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短編小説

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これまでに書いた小説をまとめています。短めなのですぐに読めると思います。気軽に読んでみてください。
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記事一覧

手に収まるほどの飛行機

昼下がり、ふと、窓の外を眺めていると、丁度飛行機が飛んでいるのが見えた。 真っ青な空に、…

白山 律
11か月前

自然と人工の共存

散歩をしていると、電信柱の電線に鳥が3羽、間隔に並んでいるのが見えた。 何だか可愛く思え…

白山 律
1年前

SNS疲れの人たちのための宿

その日の仕事が終わり、自分の部屋に戻ってきたオオノは、大きく伸びをし、机の上のパソコンを…

白山 律
1年前

主観的多様性

カフェで、男性2人が話をしている。 男1:…というわけでさ、最近規制が強くなったじゃん。…

白山 律
1年前

眠った後に行く世界

気が付くと私は、白い部屋にいた。あたりには何もない。 「お久しぶりです。またお会いしまし…

白山 律
1年前
1

深い海の先に

海の近くを歩いていると、「こっちこっち」と声が聞こえた。そこには白い髭を生やした老人がい…

白山 律
1年前
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竹の光る場所

今は昔。竹取翁というものありけり。野山に混じりて竹を取りつつ萬のことに使いけり。 なを讃岐のみやつことなんいいける。 以下略。 これはあの竹取物語の文頭であるが、こんな話が昔から存在しているわけである。なぜこの竹取物語の一節を書いたかというと、見つけてしまったのだ。 光る竹を。 あの物語ではおじいさんが山へ行った時にたまたまその光る竹を見つけたそうだが、私の場合は通勤途中だった。私の職場は家から少し離れていて、大きな山を越えた先にある。車で山を下っている時、右手に見

とある寂しい家の話

 小学生というのは、突拍子もないことを思いつき、そしてそれを臆さずに実行するのに長けてい…

白山 律
2年前
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「次世代」のA Iスピーカーが届いた

世の中には、酔っ払った勢いでネットで変な買い物してしまう人が一定数いるらしい。自分には関…

白山 律
2年前
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あなたの好きな世界を見せる本

 近所を商店街を散歩をしていると、商店街に気になる建物を見つけた。というのも、この商店街…

白山 律
2年前
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地下の街

その日は雲ひとつない青空で、良い日だった。 コンビニで買ってきたサンドイッチを家で食べな…

白山 律
2年前
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世界一幸せな島

このところ、とある都市伝説のような噂話を耳にすることがある。 日本から少し離れたとある島…

白山 律
3年前
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猫の飲み屋

飲み屋から、賑やかな笑い声が聞こえる。 それと対比するように、1人とぼとぼ歩いて帰る自分。…

白山 律
3年前
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「自由」なウツボと「自由」な魚

ウツボがいた。そのウツボは小さい時から、奥底に沈んでいた小さなトンネルが大のお気に入りだった。餌は待っていれば目の前を横切るし、食に困ることもない。住処はここにずっといれば良い。なんと楽なことか。そう考え、ある程度大きくなってからはずっとそこにいた。小さい時こそ外の世界にも興味があり、住処の周りを冒険したりもしたもののそこまで大きな発見もなかった。それなら自分が落ち着く場所にいれば良いのではないか、という結論に至ったのだ。 しかし生活していくうちに(ウツボ本人からすれば大した