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日本酒検定対策 第9回「酒母造り」について
Ⅰ.酒母作りの目的
酒母は、酛(もと)とも呼ばれる。200ℓ程度のタンク内に蒸米、麹、水を投入し、酵母を培養した液体を指す。
酒母造りの主目的は、「アルコール発酵に必要な酵母を培養する」こと。
酵母は酸性に強いという特性を持つため、酒母造りはまず酒母用タンク内を酸性にすることから始まる。
酒母を酸性にするには、主に乳酸が用いられる。
Ⅱ.乳酸の取得方法
以下の2つがある。試験に出ます。
※現在市場に出回る約90%の日本酒が乳酸添加法(速醸系酒母)で製造されている。なお、この乳酸添加法は1910年(明治43年)に国立醸造試験場で開発された。
※生酛系酵母が開発される以前の酒母の製法として、菩提酛(←なぜか試験によく出ます、別名僧坊酒)があげられる。不要な微生物の繁殖を抑えるため最初に自然界の乳酸菌の働きにより酸性にした「そやし水」とよばれる仕込水を使用する。奈良県の菩提山正暦寺で作られたことに由来。室町時代の「御酒之日記」「多門院日記」に記載されている製法。
速醸酛は10日~2週間、高温糖化酛は1週間で完成。高温糖化酛は仕込水の温度を56℃前後にして、不要な微生物の淘汰と糖化を同時に行う。
乳酸菌育成法の工程で、乳酸菌が活性化する直前に発生する微生物は「硝酸還元菌」です。
Ⅲ.生酛と山廃元について
試験でよく問われます。両方とも自然界の乳酸菌を使用します。
山卸し(酛摺り)・・原料投入後に米の糖化を早めるため、酒母用の蒸米(酒母米)を摺り潰す作業。重労働であったため、山廃酛の開発につながる。
次回は「醪造り」を取り上げます。
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