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童話ーランドセルに夢を詰めるー

今日も僕は、ランドセルに夢を詰めて学校へ行く。
国語、算数、理科、社会。
体育に図工に家庭科に。
知らないものはお気に入りの鉛筆に託して、先生の書く文字や絵を真似してノートに夢を広げる。
授業中に僕は頭の中で夢を膨らませる。
学校は知らない夢をいくつも見せてくれる。

友だちが一人できた。
僕の隣の可愛い子。
友だちは僕の話を不思議そうに聞いて笑った。笑われた僕は少し腹立たしく感じたが、君が笑うのは許せる気がした。

「ランドセルに夢を詰めたら、入りきらなくなると思うよ。だって夢は大きくなるから。いつか破裂するかもね」
君は意地悪に言うもんだから、僕は対抗して君の話し方を面白おかしく真似してやった。そのうち話は逸れて、夢の話なんて頭からすっかり消えてしまった様だ。

結局、僕は君と同じだ。
きっと知る時まで知らずにいるのさ。

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