けやきホール マイクテスト結果報告~(デッカツリー、Spirit専用ステレオマイクアダプター)
SNSでも何度か投稿して反響いただいていたのですが、自作マイクアダプターのテストを兼ねた録音・撮影会を代々木上原のけやきホールにて開催しました。
複数の方より見学希望のご連絡をただいたのですが、今回は見学会は見送らせていただき、演奏者との作業に充てました。当日収録した演奏動画をいくつか公開しましたので、それをもって結果報告とさせてください。
自作デッカ・ツリーをホールでテスト
デッカ・ツリー(Decca Tree)という割と大きめのマイクセットで録音をしてみたいという個人的興味から、録音用のマイクアダプターを自作し、コンサートホールで録音できる機会をうかがっていました。
上空4メートルの高さに設置された、大きなT字型のバーとその端に配置された3つの無指向性マイク。マイクはLとRにAudio-TechnicaのAT4049、センターにAT4022を使いました。
せっかくのデッカ・ツリーですので、オーケストラや室内アンサンブルを録ってみたいものですが、今回はピアノソロです。
間隔を空けたAB方式(A-B WIDE, Spaced Omni)の録音はいつもやっているのですが、今回はセンターマイクが加わりますので、どんな音作りができるのか楽しみでした。
Aston Microphones「Spirit」専用ステレオマイクアダプター
もうひとつの自作アイテムが、Aston MicrophonesのSpirit専用ステレオマイクアダプターです。
マイクを1本を下から、もう1本を上から、同一線上に向かい合わせにセットするのですが、マイクの正面を90度ずらして固定しています。
2本のマイクの指向性切り替えスイッチの設定によって、【MS方式】【ブルームライン】【XY方式】の3種のステレオマイクテクニックが使えるスグレモノなのですが、今回はMS方式で使用しました。
大きくて無骨なルックスなので、お客さんのいるクラシックコンサートでステージに立てるのは気が引けますが、録音ではなかなか私好みの音がします。
さて、完成動画をご覧ください。
ドビュッシー: 12の練習曲より 第5曲"オクターブの為に" 山口静夏
背筋がゾクッとするような強烈な印象だったというのが正直な感想で、録音させてもらえてすごく刺激になりました。何度でもいつまでも聞いていたくなる演奏です。
キース・エマーソン: プレリュード・トゥ・ア・ホープ - 榎本玲奈
榎本さんの演奏は以前から録音してみたかったのですが、ついにチャンスが到来しました。映像(カメラワーク)も曲の雰囲気に合っていたと思います。
ヒナステラ: クレオール舞曲 第5番 - 榎本玲奈
フォーレ: ノクターン 第7番 嬰ハ短調 Op.74 - 沖 直子
INO hidefumi: Spartacus - Ryo Kimura
これは私です。サウンドチェックのときのセルフ録音。お粗末様です。
ユーリ・シュロフスキー: エレジー - 八木 良平
マイクセッティングは違うのですが、けやきホールつながりで、2024年2月15日の八木良平さんのリサイタルから1曲貼っておきますね。
おまけ(機材写真)
舞台裏の撮影基地です。録音と撮影を両方まとめてワンマンオペレートします。
リアルタイムでカメラを切り替えながら収録します。演奏者の方にはその場ですぐに映像(と録音)をプレイバックして観てもらうことができます。
手が届く高さに音響系の機材です。
その下に映像系の機材です。
カメラはパナソニックのLUMIX DMC-GH4が3台です。
今年のはじめに持ち出し用の「出張キット」を組んだのですが、使う機会が結構あって嬉しいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?