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ハラスメントは「心の距離の測り間違い」

今やとどまることを知らないハラスメントの波。
その波に飲み込まれ、社会的地位をボトボト落とす人も少なくないだろう。
しかし、なにかにつけてハラスメントのご時世には、息苦しさも感じてしまうのが正直なところ。


先日、バイト先でこんなことがあった。
僕ら草刈班が休憩中、休憩室に事務のおばさn……ごほんごほん、お姉さんが入ってきた。名を仮にモリサカさんとする。モリサカさんは、休憩室にある物品のチェックみたいなことをしていた。
その様子を見ていた草刈班のタガミさん(仮名)(70代のおじいちゃん)が、モリサカさんに声をかけた。

「モリサカさん、痩せたんじゃない?」

モリサカさんが返す。

「いや~、そんなことないですよ~。むしろ太ったかも~」

タガミさんがさらに一言。

「そうか~? 前はもっといい尻してたんじゃないか?」


はい、アウトー。
(♪テデーン)タガミ、アウト―。

タガミさんは、ケツをしばかれこそしなかったが、他の草刈班のおじいちゃんズに「それはセクハラだよ!」とたしなめられていた。モリサカさんはというと、その様子を見てクスクスと笑っている。

僕はさらにその様子を見ていたわけだが、一つ気になった。
今のタガミさんの発言はセクハラだったかもしれないが、言われた本人は気にしていない様子。
では、なにがセクハラかそうでないかを決めるのだろうか。


ない頭で考えた結果、「本人との関係性」という結論にたどり着いた。

たとえば、親とかきょうだいとか配偶者とか彼ピッピとか、親しい間柄ではハラスメントになりにくい。不快ではあるだろうが、そこまでダメージはないはず。

今回のケースだと、モリサカさんとタガミさんとの関係性が、それなりに構築されていたからセクハラにならなかったのだと思う。まぁ、モリサカさん自体のメンタルの強さとかもあるんだろうけれど。

ほかには、憧れの相手、たとえば好きな芸能人なら、ある程度は受容できる気もする。僕は「結婚しないの?」と言われるのが嫌いだが、もしもそれを北川景子さんに言われたなら鼻の下を伸ばしてデレデレするに違いないと自負している。モリサカさんも同じように、「前はもっといい尻してたんじゃないか?」と言ったのが佐藤健や瀬戸康史や菅田将暉や福士蒼汰や吉沢亮や竹内涼真だったら、不快どころかありがとうございます的感動になったかもしれない。たとえがすべて平成ライダーなのは偶然だ。

逆に言えば、ハラスメントとは、関係性が築かれていない者同士の間に発生するのだと思う。関係性が築けていなければ、家族でもハラスメントになるだろう。
それに、上司のパワハラだって、クソ客のカスハラだって、お互いに歩み寄っている関係じゃないからハラスメントになるのではないか。片方、または両方が「自分の方が立場が上」だと勘違いしているから、相手の気持ちを慮ることのない言動になってしまうのではないか。


思うに、ハラスメントとは「心の距離の測り間違い」だ。後輩にタメ口を使われると基本的に嫌だが、仲良しの後輩なら許せる。これと同じことだと思う。
相手とどういう関係性かを日頃からよーく考え、それに見合う行動に努めていれば、ハラスメントは減るのではないだろうか。


この締めのタイミングで恐縮だが、最後に一つ。
北川景子さんは決して僕に「結婚しないの?」なんて言わないと思うので、そこだけ彼女の名誉のために申し添えておく。




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