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ニューヨークにいて、今起きている黒人差別問題に思うこと、今私たちがするべきこと。


皆さんもご存知の通り、ここ数日間、白人警察官による不当な黒人差別主義により、尊い命を失ってしまったGeorge Floydさんの事件。

その事件が起きってしまった日、その全貌をYouTube で見た私は、言葉を失った。同じ人間がすることではないことだった。あの映像は、あまりにも辛い映像で、心が苦しくなり、考えてしまって数日うまく寝れなかった。同じ人間として、フェアではない扱いすぎて、悲しかった。

しかし、なぜGeorge  Floydさんがあんなふうに取り押さえられたのかももちろん調べてみた。それは、デリと呼ばれるコンビニみたいなところで、差し出した20ドル札が、ニセ札だったから、それだけだ。アメリカではニセ札問題は、よくあることなので、10ドルでもニセ札かチェックされたりする。彼は、後から、違う20ドル札を車に取りに行き直し、支払い直したという。故意だったのか、知らずに差し出したのかわからないが、それだけというあまりにも不当な理由により、通報され、取り押さえられ、命を奪われてしまった。しかしアメリカは、黒人に対してこんなことがよくあるのだ。そのことが、今再び問題として浮き彫りとなり、皆が立ち向かっているのだ。

正直、私も手元に知らず知らずニセ札が来てしまっていたってことは、多々あり、でも、それだけで殺されてしまうなんてことは、まず、ない。だから、この事件に関しては、もちろん理解できない仕打ちだし、声を大にして、人類平等を叫びたい。

皆が抗議のデモをする中で、もはやprotests とは関係ない、白人至上主義による右翼の暴動も起こったりした。

デモに紛れ、SOHOのお店の窓ガラスたちが割られてたり、商品が盗まれたり、パトカーが燃やされたり、コロナのこともすっかり忘れ去られて、アメリカがどんどん壊されていっている。


昔からアメリカにある根強い差別問題があるので、私のようなニューヨークにきてまだ4年というただのアジア人が、そこに入ってあーだこーだ意見を言うのは、ちょっと違うように感じているのだが、もちろん移民としてアメリカで生活してる以上、差別という問題に関しては、絶対あってはいけないことなので、スルーするわけにはいかないし、反論したい。

でも反論の仕方について、移民として、日本人として、挙げるべき声と抑えるべき声をしっかり見極め、私はsensitiveに選んでいきたいと思っている。

だって、私たちには、理解したくても理解できない、ずっと昔からある深刻な黒人差別の問題が、事の真髄に深くあるのだから。

今多くの人が、この問題に反論すべくあらゆるソーシャルメディアから、「声」をあげている。

声にすることはもちろん大切だし、今きっとやれることの1つなのかもしれない。ただ、この流れに乗っかって、例えば、みんながシェアしているから、何も調べたりしていないのに、#blacklivesmatter というタグを黒い画面につけてシェアするだけとかは、無知すぎると思う。これもそのタグから得られる大切な情報が他の黒い画面たちに埋れてしまい、情報を必要としているひとに届かないと訴えている人がいるのだから。

まずは、全貌をきちんと知ること、理解することが大事だと思う。きちんと知らなくては、賛同したことにならない。

私は友達がシェアしてくれたこの映画「13TH」を観て、勉強した。日本語だと、「13thー憲法修正第13条ー」。Netflixが、今特別にYouTube でも無料で開放してくれていて、字幕の言語も選べるので、アメリカのNetflix でしか見れなかった方は、こちらから日本語で観れるので、ぜひ観て欲しい。


根深い差別問題の歴史を、ほんの一部かもしれないが勉強することができ、観てる間も言葉を失うほど、最悪な事実で、本当に心が苦しかった。

正直、むやみやたらにシェアすることにあまり賛同できていなかったのだが、大切なことをシェアして、友達や知り合いを、自分と同じように差別問題へ関心や理解を導くことが、今私ができる彼らへのサポートだし、私も差別問題には反対だ!と、意思表示しているものだと思っている。

アメリカなので、主張しないと繋がっていれないのは、もちろんわかっている。しかし、冷静になって、彼らのために何を共有するのが、正しいことなのか考え、行動にしていくべきだと思う。 それは、遺族のためにお金をdonateすることなのか、デモに参加することなのか、「黒人差別問題」とgoogle って歴史を理解してみることなのか。それは自由に選んでいい。

正しく、何をするか、だ。

私も、少しでも彼らを助けられるならと思い、お金の寄付もしてみた。これも調べるとわかるのだが、黒人差別により無罪なのに刑務所に入れられ、奴隷のように人生をそこで過ごさなくてはいけない黒人の人たちがたくさんいて、(13THの映画を観てもらうと真実が分かります。)お金がないから、弁護士も雇えないし、保釈金も払えない無実の彼らを家族のもとに戻すためのサポートへの寄付になるのだ。

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今、私だって、コロナのせいで、働くことができない無収入の生活が3ヶ月続いている。失業保険をもらいたいけど、移民であるが故に、自分のビザに今後影響が出るかもしれないから、申請もできない。でも、今後アメリカという国で自分のやりたいことを叶えていきたいし、今目の前で起こっている問題と向き合いたいので、少しでも彼らが、白人に負けないような生活を取り戻せるように、力になりたいと思い、寄付をした。


Donateに関してわかりやすく、Billie Eilishさんがリンクをシェアしてくれています。

亡くなられたGeorgeさんのご家族へのfundはこちらからできました。





その一方で、コロナが始まった時、中国から発症したと言われていたので、アジア全部ひっくるめられ、国を問わずアジア人である見た目から、差別を受けるという問題だってあった。それはもちろん黒人の人からも。職を失った腹いせに白人から突き飛ばされる日本人の人もいた。 

こうなってくると私たちアジア人だって差別に対して言いたいことがたくさんあって、書き納めることなんてできないし、何が正しい、誰が結局差別しているのかということは、永遠に解決はされない。

しかし、そんなことを言ってても始まらない。 だからこそ、自分にできる正しいことをする。

実際こうして移民で溢れるニューヨークにいて感じることは、白人よりも黒人の人の方が、人間味があったりするし、白人なんかより、中国人のほうが優しかったりする。 

移民でありながらも、たくさんの優しさに触れあっていると思う。肌の色に関係なく様々な人種のお客様から、コロナに気をつけてね、早くあなたに会える日を楽しみにしているよ、といったメッセージをもらったり、

病院に行って不安そうな私に優しい笑顔で、大丈夫よと言ってくれる黒人のナースの人に出会ったり、重い荷物を持っていて階段を上がる時、

ムキムキの白人、黒人の男の人が運ぶのを手伝ってくれたり、日本に行ってみたい、日本が大好きだから日本語を勉強しているといってくれる様々な国の人達がいたり。

優しい人達の顔しか思い出せない。こんなこと日本にいたら、感じることができない気づきだったと思う。 

だからこそ、少しでもここで言葉に記すことで、何か考えるきっかけや興味をもつきっかけになればと思った。

多くの人がこの問題に対して色々話して、何が言いたいかわからないけど伝えたい!みたいになっていて、その気持ちも本当によくわかる。

私も同じだし、それが理解への第一歩だと思う。これを書くのに、ものすごく時間をかけ言葉を選び、今ここに書き納めている。

それくらい、今頭の中はそれでいっぱいだ。そして、それを他の人と話す事によって、より理解を深めれると思っている。

こうして日本語で書いていて、あまり移民との触れ合いが少ない私たち日本人は、いまいち理解しづらい問題だと思う。しかし、黒人だけでなく、例えば同じアジア人内でも、「あの人○○人だからさ」みたいな会話が、あると思う。それが人種差別になるのだ。身近に潜んでいることなんだと思う。

世界が繋がっている今。ただアメリカで起きてるだけでの問題とするのではなく、同じ人間として、知る、考える、理解する機会にしなくてはいけない。

オリンピックがあるからと、きっと私たち日本人は国をあげて、準備してきたはずだ。そのオリンピックが開催されるころには、日本人の外国人に対する関心が、この問題をきっかけに、より一層強く正しく変わっていることを願いたい。

いち早く誰もが平等に平和なアメリカ、そして世界に戻って欲しいし、全てがポジティブな未来に向かうように、無関心なのではなく、私は私なりにできる行動、正しい言葉によって、人種差別がなくなっていくように考えていきたいと思う。

長くなってしまったけど、きっと歴史に残るくらいのことだと思うので、なんとなく気持ちを言葉にしたかった。

Ritsuko

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