DIYでピアノ防音室作り【プラン】【捨て貼りの床】~8畳和室を浮き床式防音室へ~
防音室作り2024開幕
DIYでピアノ防音室作りにチャレンジします。プロの業者にはお願いせずに、一人で全部作ります。防音室作りは3回目なのですが、今までの経験とノウハウを活かし、人生最後の防音室だと思って精一杯頑張りたいと思います。
リフォームプラン
今回の防音室作りのプランです。8畳の和室をピアノ防音室に改装します。建物は鉄筋コンクリートで造られた「RC造」の戸建てです。窓はすでに二重窓になっています。
部屋の中にボックス式の防音室を設置するのではなく、この部屋の形に合わせて、オリジナルの防音室を作ります。押し入れだった場所は防音室
に組み込まれ、ドアの開閉スペースと床の間は、防音室の前室(サウンドロック)になります。
グランドピアノを入れるのですが、ピアノとバイオリン、チェロ程度のアンサンブルができる広さを目指します。ピアノはバルコニー側から入れるので、掃き出し窓は「4重サッシ」になります。
浮床構造(概念)
今回作る防音室は浮き床式で、既存の部屋の中にもう一つ部屋を作り、その間に空気層がある構造になっています。下図の黒枠が既存の部屋、緑の枠が防音室。黄色い部分が浮き床構造です。
中の防音室は既存の部屋の天井にも壁にも接しておらず、浮床構造により部屋の中に浮いたような構造になっています。実際に浮くことは出来ないので、床に振動を遮断する構造を施して振動や音の伝播の縁を切ります。
建物がRC造の戸建てなので、マンションや木造家屋よりは条件が良いと言えます。
10層、厚さ約14センチの浮床構造(乾式)
浮き床の工法にはコンクリートを用いる「湿式」と、コンクリートを用いない「乾式」の2つがありますが、DIYでコンクリートを流し込む大掛かりな工事は難しいので、乾式の工法でやります。
床が水に浮いたような状態が、音を伝えない理想の構造ですが、実際にはほとんど不可能なので「高密度グラスウール」等の緩衝材を使い、基礎の床と、防音室の床の縁を切る構造を作ります。
いくつもの素材をミルフィーユ状に重ねていくのですが、今回は自分なりに考え、手持ちの材料も活用して下図の構造で作ることにしました。10層、厚さ約14センチです。
本当は20センチくらい積みたかったのですが、天井高の問題もあり、これが現実的でした。
ヤマハのアビテックスなど、市販の防音室と比べて、倍程度の床の厚さがあると思います。
思ったより大変な床工事…(写真入り)
さて、計画はこのくらいにして、実際の工事の様子を写真付きで紹介します。まずは畳を剥いだ状態です。
畳を撤去すると、合板の下地板(荒床)が出てきました。このまま防音室を乗せることも考えたのですが、ふわふわしている箇所もあるし、この下が一体どうなっているのか一抹の不安もあります。
床下が空洞なのも箱鳴りの原因になるし、この床は構造的に壁とつながっています。思い切って全部剥がしてやり直すことにしました。コンクリートスラブまで露出させて、やり直しです。
やることを箇条書きしました。
いったい床下がどうなっているのか、観察・把握
床下のゴミ取り清掃
床と壁の縁切り ←重要
根太の強化
根太の水平取り
床下にグラスウールを充填して空洞をなくす
合板で捨て貼り
気が遠くなる…。
一気にいきましょう。
押入れを解体
押し入れだった部分は、防音室の中に組み込まれますが、他の箇所と同じ高さ(レベル)にしなければいけないので、解体します。カビが生えていた箇所もあったので、根こそぎ撤去です。
コンクリートスラブが露出
合板を撤去するとコンクリートスラブが露出しました。根太は45センチ間隔でした。
床下からハイライト(たばこ)が出てきました。
購入してきた角材類です。
根太の水平とり
根太の下に材をかましたり、表面をかんながけしたりして、根太1本ずつていねいに水平を出していきます。
縁切り
壁と床の縁を切って行きます。隙間に96Kのグラスウールを充填してあります。防音室の振動を防音室だけで受け止めて、壁に振動を流しません。
グラスウール充填
根太を補強して、床下にグラスウールを充填していきます。床下が空洞じゃなくなることで太鼓現象(共鳴現象)を防ぎます。グラスウールなので、断熱材にもなるはずです。
合板で捨て貼り
合板を千鳥状に捨て貼りしていきます。
新品の材料なので気持ちがいいです。
壁と床は縁が切ってあります
いつまでも見ていたい捨て貼りの床
床はもうこれでいいんじゃないかと思いつつも、ここからようやく本格的な防音室作りのスタートです。
早々にも遮音シートが貼られ、次なる作業に突入です。
続く)
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