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怪奇数奇譚(其の玖)ーお月見日和ー
穏やかでよく晴れた夜の日、僕が望遠鏡を覗くと月が二つあった。
実際に見ると一つしかないはずなのに、望遠鏡の中では寄り添うように二つの黄色い月が並んでいた。
月にはちゃんとウサギもいて、杵と臼で餅をぺったんぺったんとついていた。
できあがった餅は、またうさぎがコロコロと手のひらで転がし一口ほどの餅を作った。
それを大きなお皿に乗せて、なんと月でお月見をしていた。
お互いの月を眺めながら、あちらこちらで宴会を開いている。
月に住むウサギもお月見がしたくて、月をもう一つ呼んだのかもしれない。
はい、お待ち!と月はどこからか時空を超えてやってきたのかもしれない。
僕は、色々とワクワクしながら考えてみたけれど、本当のことは月のウサギにでも聞かなきゃ分かりそうにない。
ああ、ミステリー。
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