパンツと、スーツのズボンと、人としての尊厳を失うかもしれないというのに、これほどの懐の広さを見せつけるとは。
その手慣れた対応力は、もう慣れっこといわんばかりの大人の余裕が垣間見える。もっとも、余裕なんてなかったはずだけれど。
続いて、自宅に帰る前にコンビニのトイレに寄るかどうか(本人曰く『コンビニ脱糞』)の選択。これがまたベテランの貫禄を見せつける。
なるほど、コンビニは便利な反面、誰でも気軽に使用できるため、必ずしも常に空いているわけではないのだ。
確かに僕も経験がある。お腹がキュルキュルしてきたのでコンビニへ駆け込んだものの、先客がいたためかなりショックを受けたことがあった。我々は、ピンチのときこそ肛門括約筋よりもメンタルを心配すべきなのだ。
僕は、軽々しくコンビニ脱糞を選択しようとする腹痛素人だったのか。しかし、そんな腹痛素人の浅はかな思考をさりげなく窘めるところも、ベテラン特有の“厳しさの中にある優しさ”なのだろう。後進の育成にも余念がない。
そして、戦いはいよいよクライマックスを迎える。
彼の住まいはマンションということで、自宅へ向かう途中にはまだ多くの障害が残っている。
しかし、不幸なことに、普段は誰もいないはずのエレベーターホールに、2人もエレベーター待ちがいたのだ。
これはやばい。自宅の階に着くまでに最大2回止まる可能性があるというのは、かなりタイムロスになる。
それに、脱糞したらほぼ確実にバレるだろうし、しかもバレる相手が2人もいるのだ。1人の場合とはわけが違う。2倍だよ、2倍? 人数が2倍ならバレたショックも2倍なのだ。
絶体絶命のピンチ。しかし、コンビニ脱糞の選択ミスを悔やんでいる場合ではない。
諦めかけたそのとき、安西先生が顎をタプタプさせながら彼の脳内に語りかけてきたのだ。
すると、三井よろしく最後まで希望を捨てなかった彼は、わずか10秒足らずで妙案を思いつく。
天才である。多少の時間はかかるが、罪のない一般住民を巻き込まないような配慮がなされた最善の方法だろう。敵の攻撃を食い止めながら「おれのことはいいから先へ行け!」と叫ぶ隊長キャラを彷彿させる、ベテランの成せる業である。
最後は、新たに登場した住人に声をかけられ、エレベーター横の、ほとんど誰も利用していない外階段へ向かったところで、この話は幕を閉じている。
結局どうなったのかを明記せず、あえて読者の想像に委ねているところに、物書きとしての手腕が光っている。
加えて、記事全体の締めくくりには、
である。
巧すぎる。
僕は頭を抱えながら、それこそiPhoneの液晶が割れそうなくらい強く「スキ」を押した。
トイレを我慢する話は、多くの人が経験している(であろう)ことなので、想像と共感がしやすい。
その上、本人が必死になればなるほど、俯瞰で見ると滑稽に映りやすい。
それがここまで面白いものになっているのは、偏に中村さんの手腕によるものだと思います。同じストーリーでも、書く人によって面白さが変わりますからね。
そんなわけで、すでに多くの「スキ」がついている記事でしたが、レビューをせずにはいられないほど面白かったので書いてみました。
未読の方は、ぜひ読んでみてくださいね!
中村さん、素晴らしい記事をありがとうございました!
【余談】最近、同じような観点の記事を立て続けに読みました。きっとトイレの神様の思し召しなのでしょう。
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